Trademark Appeal Case
造語の識別力と称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90251(T2005−90251/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4840513号商標(以下「本件商標」という。)は、「キャリーバイク」及び「CARRY BIKE」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成16年11月15日に登録出願、第12類「折り畳み式自転車」を指定商品として平成17年2月25日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第760112号商標(以下「引用商標」という。)は、「CAR.RY」の文字を横書きしてなり、ドイツにおける2000年12月22日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して2001年5月23日に国際登録、第12類「Bicycles and their parts」を指定商品として平成14年3月8日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)「キャリー」は、「持ち運びする、持ち運び」の意味合いを有し、「バイク」は、「自転車」を意味するため、本件商標からは、「持ち運びができる自転車」や「折り畳み式自転車」という意味合いが極自然に生じるから、本件商標は、指定商品の品質又は形状を表示するにすぎず、自他商品識別力を発揮しないものであり、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)本件商標は、引用商標と「キャリー」の称呼及び「持ち運び」の観念を同一にし、外観上も類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、各構成文字は同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「キャリーバイク」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、たとえ、その構成中の「CARRY」及び「キャリー」の文字が、「運ぶ」等の意味を有する英語及び外来語であり、同じく「BIKE」及び「バイク」の文字が、「自転車」を意味する英語及び外来語であるとしても、かかる構成においては、全体として「持ち運びができる自転車」や「折り畳み式自転車」の意味合いを直ちに理解することができるものというべきではなく、むしろ一種の造語を表したものとして認識し、把握するというべきである。
申立人は、「キャリーバイク」は、「持ち運びができる自転車」や「折り畳み式自転車」を意味する語として、一般的に用いられている旨主張しているが、その事実を裏付ける証左は一切提出していないばかりでなく、職権により調査するに、「折り畳み式自転車」を意味する語としては「folding bike(bicycle)」が用いられ、「持ち運びができる自転車」の意では「携帯自転車」の語が用いられているのが実情である。その他、本件商標が指定商品の品質、形状等を具体的に表示するものとして普通に使用されている事実を見出すことができない。
そうすると、本件商標は、指定商品の品質、形状等を表示するものではなく、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
(2)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記(1)のとおり、一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるものであるから、「キャリーバイク」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、「CAR」の文字と「RY」の文字との間にピリオド「.」があることから、視覚上、「CAR」と「RY」とに分離して看取されるものであり、それに応じて「カーリー」の称呼を生ずるとみるのが自然である。
申立人は、引用商標は「CAR」及び「RY」の文字の間に付されたピリオドが外観上看者に与える影響が少なく、「キャリー」の称呼を生じ、「CARRY」の綴りと本件商標構成中の「CARRY」とは共通である旨主張しているが、該ピリオドの存在は決して無視し得るものではなく、上記のとおり判断するのが相当である。
しかして、本件商標から生ずる「キャリーバイク」の称呼と引用商標から生ずる「カーリー」の称呼とは、構成音数が異なるほか、「バイク」の音の有無や相違する各音の音質の差等により、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が明らかに異なり、容易に区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標とは、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、又、本件商標は、一体不可分の一種の造語と認識し把握されるものである以上、観念について引用商標と比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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