sokuhyo

Trademark Appeal Case

「イーグルス」称呼観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90503(T2005−90503/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4875363号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件登録第4875363号商標(以下「本件商標」という。)は、「楽天イーグルス」の文字(標準文字)を書してなり、平成16年10月22日に登録出願、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第28類、第29類、第30類、第32類、第33類、第34類、第35類、第36類、第38類、第41類及び第43類を指定商品及び指定役務として、平成17年6月24日に設定登録されたものである

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録商標は、以下のとおり。

(a)「PHILADELPHIA EAGLES」の文字を書してなり、平成8年2月16日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年11月21日に設定登録された登録第4083173号商標及び

(b)「PHILADELPHIA EAGLES」の文字(標準文字)を書してなり、平成10年9月17日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同11年10月15日に設定登録された登録第4326070号商標。

以下、上記(a)(b)の引用商標の2件をまとめて「引用商標A」という。

(c)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録され、現に有効に存続している登録第2219613号商標、

(d)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第13類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については平成14年4月3日に商標登録原簿記載のとおりの指定商品に書換登録され、現に有効に存続している登録第2278057号商標、

(e)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については平成15年3月12日に商標登録原簿記載のとおりの指定商品に書換登録され、現に有効に存続している登録第2274421号商標、

(f)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録され、現に有効に存続している登録第2251099号商標、

(g)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年5月1日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録され、現に有効に存続している登録第2235925号商標、

(h)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については平成14年4月10日に商標登録原簿記載のとおりの指定商品に書換登録され、現に有効に存続している登録第2275818号商標、

(i)別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成1年11月13日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年4月28日に設定登録、その後、指定商品については平成17年3月23日に商標登録原簿記載のとおりの指定商品に書換登録され、現に有効に存続している登録第2527209号商標、

(j)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月4日に登録出願、第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録、その後、指定商品については平成15年1月29日に商標登録原簿記載のとおりの指定商品に書換登録され、現に有効に存続している登録第2274440号商標、

(k)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和61年12月27日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年12月25日に設定登録され、現に有効に存続している登録第2195393号商標、

(l)別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月10日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録され、現に有効に存続している登録第2248242号商標及び

(m)別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成4年6月22日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成7年12月26日に設定登録され、現に有効に存続している登録第3108114号商標。

以下、上記(c)ないし(m)の引用商標の11件をまとめて「引用商標B」という。

また、引用商標A及び引用商標Bをまとめて「引用各商標」ともいう。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「楽天イーグルス」の文字からなるものであるところ、「楽天」は本件商標権者の商号であるから、後半部分の「イーグルス」がその要部であると容易に認識できる。

一方、引用各商標は、上記及び別掲(1)(2)のとおりの構成よりなるところ、引用各商標を構成する文字中の「PHILADELPHIA」の文字は、アメリカ北東部ペンシルバニア州の最大の都市名であり、また、引用各商標は、アメリカにおいて最も人気の高いスポーツであるアメリカンプロフットボールリーグ(NFL)に所属するチーム名からなるものであることは周知であり、そして、「イーグルス」と略称されて、わが国においても親しまれている。

よって、本件商標と引用各商標とは、「イーグルス」の要部において同一の類似商標というべきであり、さらに、本件商標の指定商品及び指定役務と、引用各商標の指定商品及び指定役務とが、同一又は類似していることは明白である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第15号について

また、引用各商標は、その要部の「イーグルス」と略称され報道され、また、使用されてきた結果、わが国においても周知・著名なものであり、加えて、「EAGLES」(イーグルス)の略称でも各種ライセンス商品に商標としても使用されてきており、「EAGLES」(イーグルス)の名称は、NFLに所属するチームとして、わが国において広く親しまれている。そして、本件商標と引用各商標の指定商品及び指定役務とは抵触している。

よって、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用されれば、引用各商標と商品及び役務の出所について、誤認、混同が生じるおそれは極めて強く、本件商標は、申立人の関連会社、ライセンシー等の使用にかかるものと誤認されるおそれがあり、出所の混同を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当する。

(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

「EAGLES」(イーグルス)の名称は、アメリカンプロフットボールのチームの名称として周知・著名である。アメリカプロフットボールのチーム名と略同一の「イーグルス」と商標権者の商号である「楽天」の文字を結合させただけからなる本件商標を申立人の何らの承諾を得ることなく出願し登録することは、「イーグルス」ひいてはアメリカンプロフットボールの人気をフリーライドしようとするものであり、正当な商慣習に反しかつ国際信義に反するものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号ないし同第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)アメリカンプロフットボールリーグ(NFL)に所属する「EAGLES」(イーグルス)の著名性について

申立人は、引用各商標は、アメリカはもとより世界的に人気のあるアメリカンプロフットボール(NFL)のチーム名であり、アメリカンフットボールは、アメリカを象徴するスポーツであって、日本では1976年後楽園スタジアムで最初にその試合が行われ、それ以後、継続的に行われており、わが国でも人気を博し、試合の模様は、スポーツ新聞、一般紙のスポーツ欄、テレビ放送でも報道されている。さらに、わが国では、1996年よりNFLジャパン株式会社が設立され、その広報・ライセンス商品販売等の活動を行ってきている。そして、「地域名とチーム名」の結合したものからなる引用各商標を含む各チームは、そのチーム名のみでもしばしば略称され、報道・広告宣伝等されてきた結果、引用各商標は、「EAGLES」(イーグルス)と略称され、わが国においても周知・著名なものとなっている旨主張している。

しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証によれば、確かに、アメリカンフットボールはアメリカにおいては非常に人気の高いスポーツであり、そして、わが国においては同フットボールの試合の模様が遅くとも2000年1月にはテレビ放送(衛生放送)で放映され始めたことは認められるが(甲第7号証)、アメリカンプロフットボールリーグ(NFL)にはAFCとNFCを合わせ全32チームが参加していることが認められ(甲第6号証)、かかる数あるチーム数のなか、「PHILADELPHIA EAGLES」(フィラデルフィアイーグルス)がアメリカンプロフットボールリーグ(NFL)に所属するチームであり、そして、そのチーム名が単に「EAGLES」(イーグルス)と略称され、わが国の一般の取引者、需要者間の多くに知られているとは、申立人の主張及び提出に係る全証拠を勘案するもこれを認めることはできない。

以下、上記認定を前提に判断する。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、上記のとおり、「楽天イーグルス」の文字を外観上まとまりよく一体として表現されていて、これより生ずる「ラクテンイーグルス」の称呼も構成文字全体をもって無理なく一連に称呼し得るものであるから、その構成中、「楽天」の文字部分が本件商標権者の商号に通じるものであるとしても、かかる構成にあっては、これに接する者は、むしろ、上記構成文字の全体を一体不可分に表したわが国のプロ野球球団の一つとして一定に知られている「楽天イーグルス」の球団名を記したものと認識し把握するとみるのが相当である。

そうすると、本件商標よりは、「ラクテンイーグルス」(楽天イーグルス)の称呼、観念を生じ、他に称呼、観念は生じないというべきである。

他方、引用商標Aは、上記のとおり、「PHILADELPHIA EAGLES」の文字を書してなり、引用商標Bは、別掲(1)及び(2)のとおり、ヘルメットの図形と「Philadelphia Eagles」の文字を記してなるものであるが、引用商標Bを構成する図形部分と文字部分とは分離して書され、これを一体のものとしてみるべき特段の理由は見当たらないから、構成中、文字部分は独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。

しかして、引用商標Aと引用商標Bを構成する文字部分「PHILADELPHIA EAGLES/Philadelphia Eagles」の文字は、外観上まとまりよく一体的に表してなるものであり、これより生ずる「フィラデルフィアイーグルス」の称呼も構成文字全体をもって無理なく一連に称呼し得るものであるから、上記(1)のとおり、その構成中「EAGLES/Eagles」の文字が、単に「イーグルス」と略称され認識されているといった事情が認められない以上、たとえ構成中、「PHILADELPHIA/Philadelphia」(フイラデルフィア)の文字が米国の都市名を表すものであるとしても、これに接する者は、上記文字(「PHILADELPHIA EAGLES/Philadelphia Eagles」)の全体をもって、まとまりのある一体不可分なものとして認識し、把握するというのが相当であり、そして、同文字は親しまれたものとはいえないとしても、ある種スポーツ分野のチーム名の如き程度には認識されるから、結局、これよりは全体として「フィラデルフィアイーグルス」(フィラデルフィア(の)イーグルス)の称呼、観念を生ずるというのが相当である。そして、他に称呼、観念は生じないというべきである。

してみれば、本件商標と引用各商標より生ずる称呼、「ラクテンイーグルス」と「フィラデルフィアイーグルス」とは、その前半の音構成において明らかな差異があるから十分区別し得るものであり、また、両者は観念においてはもとより、外観においても十分区別し得ること明らかである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても互いに区別することのできる非類似の商標といわなければならない。そして、他に、両者を類似するとすべき理由は見当たらない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

また、本件商標と引用各商標とは互いに同一又は類似する商標とは認められないこと上記(2)のとおりであり、加えて、「EAGLES」(イーグルス)の文字が、アメリカンプロフットボールリーグ(NFL)のチーム名の略称としてわが国において広く一般の取引者、需要者間において知られているものとは認められないこと、前記のとおりであるから、本件商標を商標権者がその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、これよりアメリカンプロフットボールリーグ(NFL)のチーム名の略称(EAGLES/イーグルス)を連想又は想起するものとはいえず、該商品が「PHILADELPHIA EAGLES」(Philadelphia Eagles)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その商品又は役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということはできない。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

アメリカンプロフットボールが米国のスポーツとして世界的に知られているとしても、「EAGLES」(イーグルス)の文字が、アメリカンプロフットボールのチーム名である「PHILADELPHIA EAGLES」(フィラデルフィアイーグルス)の略称として知られているものとはいえないから、商標権者が、本件商標を採択、使用することについて、「EAGLES」(イーグルス)ひいてはアメリカンプロフットボールの人気にフリーライドしようとするものとは認められないばかりでなく、本件商標を採択、使用することが他の法律によって禁止されているものでもないから、公正な取引秩序を害するものということはできず、かつ、国際信義に反するものとすべき理由もない。

(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持するものとする。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。