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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30992(T2005−30992/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

1 登録第4542404号商標の指定商品中「印刷物」については、その登録は取り消す。
2 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4542404号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成13年3月19日に登録出願され、第16類「紙類,紙製包装用容器,印刷物,文房具類」を指定商品として、平成14年2月8日に設定登録されたものである。そして、本件審判請求の登録は、平成17年8月29日にされた。

2 請求人の主張

請求人は、結論1と同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者が使用した事実は存在しないから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである旨主張している。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)商標権者(被請求人)は、陳述書(乙第2号証)から明らかなように、本件商標と同じ「羅針版」の文字を表題とし、日本住宅新聞社発行の「日本住宅新聞」、日刊工業新聞社発行の「日刊工業新聞」等の建設・建築関係記事などを掲載している印刷物「羅針版」を、平成13年2月以来、現在まで、毎月継続して制作発行し、日本国内の建設・建築業者、建設・建築関係業者、建設・建築分野の学習者などに向けて、広く頒布している事実を有している。

(ア)乙第3号証及び乙第4号証について

乙第3号証及び乙第4号証は、上述の平成13年2月以来毎月継続して制作発行した印刷物「羅針版」中の、本件審判請求の登録前3年以内である平成17年2月及び3月に制作発行頒布したものと同じものである(以下「当該冊子」という。)。

(イ)当該冊子の発行欄について

当該冊子は、その第32ページ「発行」欄の「株式会社建築資料研究社・日建学院/〒171-0021東京都豊島区西池袋1-21-7/三井住友銀行池袋ビル10F /TEL 03-3988-4711(代表)」との記載は、陳述書(乙第2号証)から明らかなように、住所を「東京都豊島区西池袋1丁目15番7号」とする商標権者「株式会社建築資料研究社」である。

そして、上記「発行」欄の記載中の「日建学院」は、商標権者の建設・建築分野等人材養成事業部門であり、その住所、電話番号等は、乙第5号証からも明らかなように、商標権者のシステム事業部の所在地である。

そうすると、上記「発行」欄の記載にかかわらず、商標権者により発行された事実を有している。

(ウ)当該冊子の制作欄について

また、当該冊子は、その第32ページ「制作」欄の「羅針版 編集部/〒170-0013東京都豊島区東池袋1-21-16/日建学院ビル6F/TEL03-3980-7091」との記載は、陳述書(乙第2号証)から明らかなように、商標権者の当該冊子編集部門であり、「日建学院」の所在地である事実を有していることから、上記「制作」欄の記載にかかわらず、商標権者により制作されたものである事実を有している。

(エ)納品書、受領書等について

乙第6号証の1、2及び3は、平成17年2月に制作発行頒布した当該冊子(乙第3号証)に係る平成17年2月4日付納品書、同日付受領書及び平成17年2月20日付請求書である。また、乙第7号証の1、2及び3は、平成17年3月に制作発行頒布した当該冊子(乙第4号証)に係る平成17年3月4日付納品書、同日付受領書及び平成17年3月20日付請求書である。

これら納品書、受領書及び請求書から、平成17年2月及び3月に制作発行頒布した当該冊子が、株式会社廣済堂で同年月にそれぞれ印刷され、商標権者に納品された事実を有することが明らかである。

(オ)送り状等について

乙第8号証の1−1及び1−2は、平成17年2月に制作発行頒布した当該冊子に係る、依頼主を商標権者、届け先を同人の池袋支店とする平成17年2月7日付佐川急便株式会社作成の送り状である。

乙第8号証の2は、届け先を同人の五反田支店とするほか、上記同様の平成17年2月7日付佐川急便株式会社作成の送り状である。

乙第8号証の3は、平成17年2月に制作発行頒布した当該冊子を同年月に商標権者の支店などに発送するのに用いた同人作成に係る発送リストである。

乙第9号証の1−1及び1−2は、平成17年3月に制作発行頒布した当該冊子に係る、依頼主を商標権者、届け先を同人の池袋支店とする平成17年3月7日付佐川急便株式会社作成の送り状である。

乙第9号証の2は、届け先を同人の五反田支店とするほか、上記同様の平成17年3月7日付佐川急便株式会社作成の送り状である。

乙第9号証の3は、平成17年3月に制作発行頒布した当該冊子を同年月に商標権者の支店などに発送するのに用いた同人作成に係る発送リストである。

これら送り状及び発送リストから、平成17年2月及び3月に制作発行頒布した当該冊子が、同年月にそれぞれ広く発行頒布された事実を有することが明らかである。

(2)本件商標の使用について

平成17年2月及び3月に制作発行頒布した当該冊子には、その表紙において、本件商標と同じ「羅針版」の文字が表題として付され、そしてその「羅針版」の文字が商標として機能していることは明らかである。

(3)むすび

以上のことから、商標権者(被請求人)が、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、指定商品「印刷物」について使用していることは明らかである。

よって、本件商標について、その指定商品中「印刷物」の登録が取消される理由は全くない。

なお、以上の事実の証明ないし疎明について、必要であれば、陳述書(乙第2号証)の陳述者の尋問の申出をする。

4 当審の判断

(1)商標権者の使用商品について

被請求人は、本件商標を「印刷物」について使用していた旨主張し、これを証明するため乙各号証を提出した。

乙各号証は、本件商標の商標公報(乙第1号証)ほか、平成17年2月及び3月に制作発行頒布した「当該冊子」(乙第2号証、乙第3号証)、すなわち、乙第2号証及び乙第3号証の各冊子は共に、表紙、裏表紙、目次第1ページ、日本住宅新聞ほか各紙の住宅、建設に関連する第2ないし第27の新聞記事を転載したページ、見出しを「今月の建材市況」とする第28ページ、見出しを「キーワード」とする第29ページ、見出しを「FAX情報サービス」とする第30・31ページ及び見出しを「羅針版 掲載紙一覧」とする掲載各紙の購買申込先と「羅針版 〔非売品〕」とする奥付第32ページを同様な体裁で各編集してなる冊子である。

そこで、当該冊子が本件審判請求に係る指定商品「印刷物」の使用に当たるかどうかについて検討する。

(ア)商標法上の商品について

商標は、その主たる機能として、商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する機能を有しており、また、商品・役務の品質を保証する機能、広告宣伝機能を有しているところ、これらの機能が発揮し得る商品、すなわち商標法上の商品というためには、それが流通性を有していて市場で取引の対象なり得るものであることを要すると解され、これを本件審判請求に係る指定商品「印刷物」についてみれば、一般の書店、インターネットの通信販売その他何らかの販売経路を通じて、不特定多数の需要者に対し、譲渡する対象となり得るものに限られるというべきである。

(イ)乙第3号証及び乙第4号証について

本件商標を使用する商品(印刷物)として提出された当該冊子(乙第2号証、乙第3号証)についてみるに、奥付(第32ページ)には、「発行 株式会社建築資料研究社・日建学院/〒171-0021東京都豊島区西池袋1-21-7」の記載が認められ、これと本件商標の当該商標登録原簿に記載の商標権者の住所「東京都豊島区西池袋1丁目15番7号」とは、地名と丁目までを同じくするものであり、当該冊子は、商標権及び同人を運営主体とする専門学校「日建学院」とにより発行されたものとみて差し支えないといえる。

しかし、当該冊子は、主として日本住宅新聞ほか各紙の住宅、建設に関連する記事を掲載しているものであって、その体裁や被請求人も日本国内の建設・建築業者、建設・建築関係業者、建設・建築分野の学習者などに向けて頒布していると述べるように、その頒布先は関連グループという限られたものであるといわざるを得ないばかりでなく、号当たりの定価の表示や一定期間毎の購読料等の表示も見当たらないものであり、その奥付には「羅針版 〔非売品〕」と表示がされていることが認められるものである。

そうすると、「羅針版」の文字を表題として表示し、これが本件商標と社会通念上同一と認められる範囲内の態様とみることができるとしても、当該冊子が市場に流通し、不特定多数の需要者を取引の対象とするものではないといわざるを得ないから、当該冊子は、商標法上の商品としての「印刷物」の範囲に属する商品には当たらないものといわざるを得ない。

(2)乙第2号証及び乙第5号証ないし乙第9号証について

被請求人(商標権者)のコンテンツ制作部に勤務する者が作成した陳述書(乙第2号証)、被請求人(商標権者)が制作頒布しているとする「CAD・見積講座」のチラシ広告(乙第5号証)、17年2月4日付納品書、受領書及び平成17年3月20日付請求書(乙第6号証の1、2、3)、17年3月4日付納品書、受領書及び平成17年2月20日付請求書(乙第7号証の1、2、3)、平成17年2月7日付及び同年3月7日付の佐川急便株式会社作成の送り状(乙第8号証の1-1、1-2、2及び乙第9号証の1-1、1-2、2)及び該発送リスト(乙第8号証の3、乙第9号証の3)からは、上述(1)で認定した当該冊子(乙第2号証、乙第3号証)が平成17年2月及び3月にそれぞれ印刷され商標権者に納品されたこと、また、送り状及び発送リストから、平成17年2月及び3月に商標権者の支店などに発送されたことは認めることができる。

しかし、陳述書(乙第2号証)の文末で「6.乙第6号証の1・・・乙第9号証の3から明らかなように、本被請求人の支店に送付され、そして、各支店に勤務の本被請求人の従業員が、送付された印刷物「羅針版」を、営業かたがた、建設・建築業者、建設・建築関係業者、建設・建築分野の学習者などに広く頒布しました。」と述べているように、乙第6号証の1ないし乙第9号証の3からは、当該冊子(乙第2号証、乙第3号証)が取引市場において独立して商取引の対象として一般市場を流通していたとの点を認めることはできない。

(3)結語

以上のとおり、被請求人提出に係る証拠(乙第2号証ないし乙第9号証の3)によっては、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件審判請求に係る指定商品「印刷物」について本件商標を使用していたことを証明しているものとはいえない。

また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していなかったことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、本件審判請求に係る指定商品「印刷物」について、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものである。

そして、審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して、被請求人の負担とする。

よって、結論のとおり審決する。

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