Trademark Appeal Case
称呼の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90330(T2005−90330/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4852643号商標(以下「本件商標」という。)は、「スロキャラ」の文字を標準文字で書してなり、平成16年10月18日に登録出願、第14類「キーホルダー,貴金属製の花瓶及び水盤,身飾品(「カフスボタン」を除く。)カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,宝石及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,貴金属製喫煙用具」のほか、第9類、第24類及び第34類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成17年4月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4283227号商標(以下「引用商標」という。)は、「KIARA」の文字を標準文字で書してなり、平成10年2月26日に商標登録出願、第14類「身飾品,宝玉並びに宝玉の模造品,時計」を指定商品として平成11年6月11日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第19号に該当するとし、その証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、ヨーロッパを中心に約2800店舗で販売されている身飾品等の著名なブランド名であり、我が国においてもその商品は、販売・宣伝等がなされている。
引用商標は、その構成文字に照らし、「キャラ」、「キアーラ」として我が国においては紹介されている。
これに対し、本件商標は、その構成中に「キャラ」の文字を顕著に含むものであり、かつ、「身飾品、宝玉」等をその指定商品に含むものである。
このような本件商標がその指定商品「身飾品、宝玉」等々、第14類の商品に使用されるならば、申立人の業務に係る商品であると、取引者・需要者に誤認・混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
引用商標は、上記(1)で述べたとおり、世界的に著名な身飾品等のブランドである。
他方、本件商標は、引用商標とその称呼において同一の「キャラ」の文字を顕著に含む商標である。
このような本件商標を第14類の商品「身飾品、宝玉」等々に商標登録しようとする行為は、単に「スロ」の文字だけを「キャラ」に接続させて改変使用し、引用商標にフリーライドしようとするものであり、国際信義、ひいては公序良俗に反するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号にも該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標が周知・著名な商標であり、本件商標をその指定商品に使用すると、商品の出所について誤認を生ずる旨主張し、甲各号証を提出している。
ところで、登録後の異議申立ての制度は、商標登録に対する信頼を高めるという公益的な目的を達成するために、何人も一定の不登録事由があることを理由として登録異議の申立てをすることができることとし、その申立てに基づいて特許庁が登録処分の見直しを行い、瑕疵ある場合には登録の是正を図るものである。
したがって、当該商標登録に瑕疵があるか否かの判断時期は登録査定時と解するのが相当である。また、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するためには、登録出願時にも当該号に該当する必要がある(同法第4条第3項)。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標の登録出願時(平成16年10月18日)前の証拠は、甲第3号証及び同第8号証のみであり、また、甲第4、5及び7号証は、いずれも登録査定時(平成17年2月24日)後の証拠である(なお、甲第6号証の発行日は不明である。)。
しかして、上記甲第3号証及び同第8号証のうち、引用商標の使用が認められるものは、甲第3号証における1コマ(ブレスレットへの引用商標の使用)のみであり、これのみでは、我が国において引用商標が身飾品等の商品に使用するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知・著名であったとは到底認めることができない。
次に、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより「スロキャラ」の一連の称呼のみを生ずるものであり、かつ、特定の語義を有しない一種の造語とみるのが相当である。
一方、引用商標は、上記2のとおりの構成よりなるところ、本件商標と同様、外観上まとまりよく一体的に表されており、これより「キアラ」の称呼の他、「キアーラ」として、実際に使用されている(甲第4号証)ことから、「キアーラ」の称呼をも生ずるのものと認められ、かつ、特定の語義を有しない一種の造語とみるのが相当である。
そこで、本件商標から生ずる「スロキャラ」と引用商標から生ずる「キアラ」及び「キアーラ」の称呼を比較するに、両者は、「スロ」の音の有無において顕著な差異を有することから、互いに相紛れるおそれのない称呼上非類似の商標である。
また、両商標の外観、及び観念についてみるに、両商標は、外観において、十分判別し得る差異を有しており、さらに、観念については、共に造語と認められることから比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の別異の商標といわなければならない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の出所について混同を生じさせるおそれがないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお、申立人は、引用商標は「キャラ」、「キアーラ」として、我が国において紹介されていると主張しているが、「キャラ」としての使用は、全甲号証によっても全く見出せないから、当該主張は、採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、周知・著名であったとは認められないものである。
そして、全甲各号証によっても、本件商標が引用商標の信用にフリーライドしようとするものであるとか、あるいは、国際信義ひいては公序良俗に反するものと認め得るとの証拠も認められず、ほかにこれを認めるに足る証拠も見出せない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号にも該当しない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記(1)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の別異な商標であることに加え、なんら不正の目的をもって本件商標を使用するものと認めるべき証拠の提出もなく、ほかにこれを認めるに足る証拠も見出せない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当するものとは認められない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第7号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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