結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30269(T2005−30269/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1974617号商標(以下「本件商標」という。)は、「アルファフレックス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年4月3日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品、機械要素」を指定商品として、同62年8月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「土木機械器具、荷役機械器具、動力伝導装置」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証(商標登録原簿及び商標公報の写し)を提出した。
請求人の調査によれば、本件商標は、前記指定商品中「土木機械器具、荷役機械器具、動力伝導装置」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存するとも認められない。
また、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、上記商品につき取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を本件取消審判請求に係る指定商品中「動力伝導用ベルト」について、遅くとも昭和62年(1987年)4月から使用している。なお、被請求人は、自己の業務に係る商品の商品カタログ等において、商品「動力伝導用ベルト」を「動力伝動用ベルト」と表示しているが、両者は実質的に同一の商品である。本書においては、「類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕」(平成13年12月7日社団法人発明協会発行)の表示に合わせ、被請求人の業務に係る当該商品を「動力伝導用ベルト」と表記する。
(2)本件商標は、被請求人が製造販売する「動力伝導用ベルト」及び「物品搬送用ベルト」のうち、顧客(機械メーカー又は機械メーカ一に部品を卸売りする業者)の要望に応じて製造する特殊な仕様・形状のベルト(JIS規格外の仕様・形状のベルト)を表示する商標である。本件商標が使用される商品の形状等は、「バンドー アルファフレックス」と題する商品パンフレット(乙第1号証)の裏面に掲載される図面に見ることのできるとおりである。
乙第1号証のパンフレットの製作年月は、昭和62年(1987年)4月であるが、その製作時に大量に印刷したため、それ以降増刷していないが、掲載される商品の主な仕様等が大幅に変更されたというような事情はない。
本件商標が使用される商品は、顧客の要望に応じて、被請求人が製造販売する特殊な「動力伝導用ベルト」又は「物品搬送用ベルト」であり、汎用品として製造販売される一般的な「動力伝導用ベルト」又は「物品搬送用ベルト」のように頻繁に取引される性質の商品ではない。また、該商品は、産業機械の消耗部品に属する商品であるが、被請求人が製造するそれは耐久性が極めてよく、更に、その顧客は限られているので、本件審判請求の予告登録前3年以内における該商品の取引はわずか数回を数えるに過ぎない。
しかし、その取引において、本件商標は、本件取消審判の取消に係る商品のうち「動力伝導用ベルト」の自他商品識別標識として使用されている。
(3)以下、本件商標が使用される「動力伝導用ベルト」(以下「本件商品」という。)の使用状態を説明する。
(ア)本件商品及び本件商品の取引について
本件商品は、乙第1号証のパンフレット裏面に掲載される「形状例」の欄のうち「2層ベルト(歯付き)」の図に表される商品と同様のものであり、その型番は、「180MXL5.0UK」である。本件商品の型番とこれに照応するベルト形状が一致することについては、「バンドー伝動ベルト総合設計マニュアル 精密機械用」のS−47頁(乙第5号証)に掲載される「バンコランシンクロベルト」の表中「MXL形」の欄に表示されるベルト断面図と前記「2層ベルト(歯付き)」の形状が符合することより事実であるということを容易に理解することができる。
そして、本件商品は、特定の業者・メーカーにより継続的に取引されるものであり、前記型番のみで商品が特定される場合には、受発注の際の注文書等に前記型番のみが記載されることがある。しかし、その場合においても、取引当事者は、前記型番で表示される商品を被請求人の業務に係る商品(アルファフレックス)であると認識した上で、本件商品を取引している。
(イ)本件商品の取引の流れについて
まず、東洋エレクトロニクス株式会社の中国事業所(岡山工場)から多摩イシバシ株式会社に本件商品の注文書が発行される(乙第6号証)。東洋エレクトロニクス株式会社からの注文を受けて、多摩イシバシ株式会社が東日本バンドー株式会社に本件商品を発注する(乙第7号証)。東日本バンドー株式会社は、多摩イシバシ株式会社からの注文を受けて、被請求人に本件商品の注文書を送付する(乙第8号証)。被請求人は、受注に係る本件商品の製作伝票(乙第9号証)を作成し、生産工場に当該製作伝票を送付し、本件商品の生産を指示する。このような受発注の流れを経て生産された本件商品は、被請求人により、多摩イシバシ株式会社に発送される。或いは、依頼により東洋エレクトロニクス株式会社に直接発送されることもある。
(ウ)取引書類について
東洋エレクトロニクス株式会社から多摩イシバシ株式会社への注文書(乙第6号証)の発行日は、平成16年(2004年)12月10日(金)であり、同日付で多摩イシバシ株式会社から東日本バンドー株式会社に注文書(乙第7号証)が送られている。被請求人は、東日本バンドー株式会社からの注文を受けて(乙第8号証)、翌週の12月13日(月)に製作伝票(乙第9号証)を発行し、本件商品の生産を工場(兵庫県加古川工場)に指示する。
乙第6号証及び乙第7号証の各注文書に本件商標は表示されていないが、乙第6号証の「品目コード」及び乙第7号証の「品名」の各欄内に本件商品の型番である「180MXL5.0UK」が明記されていることより、各注文書により取引された本件商品が乙第1号証のパンフレットの裏面に掲載される「2層ベルト(歯付き)」の図に表される商品と同様のものであることを容易に窺い知ることができる。
乙第9号証(被請求人作成の製作伝票)は、乙第7号証の左側上部(「注文書」の文字の左下)に明記される注文番号(TI−8618)と乙第9号証の注意事項欄左上部分に明記される番号(TI−8618)が合致していることより、多摩イシバシ株式会社の注文書の内容を受けた製作伝票であることが明らかである。乙第9号証の注意事項欄右下部分に記入されている「04.12.13 17:15:55 ツボイ ユキコ」は、乙第9号証の製作伝票を被請求人東京支店業務グループの壺井由紀子が平成16年12月13日午後5時15分項に作成したことを示すものである。壺井由紀子とは、乙第8号証の東日本バンドー株式会社が発行した注文書の宛名の人物と同一人である。
乙第9号証の製作伝票の「サイズ」の欄にも「180MXL5.0UK」の文字が明記されており、これに対応する「品名」の欄に「アルファフレックスベルト2ソウ」と表示されているので、「180MXL5.0UK」の型番が付される本件商品が「アルファフレックス」の称呼で取引されていることを理解することができる。
すなわち、乙第6号証、乙第7号証及び乙第8号証は、平成16年12月10日付で東洋エレクトロニクス株式会社が発注した本件商品の生産指示を被請求人が平成16年12月14日に出すまでの一連の流れを明らかにするものであり、本件商標が使用された商品が実際に取引されていることを裏付けるものである。そして、その現実の取引の場において、本件商品は「アルファフレックス」の称呼で取引されるものであり、その商品の仕様又は詳細を参照する必要が生じた場合には、各取引者は、乙第1号証のパンフレット又は乙第5号証の総合設計マニュアルを確認しているので、少なくとも、取引者間においては、本件商標は、自他商品識別標識として十分に機能し、使用されているということができる。
更に、被請求人及び被請求人の子会社のインターネットホームページの内容からも本件商標が商品「動力伝導用ベルト」について現実に使用されていることを窺い知ることができる(乙第10号証の1ないし乙第11号証の2)。
(4)以上、被請求人は、本件商標を本件取消審判請求の登録前3年以内に、本件取消審判に係る指定商品中の「動力伝導装置」に包含される「動力伝導用ベルト」について使用している。
したがって、商標法第50条第2項の規定により、その登録を取り消されるべきものではない。
被請求人の提出に係る乙各号証のうち、乙第1号証は、動力伝導装置(2層構造ベルト等)の商品カタログと認められ、その表紙には、「アルファフレックス」の片仮名文字が書され、その製作年月は1987年4月との記載がある。
そして、上記カタログ中には、「2層ベルト(歯付き)」の商品が掲載されているところ、該商品は、2004年11月作成と認められる「バンドー電動ベルト総合設計マニュアル 精密機械用」(乙第5号証)中の「180 MXL形」と称するベルトと一致すると推認し得るものである。
しかして、上記商品の発注から生産まで一連の商品取引の流れを立証するものとして提出された乙第6号証ないし乙第8号証の「注文書」及び乙第9号証の「製作伝票」等の各種取引書類には、その日付が何れも本件審判の請求の登録日(平成17年3月30日)前3年以内の平成16年12月10日、同13日、平成17年3月2日であり、また、上記乙第9号証には、本件商標と社会通念上同一と認められる「アルファフレックス」の商標、及び商品「動力伝導ベルト」と認められる「ベルトニソウ」の文字が明記されている。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件取消請求に係る指定商品中の「動力伝導装置」に包含される「動力伝導用ベルト」について、その取引書類に本件商標を付して使用していたものと認め得るところである。
そして、請求人は、上記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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