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Trademark Appeal Case

「デザイナーズハウス」の普通名称化

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−4165(T2004−4165/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Designer’s House」の文字を横書きしてなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年4月15日に登録出願されたものである。

そして、その指定役務については、当審における平成16年3月2日付けの手続補正書により、第42類「建築物の設計,建築デザインの考案」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『Designer’s House』の文字を書してなるものであり、これより『建築家が設計を担当した住宅』といった意味合いを表わすものと容易に認識させることから、これを例えば、本願指定役務中に含まれる『住宅の設計』などに使用しても、取引者・需要者は、その役務の質(内容)を表示するにすぎないものといった程度に理解するにとどまると見るのが相当といえるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を有しないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「Designer’s House」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「Designer’s」の文字部分は、「設計者、意匠図案家、デザイナー」等の意味を有する英単語「Designer」に、英語で所有格を表すアポストロフィと「s」を組み合わせた「’s」を付したものであり、また、「House」の文字は、「家、家屋、住宅」等の意味を有する英単語と認められるものであって、我が国の英語の普及程度から見れば、「Designer’s House」の語は、上記意味を有する英語として知られているところである。

そうすると、これに接する取引者、需要者は、本願商標「Designer’s House」の文字より、さほどの困難を伴うことなく、全体として「設計者の家」というほどの抽象的意味合いを認識、把握するとみて差し支えなく、もって本願指定役務に係る業務を含む請求人(出願人)の業務の内容と関連づけて認識すると見るのが相当である。

ところで、本願指定役務と関連が深い住宅建築の分野においては、ハウスメーカーによる、住宅の工業化、住宅の量産化とともに画一的な住宅が増える中で、近年では、多様化する建築主の要望やライフスタイルに合わせた個性的でデザイン性の高い住宅の建築が注目されており、例えば、建築主と設計者が独自の建築計画をたてて造る住宅、著名な建築家が企画・設計を担当する住宅、建築デザイナーと住宅メーカーが共同で開発する住宅、あるいは、新進気鋭のデザイナーとの連携により設計される住宅等の需要が高まっている実情がある。

しかして、これらの建築家・建築デザイナーの設計による、個性を重視したデザイン性の高い住宅のことを、「デザイナーズハウス」と称し、建築物の設計や建築デザインの現場においては、これらの住宅の設計やデザインの考案が行われており、「デザイナーズハウス」の語が、「建築家の設計による,個性を重視したデザイン性の高い家」の意味合いをもって、取引の実際において普通に使用されているものである。

そして、前記のとおり使用されている実情としては、例えば、次のような新聞記事及びインターネットによるホームページの情報等により、その一端をうかがい知ることができるところである。

(1)2005.05.09 建設通信新聞

「さらに個性的な住宅へのニーズに対応したデザイナーズハウスなど、時代の変遷に応じて住宅も変化を遂げている。」の記述

(2)2005.06.03 日刊建設工業新聞

「建築家が設計するデザイナーズハウスで求められる開放的な空間を演出できる。」の記述

(3)2004.04.15 中日新聞

「建築デザイナーと住宅メーカーが共同で開発した商品に人気が集まっている。いわゆるデザイナーズハウスだが、大手メーカーの中でいち早くこのシステムを取り入れた、大和ハウス工業のその後を追ってみた。」の記述

(4)2004.03.16 住宅新報

「新進気鋭のデザイナーが設計する『デザイナーズハウス』だ。建築家とのコラボレーションで新しい住まいづくりに挑戦し始めた大昇産業(東京都世田谷区、江崎純社長)の建て売り住宅だ。」の記述

(5)2004.02.19 日刊工業新聞

「3月には在京の著名建築家とのコラボレーションでデザイナーズハウスを販売するつもり。」の記述

(6)2002.02.16 北国富山新聞

「地元建築デザイナーと連携したデザイナーズハウス展開でハウジング業界に攻勢をかけており、金沢市内での店舗展開も視野に入れる。」の記述

(7)http://www.hswk.com/11design/11-0designers.htm

「いい家を建てるコツとして、デザイナーズハウスが挙げられます。」及び「デザイナーズハウスを建てる」の記述

(8)http://www.hodaka-j.co.jp/de_txt/

「建売、戸建ての常識を越えたデザイナーズハウス」の記述

(9)http://www.kozitsuhouse.co.jp/wood/designer/designer.html

「デザイナーズハウスは現在とても人気があり、住宅街でもたくさんの個性的な家が見られるようになりました。」の記述

(10)http://homepage2.nifty.com/e-com/

「デザイナーズハウスのようなデザイン性の高いものや、機能を重視した住宅を提供致します。」及び「デザイナーズハウスとは主に建築家が設計し、建売住宅や分譲マンションと違いデザインや機能をお客様と話し合って作るものです。」の記述

(11) http://www.ohj.jp/

「建築家との住まいづくり (デザイナーズハウス)」の記述

以上によれば、本願商標をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、自他役務の識別標識として認識するというよりは、むしろ、それを妨げる何か特別の事情がない限り、この語句の有する上記意味合いから、ごく自然に設計又は考案するデザインの客体を表す語として把握し、設計あるいはデザインに関して提供される役務の特性を記述的に表した表現として認識、理解することになるというべきである。

そして、本願商標について上記認識、理解を妨げる特別の事情を見いだすことはできない。

してみれば、本願商標は、その指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その役務が、建築家あるいは建築デザイナーの設計による住宅に関するものであると認識し、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、それをもって、自他役務の識別標識とは、認識し得ないものといわなければならない。

そうすると、本願商標は、結局、役務の質を表示したものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。

なお、請求人は、仮に、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する場合であっても、本願商標は、同法同条第2項の適用により登録されるべきものである旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第2項の趣旨は、同法第3条第1項第3号ないし同第5号に該当するような本来的には自他商品又は役務について、識別力のない商標を特定の者が永年独占的にその業務に係る商品又は役務について使用した結果、それら商品又は役務の需要者、取引者の間において当該使用者の商品又は役務を表示するものとして広く認識されるに至った場合に初めて、その商標登録を認めようとするものであるから、その適用が受けられる商標は、特定の者の業務に係る商品又は役務として広く認識された商標と同一の商標及びその商標が使用されていた商品又は役務と同一のものに限られるものと解されるところ、請求人の提出にかかる甲第1号証ないし甲第27号証のみでは、本願商標の使用期間、販売実績、売上高等の営業の規模、広告宣伝の方法、回数及び内容等の使用状況に関する事実についての客観的証拠と見るには不十分であるから、本願商標が使用された結果、自他役務の識別標識として認識されているとするには、十分なものとはいえないものである。

してみれば、使用により識別力を有するに至った商標であるとの請求人の主張は、認めることができない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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