Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−18963(T2003−18963/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ずれおちないポケットつき肌ぎ」の文字を標準文字として表してなり、第25類「被服,薬布紙,生理用品,尿取紙を主にいれる,使う」を指定商品として、平成14年9月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
(1)指定商品・指定役務は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、この商標登録出願に係る指定商品中には明確でない表示があり、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。
(2)本願商標は、「ずれおちないポケットつき肌ぎ」の文字を普通に使用される程度で書されたものであるが、本願指定商品との関係においては、その商品が「ずれおちないポケットつき肌ぎ」程度の意を容易に認識させるから、これをその本願指定商品に使用しても、単にその商品の品質を表したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願の指定商品中「薬布紙,生理用品,尿取紙を主にいれる,使う」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないものである。
「薬布紙」及び「尿取紙を主にいれる,使う」は、いかなる商品か明確でないことから、第25類に属する商品と認めることはできない。また、「生理用品」は、「生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ」を意図しているものと推認するが、当該商品は、第5類に属する商品である。
したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項に規定する要件を満たしていない。
(2)本願は、前記(1)のとおり商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないものであるが、その指定商品中には、「被服」が存在するので、かかる指定商品との関係において、原査定の拒絶の理由(2)について検討する。
本願商標は、「ずれおちないポケットつき肌ぎ」の文字を表してなるところ、その構成中前半の「ずれおちない」の文字部分は、「その位置からはずれて、おちることがない」の意を認識させ、後半の「ポケットつき肌ぎ」の文字は、「ポケットの付いた肌着」であることを意味することから、これよりは、原審説示のごとく「ずれおちないポケットがついた肌着」であると、直ちに認識させるといえるものである。
そして、「ポケットの付いた肌着」については、インターネットによれば、以下の事情等がある。
(ア)「腹巻きカイロポケット付きーセシール(cecile)」において、「腹巻き カイロポケット付」として、「カイロポケットつきで、お腹をしっかりガードする腹巻き。」等の記載とともに、商品が紹介されている(http://www.cecile.co.jp/p/p410UE-956/index1f.html)。
(イ)「腹巻き&カイロポケット付きサニタリーベルメゾンネット」において、「腹巻&カイロポケットつきサニタリー」として、「たっぷり腹巻丈のサニタリーショーツだから、お腹も腰もあったか。ブルーデーの冷えをしっかり予防します。」等との記載とともに、商品が紹介されている(http://72.14.203.104/search?q=cache:WnmvZEVdBx8J:www.bellne.com/pr/500648991/+%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%80%80%E4%B8%8B%E7%9D%80&hl=ja&lr=lang_ja)。
(ウ)「グラマーサイズブラ 総合情報 - グラマーサイズブラ 通販サイト」において、「スプリングブラ パステルカラーのレーシィなブラ お揃いのショーツもあります! ・ポケットつき・パットなし。」等の記載とともに、商品が紹介されている(http://72.14.203.104/search?q=cache:taeT6N-Krr0J:keywords.jp/aa1028515119/+%E3%83%9D%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A4%E3%81%8D%E3%80%80%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%84&hl=ja&lr=lang_ja)。
さらに、新聞記事情報によれば、
(エ)「アイデア肌着、懐もぬくぬく?(楽市楽座98)」の見出しのもと、「安上がりで暖かい――そんな女性用の肌着類が名古屋でも売れている。靴下では使い捨てカイロを入れるポケットつきのアイデア商品が人気。『ババシャツ』と呼ばれる肌着は色やデザインを工夫したおしゃれな商品も出始めている。百貨店などは消費不況でコート類といった高額衣料の売り上げを大きく見込めないなか、新タイプの肌着に期待している。」(1998.11.15 名古屋朝刊)との記載がある。
(オ)「男もすなる『腹巻き』 冷えに悩むOLに人気」の見出しのもと、「女性用下着メーカー最大手のワコール(本社・京都市)も参戦。五月中旬に開かれた秋冬物の展示会に、レースをあしらったものや、裏側にカイロなどが入れられるポケットつきの腹巻きを発表した。八月から九月にかけて、全国で販売するという。」(1997.6.18大阪夕刊)との記載がある。
以上のとおり、本願指定商品中「被服」を取り扱う業界においては、例えば、「腹巻き、靴下」等の商品に、「使い捨てカイロを入れるポケットつき」の商品や、「ブラジャー」についても、パッド等を挿入するための「ポケット」が付いた商品が、販売されているものである。
前記した本願商標の意味合い及び上記実情等を勘案すれば、「ずれおちないポケットつき肌ぎ」の文字よりなる本願商標を、その指定商品中「下着」等について使用したときは、「ずれおちない工夫がされたポケットがついた肌着」であること、すなわち、商品の品質等を表示するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、審判請求書において種々述べているが、本願指定商品を補正する等、商標法第6条第1項及び第2項の要件を満たすための手続きがなされないばかりでなく、本願商標の自他商品の識別性については、何らの主張も見受けられないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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