Trademark Appeal Case
キャラクターの剽窃と公序良俗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−21657(T2004−21657/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「モモンジャー」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「1 この商標登録出願に係る商標は、石ノ森正太郎原作「秘密戦隊ゴレンジャー」の作品であり、現在でも人気のあるキャラクターの一つと認められる「モモレンジャー」の標準文字からなるものであるから、これを出願人が自己の商標として採択、使用することは、商取引の信義に背反するものと認められる。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。2 この商標登録出願に係る商標は、石ノ森正太郎原作「秘密戦隊ゴレンジャー」の作品中のキャラクターの一つとして「山勝版」「東鳩版」のようにカードにもなって広く認識されている「モモレンジャー」の標準文字からなるものであるから、これをその商品に使用した場合は、恰も、原作者から許諾を得た者の取り扱いに係る商品であるかの如く、又は、氏と何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、その出所につき彼此混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号について
商標法は、不正競争防止法と並ぶ競業法であって、登録商標に化体された営業者の信用の維持を図ると共に、商標の使用を通じて商品又は役務に関する取引秩序を維持することが目的とされている。
そして、商標法第4条第1項第7号は、前記目的を具現する条項の一つとして「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標は、商標登録を受けることができない。」旨を規定している。
しかして、過去の審決例及び判決例によれば、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、「その商標の構成自体が矯激、卑隈な文字、図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくとも、その時代に応じた社会通念に従って検討した場合に、当該商標を採択し使用することが社会公共の利益に反し、または社会の一般的道徳観念に反するような場合、あるいは他の法律によってその使用が禁止されている商標、若しくは国際信義に反するような商標である場合」も含まれるものと解されている。
そして、商標法の目的が、「商標の使用を通じて商品又は役務に関する取引秩序を維持すること」にあることよりすれば、上記の「社会の一般的道徳観念に反する場合」には、「模倣又は剽窃などにより、公正な取引秩序を乱すおそれがある場合」も含まれるというべきである。
(2)本願商標について
これを本願商標についてみるに、本願商標は、前記のとおり「モモレンジャー」の片仮名文字を標準文字で書してなるところ、「モモレンジャー」は、「秘密戦隊ゴレンジャー」(「石ノ森章太郎」原作)に登場するキャラクターの一人である。
そして、「秘密戦隊ゴレンジャー」は、1975年4月から1977年3月にかけて、全国テレビ朝日系で放送された放送番組名であり、「スーパー戦隊シリーズ」の第1作ということもあって15%以上の視聴率を獲得しており(関東地区、ビデオリサーチ調べ)、現在も、DVDが販売されるなどその人気は高いものである。
そうとすれば、請求人(出願人)が、本願商標を選択したことが偶然の一致とは認め難く、また、請求人(出願人)において創造した語とも認め難いものである。
さらに、請求人(出願人)が、本願商標の登録出願と同一の出願日に、「モモレンジャー」以外の「秘密戦隊ゴレンジャー」のキャラクターである、「アオレンジャー」(商願2003−95857)、「ミドレンジャー」(商願2003−95859)及び「キレンジャー」(商願2003−95858)の登録出願をしている点をも考慮するならば、本願商標は、「秘密戦隊ゴレンジャー」のキャラクターに準拠し、これを剽窃して、その登録出願をしたものというべきである。
(3)むすび
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願商標を拒絶した原査定は、他の拒絶理由について論ずるまでもなく、妥当なものであるから、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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