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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第17374号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ふり小袖」の文字を横書きしてなり、第25類「和服」を指定商品として、平成7年12月21日登録出願されたものである。その後、指定商品については、平成9年7月9日付け手続補正書をもって「小袖」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、本願商標は、「ふり小袖」と横書きしてなるものであるが、これは本願指定商品との関係においては「振り小袖」なる商品を表示したものと認識されるものであるから、これを本願指定商品中、上記商品に使用するときは、単に商品の品質を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第3項に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1号第16項に該当する。旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標「ふり小袖」の文字は「振り小袖」なる商品を認識されるというがその具体的な理由が明らかにされていないのみならず、その証左も示されていない。また、「ふり小袖」なる用語は、業界用語として存在していないところ、請求人は着物の袖の長さが振り袖と留め袖での中間の長さ2尺5寸程度のものを開発し商品化し、「ふり小袖」と命名したものある。そして、▲1▼昭和50年11月30日、株式会社小学館発行「ホーム・コンサルタントきものの百科」▲2▼1984年2月18日、同文書院発行「田中千代服飾事典」▲3▼1990年10月1日、株式会社三省堂発行「大辞林」▲4▼昭和60年11月5日株式会社岩波書店発行「広辞苑(第3版)」等をみるに、これらには「ふり小袖」、「振り小袖」なる文字(名称)の掲載もないところである旨述べて、第1号証乃至同4号証を提出している。

4.当審の判断

よって判断するに、本願商標は、「ふり小袖」の文字を横書きしてなるものである。

ところで、和服を取り扱う業界において、「小振り袖」、「振り小袖」、「振り小そで」及び「ふり小そで」なる文字が和服の一種を指称する語として使用されていることは、例えば、▲1▼平成8年8月29日付けの日経流通新聞に、『「小振り袖」次々発売−着物店が20−30代向け』の中で、着物の専門店各社が今年の秋物商戦から、「小振り袖」の販売に力を入れ始めた。そで丈が振り袖と留め袖の中間の長さの着物で、着物業界では久々の“新規開発商品”。振り袖後の二十〜三十代の女性をターゲットにフォーマルウエアとして売り込む。▲2▼平成8年11月2日付けの読売新聞、大阪版の朝刊に、『京の修学旅行、着物で楽しむ古都の風情 京都和装産業振興財団が無料レンタル』の中で、和装業界は上下に分けて着る洋服感覚の「二部式着物」、袖(そで)丈を振り袖と普通の着物の中間(約六十センチ)に設定した「振り小袖」などを打ち出すなど起死回生に懸命だ。▲3▼平成9年1月14日付けの読売新聞、大阪版の朝刊に、『「新キモノ」や和装小物で気軽に着物を 若い世代に広がる「二部式」』の中で、若い世代に広がっているのは上着とスカート部分に分かれた二部式の着物。半幅帯にすれば、気付けも着心地もゆかた同様の気楽さで、化繊なら五万円の商品も。そで丈を振りそでと小紋の中間にした「振り小そで」も新しい外出着として人気がある。▲4▼平成9年6月5日付けの日本経済新聞、京都・滋賀地方面に、『京都の服飾文化を紹介一第5回「ファッションカンタータ」』の中で、このイベントは京都の伝統文化と様相文化を交流・融合し、広く世界に紹介する狙い。五回目となる今回は作詞家阿久悠氏を総監督に迎え、タレントの吉川ひなのさんと俳優の袴田吉彦さんが特別出演。和装では新作の「ふり小そで」四十点や男性着物など計約百点、洋装では芦田多恵氏ら招待デザイナー三人の作品を含む約七十五点を出展した。の記載に徴して認め得るところである。

しかして、上記の新聞記事中に、▲1▼では、「そで丈が振り袖と留め袖の中間の長さの着物」を「小振り袖」と、▲2▼では、「袖(そで)丈を振り袖と普通の着物の中間の長さの着物」を「振り小袖」と、▲3▼では、「そで丈を振りそでと小紋の中間の長さの着物」を「振り小そで」といわれている事実が認められる。

そうとすると、「ふり小袖」の文字を書してなる本願商標は、「振り小袖」の意を容易に想起し、認識し得るものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「振り小袖」(振り小そで)に使用するときは、該商品が和服の一種「振り小袖」であることを表現する文字として理解されるに止まり、自他商品識別の機能を果たす文字とは認識し得ないものと認められる。

したがって、本願商標は、その指定商品中、「振り小袖」については、その商品の品質を表示しているにすぎないものであり、また、「振り小袖」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

故に、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1号第16項に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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