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Trademark Appeal Case

立体商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−20119(T2003−20119/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第15類「ギター」を指定商品とし、2001年6月27日ドイツにおける出願を基礎とするパリ条約による優先権の主張をして、平成13年12月19日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、その指定商品である『ギター』のヘッド部の一形態を容易に認識させる立体的形状のみからなるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品自体の形状を普通に用いられる方法で表示してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうすると、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

(2)これを本願についてみると、本願商標は、別掲のとおり、音を合わせるための5個の糸巻き(ペグ)と、弦の振動を受け止め、かつ、弦高を決めるためのナットとを有し、ギターのヘッド部の基本的な機能・特徴を備えた立体的形状からなるものであり、一見して直ちにギターのヘッド部の一形態を表したものと容易に認識し理解されるものであるから、これをその指定商品である「ギター」に使用しても、取引者・需要者は、単に商品の形状を表示するにすぎないものとして認識し理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

これに対し、請求人(出願人)は、「本願商標は、その全体が波状に起伏していること、ヘッド部の上端中央部にアルファベット『W』と思しきロゴマークが配置されていること、蝶の羽状の糸巻きつまみが左に3個、右に2個であり、左半分が右半分より縦長で左右対称でないことなどから、特異な形状と認識されるものである。」旨主張している。

しかしながら、ギターのヘッド部において、その上端は平坦なもの、山形になったもの、飾りのついたものなど種々の形状のものが存在しており、本願商標の波状に起伏している形状が際立って特徴的という程のものではないし、上端中央部に配置された「W」のアルファベットにしても特別に顕著なものではなく一種の装飾程度に認識し理解されるものである。また、5個の糸巻きにしても、それ程特異なものともいえないし、左右非対称であることも糸巻きの数からして奇異なものではない。結局、本願商標は、全体としてギターのヘッド部を端的に表したものと認識されるに止まり、ギターの機能又は美観と全く関係のない特異な形状よりなるものということはできないから、請求人の主張は採用することができない。

なお、請求人が掲げる立体商標の登録例は、本件とは指定商品や立体形状が相違するものであり、事案を異にするものであるから、本件の審理に影響を及ぼすものではない。

(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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