Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90276(T2005−90276/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4843329号商標(以下「本件商標」という。)は,「ASTELLAS」の文字を標準文字で書してなり,平成16年5月21日に登録出願,第2類,第3類,第4類,第6類,第7類,第8類,第11類,第12類,第13類,第14類,第15類,第17類,第18類,第19類,第20類,第21類,第22類,第23類,第24類,第25類,第26類,第27類,第28類,第29類,第30類,第32類,第33類,第34類,第40類,第43類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品及び指定役務として,平成17年3月4日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録番号を第703699B号商標(以下「引用商標」という。)は,「STELLA」の文字を横書きしてなり,第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品とし,1998年(平成10年)11月6日を国際登録の日として,かつ,2003年〈平成15年)12月23日を事後指定の日とするものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第8条第1項について
本件商標より生ずる「アステラス」の称呼と引用商標より生ずる「ステラ」の称呼は,「ステラ」の音を共通にする。上記「アステラス」の称呼において,「テ」の音にアクセントが置かれ,識別上重要な役割を果たす部分は,「ステラ」の音であるから,両称呼は,類似するものである。
したがって,本件商標は,引用商標と称呼上類似する商標である。
また,本件商標の指定商品中,第3類の商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第8条第1項に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
(ア)申立人は,世界的に著名な元ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーの娘であり,かつ,服飾デザイナーとして有名なステラ・マッカートニーが設立した会社である(甲第3号証)。本件商標の登録出願時はもとより今日も,申立人のハウスブランドである「STELLA McCARTNEY」(甲第4号証)及びその化粧品に使用する引用商標は,周知である(甲第5号証)。
申立人の商品を販売する小売店,百貨店は,全世界に約140ヶ所あり,申立人は,ショップ(直営店)をニューヨーク,ロンドン,パリ,ミラノ等に有している(甲第6号証)。申立人は,わが国においても,申立人の取り扱う商品「化粧品(香水)」をネット上で日本語で宣伝,広告をしている(甲第5号証,甲第7号証及び甲第8号証)。また,ファッション雑誌でも宣伝,広告をしている(甲第9号証ないし甲第11号証及び甲第13号証ないし甲第20号証)。
申立人の製造販売に係る香水「STELLA」は,2003年9月13日に,フランスと日本で同時発売され,2005年5月までの日本での売上は33,968,000円に達している。
さらに,申立人は,引用商標を「化粧品・香水」について,世界約160ヶ国に登録出願している(甲第12号証)。
このように,日本市場において,引用商標は,本件商標の登録出願時には,周知であった。
(イ)既述のとおり,本件商標は,引用商標と類似する。また,本件商標の指定商品中の「化粧品」は,引用商標が使用される化粧品(香水)と類似する。
(ウ)したがって,本件商標は,その指定商品中「化粧品」について,商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)結び
よって,本件商標の指定商品中,第3類についての登録は,商標法第43条の2の規定により,取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第8条第1項について
本件商標は,前記1のとおり,「ASTELLAS」の文字を書してなるものであるから,これより「アステラス」の称呼を生ずるものである。
そして,「アステラス」の称呼について,我が国において,「ステラ」の音のみが強調されて称呼されるという事情が存在するという証拠は見いだせない。
そうすると,上記「アステラス」の称呼は,一般的には,音の高低及び強弱の差なく,平坦に称呼される場合が多いというのが相当である。
また,本件商標は,特定の観念を想起させない造語よりなるものと認められる。
これに対し,引用商標は,前記2のとおり,「STELLA」の文字を横書きしてなるものであるから,その構成文字に相応して,「ステラ」の称呼を生ずるものであって,女性名を表したと理解されるものである。
そして,本件商標より生ずる「アステラス」の称呼と引用商標より生ずる「ステラ」の称呼とは,「アステラス」が5音よりなり,「ステラ」が3音よりなるものであって,構成する音数において相違するばかりでなく,語頭及び末尾における「ア」及び「ス」の各音の有無の差異が比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は,極めて大きいというべきである。
したがって,両称呼は,これらをそれぞれ一連に称呼した場合であっても,その語調,語感が著しく相違したものとなり,互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。
また,本件商標は,前記のとおり,造語よりなるものであるから,前記観念を有する引用商標とは,比較することはできない。
さらに,本件商標と引用商標とは,前記したそれぞれの構成より見て,外観上十分に区別し得るものである。
以上によれば,本件商標と引用商標とは,その称呼,観念及び外観のいずれの点においても,相紛れるおそれのない,非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中の第3類に属する商品について,商標法第8条第1項に違反してされたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は,引用商標は,申立人の業務に係る商品「化粧品(香水)」ついて使用された結果,本件商標の登録出願前より,我が国においても,その需要者の間に広く認識されている旨主張する。
しかし,仮に,引用商標が申立人の業務に係る商品「化粧品(香水)」ついて使用され,本件商標の登録出願前より,わが国の需要者の間に広く認識されていたものであるとしても,前記(1)で認定したとおり,本件商標と引用商標は,その称呼,観念及び外観のいずれの点についても,非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中「化粧品」について,商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。
(3)結び
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議の申立てに係る指定商品について,商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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