Trademark Appeal Case
ONE TOUCHの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第6888号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第9類「電解装置、ワックスヒーティングアパレイタス」を指定商品として、平成6年2月22日登録出願、その後、指定商品については、平成7年2月6日付手続補正書をもって「電解式脱毛器、脱毛用ワックス加熱器」と補正、また、商品区分については、平成7年12月5日付手続補正書をもって「第8類」と補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『スイッチを入れるだけで手軽に使用することのできる商品であること』を看取させるにすぎない『ONE TOUCH』の文字を普通に書してなるものであるから、これを本願の指定商品に使用しても該商品の品質を表するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に表示したとおり「ONE TOUCH」の文字を横書きしてなるものである。
ところで、「ONE TOUCH」の文字が「ワンタッチ」と発音されるものであることは、わが国における語学教育の現状からみて容易に理解されるところである。そして、「ONE TOUCH」(ワンタッチ)の文字は、「日本語になった外国語辞典第2版」(株式会社 集英社・1989年6月25日第2版第3刷発行)によれば「ワンタッチ[one touch]」の項に「操作が簡単なこと.1回押すだけで作動する機械などの押しボタン方式.」との記載、「最新早引きカタカナ語辞典」(株式会社 緒方出版・1996年7月30日9刷発行)によれば「ワンタッチ[和one+touch]」の項に「▲1▼手で一度触れること。▲2▼機械が一度押すだけで作動すること。」との記載、「広辞苑 第五版」(株式会社 岩波書店・1998年11月11日発行)によれば「ワン−タッチ[和製語one touch]」の項に「▲1▼一回触れること。「ボールに―あり」▲2▼一つの操作。また、機器などの操作が極度に簡単であること。」との記載、同じく、「知恵蔵 THE ASAHI ENCYCLOPEDIA OF CURRENT TERMS1999」(朝日新聞社・1999年1月1日発行)によれば「ワンタッチ[one touch 和]」の項に「操作が簡単で、例えばボタンを1回押すだけで済むこと.」との記載が認められる。
また、株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Searchの新聞情報データベース」を検索すると、1996年4月20日付日経流通新聞の記事(6頁)には、「シェーバー付き脱毛器、ブラウンジャパン(新製品)」の見出しのもと「ワンタッチでヘッドを付け替え、スベスベ感を長く保てる脱毛機能と、デリケートな部分でも安心して処理できるシェービング機能を使い分けられる。...」との記載が認められる。
さらに、電気製品を取り扱う業界においては、例えば、各種電気機器のスイッチ切り替えを簡単に操作できるの意味合いでリモートコントローラー(いわゆる「リモコン」)に「ワンタッチ」の文字が普通に使用されている事実、同じく、「電話機」の機能の一つとしてよく使用する電話番号を短縮番号にして記憶させ、その番号を押すことにより簡単にかけられる意味合いで「ワンタッチ」の文字が普通に使用されている事実が認められる。
以上のことよりすれば、本願商標を構成する「ONE TOUCH」の文字は、「ワンタッチ」の称呼を生ずる和製語であって、「ワンタッチ」の文字が「機器等の操作が簡単にできる」の意味合いを有し、かつ、その意味合いで使用されていることよりして、「ワンタッチ」を欧文字で表したものと容易に理解される本願商標(「ONE TOUCH」)に取引者、需要者が接した場合、「ワンタッチ」の片仮名文字と同様に理解するものといわなければならない。
そうとすれば、本願商標をその指定商品「電解式脱毛器、脱毛用ワックス加熱器」に使用したときは、該商品が「操作が簡単に使用できる商品」であることを表した、即ち、商品の品質を表示したものにすぎず、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわざるを得ない。
なお、請求人は、本願商標は、出願人の製造に係る各種脱毛製品及び器具の商標として、我が国においても広く認識されているものであるから、自他商品識別力を有するものであると主張し、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証(枝番を含む)を提出している。
しかしながら、1992年(平成4年)版ないし1996年(平成8年)版の販売店向けのパンフレットである甲第1号証(枝番を含む)及び本願指定商品を含む商品の写真である甲第2号証(枝番を含む)に示された使用商標は、いずれも「ワンタッチ」の片仮名文字、あるいは長方形内に「ONE」「TOUCH」の文字を2段に表示した構成態様からなるものであって、本願商標とはその構成態様を異にするものである。
そして、本願商標が我が国において広く認識され、自他商品の識別力を有するものであることを示す客観的な証明としての商品の生産又は販売数量、売上高、広告宣伝の方法、回数及び内容等が何ら明らかにされていないものである。
してみれば、請求人の提出した証拠によっては、前記主張を認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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