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Trademark Appeal Case

商標類似性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90504(T2005−90504/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4875402号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4875402号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなり、第25類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品又は役務を指定商品及び指定役務として、平成16年11月17日に登録出願、同17年6月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)(ア)ないし(ス)の各登録商標を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。

(1)引用商標

(ア)登録第4083173号商標は(以下「引用商標1」という。)、「PHILADELPHIA EAGLES」の欧文字を書してなり、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年2月16日に登録出願、同9年11月21日に設定登録されたものである。

(イ)登録第4326070号商標は(以下「引用商標2」という。)、「PHILADELPHIA EAGLES」の欧文字を標準文字で表してなり、第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成10年9月17日に登録出願、同11年10月15日に設定登録されたものである。

(ウ)登録第2219613号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年3月27日に設定登録されたものであるが、その後、同12年1月18日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(エ)登録第2278057号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第13類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年10月31日に設定登録されたものである。その後、平成12年11月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年4月3日に、指定商品を第14類「キーホルダー」とする書換登録がされているものである。

(オ)登録第2274421号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第19類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年10月31日に設定登録されたものである。その後、平成12年11月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同15年3月12日に、第16類、第20類、第21類及び第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされているものである。

(カ)登録第2251099号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年7月30日に設定登録されたものであるが、その後、同12年5月16日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(キ)登録第2235925号商標(以下「引用商標7」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年5月1日に登録出願、平成2年6月28日に設定登録されたものであるが、その後、同12年4月25日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(ク)登録第2275818号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年10月31日に設定登録されたものである。その後、平成12年11月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同14年4月10日に、第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする書換登録がされているものである。

(ケ)登録第2527209号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年11月13日に登録出願、同5年4月28日に設定登録されたものである。その後、平成15年4月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同17年3月23日に、第9類及び第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされているものである。

(コ)登録第2274440号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月4日に登録出願、平成2年10月31日に設定登録されたものである。その後、平成12年11月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同15年1月29日に、第34類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする書換登録がされているものである。

(サ)登録第2195393号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和61年12月27日に登録出願、平成元年12月25日に設定登録されたものであるが、その後、同11年9月21日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(シ)登録第2248242号商標(以下「引用商標12」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年12月10日に登録出願、平成2年7月30日に設定登録されたものであるが、その後、同12年5月16日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(ス)登録第3108114号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年6月22日に登録出願、同7年12月26日に設定登録されたものであるが、その後、同18年1月10日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。(2)商標法第4条第1項第11号について

引用商標1及び2は、「PHILADELPHIA EAGLES」の文字を書してなり、また、引用商標3ないし13は、「Philadelphia Eagles」の文字とヘルメットの図形商標との組合せよりなるものであるから、その構成中の「EAGLES」及び「Eagles」の文字部分より、それぞれ「イーグルス」の称呼を生ずるものである。

引用各商標の前半部分の「PHILADELPHIA」及び「Philadelphia」は、アメリカ北東部のペンシルバニア州最大の都市名(フィラデルフィア)であり、わが国でもこの地名は周知である。

よって、引用各商標における自他商品・役務の識別標識としての機能を果たす要部は、「EAGLES」及び「Eagles」の文字部分と容易に認識できる。また、引用各商標は、アメリカにおいて最も人気の高いアメリカンフットボールリーグ(以下「NFL」という。)に所属するチーム名からなるものであることも周知であり、これらのチーム名は、その地区名が略され、「イーグルス」と略称されて、わが国においても親しまれている。

他方、本件商標は、「RAKUTEN」と「EAGLES」の図案化された英文字からなるものであり、「RAKUTEN」は、本件商標権者の商号であり、かつ、「EAGLES」の文字が、強調的に大きく描かれていることから、後半の「EAGLES」の文字部分が容易に分離でき、当該商標の要部であると認識されるものである。

よって、本件商標と引用各商標とは、「イーグルス」の称呼において、類似する商標というべきであり、かつ、本件商標の指定商品及び指定役務と引用各商標の指定商品又は指定役務とは、抵触するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

引用各商標は、アメリカはもとより、世界的に人気のあるNFLのチーム名であり、アメリカンプロフットボールは、アメリカを象徴するスポーツである。

日本においても、NFLのゲームは、1976年後楽園スタジアムで最初に行われ、その以降も継続的に行われており、我が国でも人気を博しており、試合の模様は、新聞、テレビ放送で報道されている。

さらに、わが国では、1996年より、NFLジャパン株式会社が設立され、その広報・ライセンス商品販売等の活動を行ってきている。

そして、引用各商標を含めた各チームは、「地域名とチーム名」の結合からなっているが、そのチーム名のみでも略称され、報道、広告宣伝等されている。

すなわち、引用各商標も「イーグルス」と略称されて報道もされており、「EAGLES」「Eagles」及び「イーグルス」は、NFLの著名性とともに、その所属チームの名称として広く知られ、かつ、各種ライセンス商品化ビジネスを通じて商標としても周知・著名である。

他方、本件商標は、「RAKUTEN」の商号と、「EAGLES」の文字とを結合させただけのものであって、かつ、「EAGLES」の文字が強調的に大きく描かれていることから、後半の「EAGLES」の文字部分が容易に分離して認識できる。

また、本件商標と引用各商標は、その指定商品又は指定役務においても抵触している。

よって、本件商標がその指定商品及び指定役務に使用されれば、引用各商標と誤認・混同が生ずるおそれは極めて強く、当該商品及び役務が申立人又は同人とライセンシー等の何らかの関係を有する者の業務に係る商品・役務であるかのごとく、その商品・役務について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

「EAGLES」「Eagles」及び「イーグルス」の名称は、アメリカンプロフットボールチームの名称として、NFLの著名性・人気の高さから、周知・著名である。また、NFLが、アメリカを象徴するスポーツとして世界的に知られていることも周知である。

このようなNFLのチーム名と略同一の「EAGLES」の文字と商標権者の商号である「RAKUTEN」の文字とを結合させただけの構成からなる本件商標を、申立人に何らの承諾を得ることなく出願し登録することは、正当な商慣習に反し、かつ、国際信義に反するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用各商標との類否について検討するに、本件商標は、図案化した「EAGLES」の文字の上段に「RAKUTEN」の文字を配してなる構成からなるところ、構成各文字は、文字書体を異にするとはいえ、全体としてバランスよく同一の色彩をもって表わされており、視覚上一体のものとして看取されるばかりでなく、商標権者に係るプロ野球パリーグの球団に所属するのチーム名称として、一般に広く認識されていることからしても、全体として、上記チーム名を表したものとして理解・認識されるというべきである。

そして、全体から生ずる「ラクテンイーグルス」の称呼も、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。

そうとすれば、本件商標は、「ラクテンイーグルス」の一連の称呼のみを生じ、かつ、日本のプロ野球球団のチーム名の観念を有するものというべきである。

一方、引用各商標は、上記2(1)に示すとおりの構成からなるところ、引用各商標の構成中の「PHILADELPHIA」及び「Philadelphia」の文字自体は、米国ペンシルバニア州の最大の都市名であるとしても、引用各商標の文字部分全体を構成する「PHILADELPHIA EAGLES」及び「Philadelphia Eagles」の各文字からは、NFLに所属するチーム名を表したものであることは、一般に知られているところでもあり、かかる構成においては、「PHILADELPHIA」及び「Philadelphia」の文字部分が、その地区名として略されて、自他商品・役務の識別力を有しないとまではいい得ないものである。

また、後述のとおり、引用各商標は、全体としてNFLのチーム名として認識されることがあるとしても、構成中の「EAGLES」及び「Eagles」の文字部分のみを抽出し、単に「イーグルス」の略称で知られているものとは認められない。

そうとすれば、引用各商標からは、「フィラデルフィアイーグルス」の一連の称呼のみを生じ、かつ、NFLのチーム名の観念を有するものというべきである。

しかして、本件商標から生ずる「ラクテンイーグルス」の称呼と引用各商標より生ずる「フィラデルフィアイーグルス」の称呼とは、相違する各音の差、音構成の差異により、称呼上明確に区別し得るものである。

また、本件商標と引用各商標とは、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有し、観念においても、それぞれ相紛れるおそれはないものと見るのが相当である。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、外観及び観念のいずれよりしても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用各商標の周知・著名性について検討するに、申立人の提出に係る各甲号証によれば、NFLの試合が米国において国民的スポーツとして人気があり、わが国においても新聞・テレビ等で報道され、NFLのチーム名等を表示したティシャツ、帽子、ジャケット、バッグ、ヘルメット等の各種商品が販売されていることが認められる。

しかしながら、各甲号証に示された内容は、NFLに所属する各チームを統括したNFL全体としてのものがほとんどであって、個々のチームに関しては、常にNFLと共に言及されており、各チーム独自のものは見当たらないところからして、これらの証拠をもっては、各チームの名称が、単独で需要者間に広く認識されているものとは認め難いところである。

そして、チーム名としての「PHILADELPHIA EAGLES」が、「EAGLES」と略称されていることを立証する証拠は乏しく、「EAGLES」が、「PHILADELPHIA EAGLES」を特定する略称として、需要者間に広く認識されているものとも認められないところであり、加えて、「EAGLES」の文字自体が、特定の観念を有する平易な英語としても、一般に親しまれ使用される語といえるものである。

また、引用各商標及びその略称としての「EAGLES」及び「Eagles」が、実際にシャツ、帽子等の商品について使用されている状況は、証拠上必ずしも明らかでなく、引用各商標がこれら商品に使用する商標として、取引者・需要者間に広く認識されているものとは認められない。

(3)上記(1)及び(2)の認定・判断からすれば、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者・需要者は、引用各商標ないしNFLを直ちに連想、想起するようなことはないというべきであり、申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの密接な関係を有する者の業務に係る商品・役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標をその指定商品及び指定役務について使用することが、直ちに正当な商慣習や国際信義に反するものとはいえないばかりでなく、引用各商標の著名性にフリーライドする不正の目的を有するものとも認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び第19号のいずれにも該当するものではない。

(5)結論

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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