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Trademark Appeal Case

称呼類似性の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90213(T2005−90213/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4835995号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4835995号商標(以下「本件商標」という。)は、「セオリア」の文字と「THEORIA」の文字とを二段に書してなり、平成16年3月11日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年1月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4744077号商標は、「Theory」の文字を標準文字で書してなり、平成11年2月22日に登録出願、第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月30日に設定登録されたものである。同じく登録第4413156号商標は、「Theory」の文字を標準文字で書してなり、平成10年6月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年9月1日に設定登録されたものである。同じく登録第4436425号商標は、「THEORY」の文字を標準文字で書してなり、平成10年12月2日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年12月1日に設定登録されたものである。

以下、これらの登録商標を一括して「引用商標」という。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国において周知著名な「THEORY」の文字からなる引用商標と類似するものであり、他人が本件商標をその指定商品に使用すると、企業の多角経営化が進む今日では出所の混同を生ずるおそれがある。

また、本件商標は、申立人の商標として日本又は外国における需要者間に広く認識されている引用商標と類似するものであって、不正の目的をもって使用するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、「セオリア」と「THEORIA」の両文字よりなるものであり、これら両文字に相応して「セオリア」の称呼を生じ、格別の意味を看取させない一種の造語よりなるものと認められる。

これに対し、引用商標は、「Theory」又は「THEORY」の文字よりなるものであり、それぞれの文字に相応して「セオリー」の称呼を生じ、英単語の「theory」の有する意味の「理論、学説」の観念を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標より生ずる「セオリア」の称呼と引用商標より生ずる「セオリー」の称呼とを比較すると、両者は、ともに4音(長音を含む)構成よりなるところ、語尾にあって、「ア」の音と長音「ー」の差異を有するものである。しかして、該差異音において、「ア」の音が、口を大きく広げて発する広母音で強く響き明瞭に聴取し得るのに対し、長音「ー」は、前音の「リ」「ri」に帯有する母音(i)を一拍分長くのばした音で響きが弱く明瞭には聴取し難いものであるから、該差異音が、両者の比較的短い称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれ一連に称呼した場合、語調、語感が異なり、充分聴別し得るものと判断するのが相当である。

さらに、本件商標は、上記のとおり特定の意味を有しない造語といえるから、観念については、引用商標とは比較し得ないものであり、また、両商標は、それぞれの構成よりして、外観においても明らかに差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれよりみて、十分に区別し得る非類似の商標である。

請求人は、「ファミリー」と「ファミリア」の称呼において類似すると認定した審決例を挙げ、本件商標は引用商標と称呼上類似すると主張する。

しかしながら、「ファミリー」及び「ファミリア」の文字は、平易な英単語であって、語尾の変化した名詞と形容詞の関係にある「family」又は「familiar」を片仮名文字で表したと容易に理解されるのに対し、本件の場合は、上記のとおり一方は造語よりなるものであって、例えば「セオリア」から「セオリー」を、あるいは「セオリ」から「セオリア」を連想し得るとは到底考えられないから、申立人の上記主張は採用することができない。

(2)次に、「THEORY」の文字からなる引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国において周知著名であると述べるので、この点について検討するに、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、米国ニューヨークに所在する「theory」ブランドの衣料品(以下「theory商品」という。)を取り扱う会社で、「theory」ブランドは、米国のサセックス・フィフス・アベニューなど高級百貨店でよい売場を確保する絶好調ブランドであると新聞で報道されていることが認められる(甲第6号証)。

我が国においては、theory商品の企画、生産している株式会社リンク・セオリー・ホールディングス(以下「リンク・セオリー・ホールディングス社」という。)は、1999年に当時の株式会社リンク・インターナショナルが東京の有楽町西武に第1号店を開設し、以降、申立人会社を傘下におさめ、百貨店の激戦地、東京新宿の高島屋、伊勢丹、京王百貨店に出店するなど全国展開し、2004年8月期末には、店舗数は84か所、売上高は147億円に達している旨が新聞に記載され(甲第5号証)、また、多くの女性誌に、theory商品が紹介され、商品広告が掲載されていることが認められる(甲第7号証ないし同第10号証)。

したがって、リンク・セオリー・ホールディングス社は、米国及び我が国において、theory商品を販売する店舗を主要な百貨店に出店し、また、多くの女性誌に広告を掲載するなど、theory商品について広範に事業を展開していることが認められる。

(3)しかしながら、前述のとおり、本件商標は、引用商標と類似するものではなく、両商標間に誤認混同を生ずる事由は見出せないといわざるを得ない。しかも、本件商標の指定商品は、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品、すなわち「せっけん類,化粧品,香料類」であって、申立人の主要商品である衣料品と異なるものであるから、申立人の引用商標における上記事情、及び「theory」ブランドの経営多角化傾向を勘案しても、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

(4)また、本件商標は、引用商標と類似するものではなく、商品の出所の混同を生ずるおそれもないものであること上述のとおりであるから、本件商標は、引用商標の高い名声にフリーライドしようとするなど不正に使用するものということもできない。

(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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