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結論

敗訴(請求棄却)

商標「ワンダーマガジン」の雑誌名における称呼類似(第4条第1項第11号|審判異議2005−90227(T2005−90227/J7))

審判番号
異議2005−90227(T2005−90227/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ワンダーマガジン」
争点(論点)
雑誌名における称呼類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第16類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2005−90227(T2005−90227/J7)・異議)は、本件商標「ワンダーマガジン」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「雑誌名における称呼類似」です。指定商品・役務は第16類に属します。特許庁は「登録第4838356号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4838356号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4838356号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワンダーマガジン」の文字を標準文字で書してなり、平成16年6月16日に登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として、同17年2月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「ワンダー」の文字を書してなり、昭和62年11月19日に登録出願、第26類「印刷物、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成9年6月27日に設定登録された登録第2722267号商標(以下「引用A商標」という。)及び「ワンダーブック」の文字を書してなり、昭和43年11月8日に登録出願、第26類「絵本、雑誌」を指定商品として、同49年1月8日に設定登録、その後、平成16年10月27日に指定商品を第16類「絵本,雑誌」に指定商品の書換登録がされた登録第1049171号商標(以下「引用B商標」という。以下、引用A商標及び引用B商標をまとめていうときは「引用各商標」という。)とは、「ワンダー」(驚き、不思議、奇跡、歩き回ること)の称呼、観念において類似の商標であり、その指定商品も、引用各商標の指定商品に包含されるものである。

(2)また、引用各商標は、申立人が出版する雑誌、書籍等の商標として採択、使用しているものであり、本件商標の登録出願時までには、既に取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものものであるから、本件商標は、申立人又は同人と何らかの関係がある者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、上記のとおり「ワンダーマガジン」の文字よりなるところ、該文字は、標準文字をもって一連に表されていて、これより生じると認められる「ワンダーマガジン」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

これに対し、引用A商標は、「ワンダー」の文字よりなるものであり、該構成文字に相応して「ワンダー」の称呼を生ずるものである。また、引用B商標は、「ワンダーブック」の文字よりなるものであり、本件商標及び引用B商標の指定商品である「雑誌」との関連でみた場合、これを一体不可分のものと捉えるのが自然であるから、その全体の構成文字に相応して「ワンダーブック」の称呼を生ずるものと認められる。

そこで、本件商標及び引用B商標の指定商品である「雑誌」について検討するに、雑誌を発行しようとする者が、その雑誌名を選択する場合、主としてどのような記事を掲載している雑誌であるかが需要者に分かりやすいように、例えば野球関連の雑誌であれば「野球」又は「ベースボール」、サッカー関連の雑誌であれば「サッカー」、将棋や囲碁関連の雑誌であれば「将棋」又は「囲碁」の文字を含んだ雑誌名又は前記文字自体からなる雑誌名を選択することはある程度必然的な傾向と考えられる。

これに加えて、雑誌名は、雑誌名らしく簡潔であることも一般には求められるから、その結果として、似通った雑誌名が選択されることは避けられないものといえる。

そして、前記のような雑誌名についての実情を需要者は、無意識的にあるいは意識的に認識しており、特に雑誌の内容を表しているとみられる文字を含んだ雑誌名同士については、その内容を表している文字部分以外にわずかな違い、例えば雑誌を意味する「マガジン」や「ジャーナル」という語を有するか否かといった程度の違いがあれば、特段の理由がない限り、別の雑誌であって、別人の取扱いに係る雑誌であるものと理解し、出所について混同を生ずるおそがないとみるのが相当である。

これを本件商標についてみると、これに含まれる「ワンダー」の文字は、「不思議、驚き、奇跡」を意味するものであって、「雑誌」を意味する「マガジン」の文字と同様に、日常的に使用される一般的な語として広く知られているということができるから、上記雑誌における取引の実情を勘案し、「ワンダーマガジン」の文字が雑誌名として冗長ともいえないことを併せ考えれば、本件商標が雑誌名として使用された場合、取引者、需要者は、「ワンダー」の文字部分を「野球」「ベースボール」「サッカー」「将棋」「囲碁」などの文字と同様に、雑誌に掲載されている内容を端的に表したものと理解するのが自然であると認められ、このように理解することを妨げる特段の理由も見出せない。

そうすると、本件商標が雑誌に使用された場合、「ワンダーマガジン」の全体をもって一体不可分の雑誌名と理解され、「ワンダー」を雑誌名とする雑誌とは、別人の取扱いに係る雑誌と認識され、出所について混同されるおそれはないというべきである。

してみれば、本件商標は、該文字全体から「ワンダーマガジン」の称呼のみを生ずるものであり、これと引用B商標から生ずる「ワンダーブック」の称呼とはいうまでもなく、引用A商標から生ずる「ワンダー」の称呼においても、相紛れるおそれはない。

また、本件商標及び引用各商標は、それぞれの構成文字の全体を雑誌名と認識されるから、観念においても相紛れるおそれはない。

さらに、本件商標と引用各商標とは、前記したそれぞれの構成よりみて、外観においても区別し得るものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)また、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、引用各商標を幼稚園・保育園向けの月刊雑誌や書籍について使用しており、インターネットの申立人サイトのホームページ上及び保育用品カタログにおいてこれらについて広告宣伝を行った事実が認められる。

しかしながら、該ホームページは、本件商標の登録出願後の2005年4月21日にプリントアウトされたものであり、該ホームページ上の広告が、該出願前のいつからどの程度の期間掲載されたのか、あるいは保育用品カタログがどの地域でどの程度の数量頒布されたのか明らかでなく、これらでは、広告宣伝の実情を把握するのに十分なものとは認め難いものである。また、引用各商標を付した前記商品について、その販売数量、販売高、営業地域などの取引の実情も示されていない。

そうすると、これらの証拠によっては、申立人が引用各商標を雑誌や書籍に使用していることは認められるとしても、本件商標の登録出願の時に、引用各商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたと認定するには困難であり認めることができないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した者がこれより直ちに引用A商標及び引用B商標を連想又は想起するものということもできない。

してみれば、本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。

したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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