結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2005−89075(T2005−89075/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4831906号商標(以下「本件商標」という。)は、「イオナージュ」及び「IONACE」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成16年4月14日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」を指定商品として、同17年1月14日に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第2317561号商標(以下「引用A商標」という。)は、「IONAGE」の文字を横書きしてなり、平成1年1月9日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同3年6月28日に設定登録され、その後、同14年1月29日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年11月20日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする書換登録がされているものである。
同じく登録第1364531号商標(以下「引用B商標」という。)は、「イオナ」の文字を横書きしてなり、昭和49年7月13日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同53年12月22日に設定登録され、その後、平成1年2月27日及び同10年10月6日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録第1536697号商標(以下「引用C商標」という。)は、「IONA」の文字を横書きしてなり、昭和52年11月25日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同57年8月27日に設定登録され、その後、平成6年6月29日及び同15年2月12日の2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同15年12月10日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする書換登録がされているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第4号証を提出している。
(1)本件商標と引用商標との類否
(ア)称呼について
商標の構成について観察すると、本件商標は、上段の「イオナ−ジュ」及び下段の「IONACE」の構成から、「イオナージュ」の称呼の外に、上段の「イオナージュ」の中央部のハイフン(−)で結合された前部の「イオナ」、後部の「ジュ」の二つの組を一つに連結した構成から、それぞれ独立して認識される「イオナ」、「ジュ」の称呼が自然に生ずることは自ずと明らかである。
これに対して、引用A商標は、その語尾の母音に続く「GE」が多くの場合「ジュ」と発音することがあることは、例えば、母音に続く語尾に「GE」を有する英単語「ROUGE」が「ルージュ」と発音することからも、全体的に「イオナージュ」と称呼する場合があることは極めて容易に首肯し得るところである。
次に、引用B商標は、文字どおり「イオナ」と称呼し、そして、引用C商標は、これ又「イオナ」と称呼することは容疑なきところである。
このように、本件商標は、「イオナージュ」、「イオナ」のそれぞれの称呼が生ずることは疑う余地がないというべきである。
然るに、本件商標から発生する称呼は、引用商標から生ずる称呼のいずれかと同一又は類似する典型的な事例に当たるものである。
(イ)外観について
本件商標の下段は、上述のとおり「IONACE」である。これに対して、引用B商標は「IONAGE」である。
以上の両商標の構成である「IONACE」と「IONAGE」の外観を比較検討すると、両商標は同一の6文字からなり、わずかに5番目の文字「C」と「G」が異なるにすぎない。しかもその違いは、本件商標を構成する「C」において、その開口部の下顎の上端に極く小さな鎌状又は杵状の態様「T」を付加すれば「G」の態様に必然的になる。すなわち、共通する形態「C」に対して、僅小な鎌状又は杵状の態様「T」が有るか無いかの違いにすぎないものである。
そうすると、本件商標の下段の「IONACE」と引用A商標の「IONAGE」は、上述の極く一部の小異を残して、それらの文字の数と配列状態が同一であり、全体として一見すると、上記の小異は全く埋没して極めて酷似し、両者は視覚的に非常に峻別しにくい類似商標に該当することは多く述べるまでもなく自明である。
(ウ)観念について
本件商標と引用A商標とは、共に、何の意味も有しない造語であり、観念を有しないものである。
(エ)指定商品について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、多くの共通の類似群コード(04A01 04B01 04C01 04D01 04D02)を含んでいることからも分かるとおり、互いに同一又は類似の商品であることは詳細に述べるまでもなく明らかである。
(オ)以上のとおり、本件商標は、称呼、外観、観念において、引用A商標と判別しにくいほど極めて酷似し、また、引用B及びC商標と称呼が同一又は類似する場合を有するものであって、引用商標に対して彼此相紛らわしいことは経験則に徴して誠に明白であり、指定商品においても、同一又は類似するものである。
(2)むすび
したがって、これらを総合的に勘案すれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録を受けることができないものであり、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効にすべきものである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第8号証を提出している。
(1)本件商標は、一連のゴシック文字による「イオナージュ」及び欧文字「IONACE」を二段に横書きしてなる構成態様からみて、下段に一連に書した「IONACE」の欧文字部分と、その読みを上段に特定した片仮名表記の「イオナージュ」とを併記した商標として認識、理解されるものである。
それゆえ、本件商標からは「イオナージュ」のみの称呼が生ずるものであり、特定の観念を想起させない造語として認められるものである(乙第5及び第6号証)。
(2)引用A商標の「IONAGE」は、欧文字のみの表記であり、請求人が自ら主張するように、造語として認識、理解されることは明らかであり、称呼としては「アイオンエイジ」及び審査時の称呼判断である「イオネージ」(乙第7号証)が生ずるものであり、特定の観念を想起させないことは明らかである。
また、引用B商標からは「アイオンエイ」、「イオナ」、引用C商標からは「イオナ」の称呼が生じるものであり、各々特定の観念を想起させないことは明らかである。
(3)それゆえ、称呼及び観念において、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれはないものである。
また、外観においては、本件商標と引用A商標との構成は前記したとおりであり、「C」と「G」及び片仮名文字の差異により、これを時と処を異にして離隔的に観察したとしても外観上見誤るおそれはないものである(乙第8号証)。さらに、上述のことから、引用B及びC商標とは、本件商標と外観上見誤るおそれはないことは明らかである。
(4)このようなことから、本件商標と引用商標とは、称呼、外観、観念のいずれにおいても区別し得る非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当せず、その商標登録は同法第46条第1項第1号に該当しないものであり、無効の理由を有しないものである。
(1)本件商標と引用A商標との類否について
(ア)本件商標は、「イオナージュ」の片仮名文字をゴシック体で大きく横書きし、その下部にかなり間隔を空けて「IONACE」の欧文字をやや小さく横書きしてなる構成からすると、視覚上、両文字部分が分離して看取されることに加え、必ずしも片仮名文字が欧文字部分の読みを特定したものといえないことから、両文字部分のそれぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そうすると、本件商標は、「IONACE」の文字部分がどのように称呼されるかはさておき、大きく顕著に書され、看者の注意を強く惹き、読みやすい片仮名文字に相応して「イオナージュ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用A商標は、上記2のとおりの構成からなるところ、その綴り字は英和辞典等に見出せないものであり、親しまれた観念を有する成語を表したものとはいえない。かかる場合、ローマ字読み又は我が国で最も普及している外国語たる英語風の読みで称呼されるのが通例であるから、引用A商標は、その構成文字に相応して、ローマ字読みで「イオナゲ」の称呼が生ずるほか、英語読みで、例えば「damage」、「manage」、「garage」の英単語がそれぞれ「ダメージ」、「マネージ」、「ガレージ」と発音される例に倣い、「イオネージ」の称呼が生じ、また、「camouflage」、「montage」、「sabotage」の英単語がそれぞれ「カムフラージュ」、「モンタージュ」、「サボタージュ」と発音される例に倣い、「イオナージュ」の称呼も生ずるものというべきである。
そうすると、本件商標と引用A商標とは、「イオナージュ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
加えて、本件商標の構成中の欧文字部分についてみれば、大文字6字で表されており、同じく大文字6字で表された引用A商標とは、5文字目の「C」と「G」が相違するのみで、他の配列構成文字を悉く同一にするものである。しかも、相違する「C」と「G」の文字は、その開口部の下顎の上端に小さな鈎状のものがあるか否かの差異のみで、その外形が近似しているものであり、これらの差異が全体に及ぼす影響は少ないものであるから、本件商標と引用A商標とを時と処を別にしてみた場合には、全体構成が彼此相紛らわしく、両者は外観においても類似するものというべきである。
(イ)また、本件商標の指定商品と引用A商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。
(2)被請求人の主張について
被請求人は、本件商標からは「イオナージュ」の称呼のみを生じ、引用A商標からは「アイオンエイジ」又は「イオネージ」の称呼が生ずるものであって、本件商標と引用A商標とは称呼はもとより、外観及び観念においても区別し得る非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、上記(1)(ア)のとおり、引用A商標は「イオナージュ」の称呼をも生ずるものであり、本件商標と引用A商標とは、その称呼において類似するほか、外観においても類似するものというべきであるから、被請求人の主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、引用A商標と類似するものであり、かつ、その指定商品と引用A商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、引用B及びC商標との類否について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録を無効にすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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