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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の使用有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31626(T2004−31626/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1256827号商標(以下「本件商標」という。)は、「道中」の文字を縦書きしてなり、昭和48年4月19日に登録出願、第29類「茶」を指定商品として、同52年3月9日に設定登録され、その後、同62年5月20日及び平成9年9月5日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録を取消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

(1)請求の理由

請求人は、本件商標の使用実態について関係業界の調査をしたが、「茶」に関する限り、本件商標の使用に係る商品が存在したとの情報を得ることができなかった。

その結果、本件商標は、「茶」について過去3年にわたって日本国内では使用されていないとの結論に達したものである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁の理由

(ア)乙第1号証ないし乙第15号証は、使用権者であることを裏づける証拠を示すものではない。

(イ)乙第1号証ないし乙第3号証に示されたものは、イベントである「お茶壺道中」が行われていることを示すものであって、指定商品「茶」についての本件商標の使用に該当しない。

(ウ)乙第4号証ないし乙第15号証は、日付けが不明で、取消審判請求の予告登録前3年以内の使用を裏づける点が示されていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品について、取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第25号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)本件商標は、本件商標に係る商標権の使用権者である株式会社井六園(京都市南区久世上久世町所在、代表者井上祐。以下「井六園」という。)等によって、昭和48年4月頃から以降現在(平成17年2月28日)まで、毎年新茶の時期、すなわち4月項から6月頃を中心にして、指定商品「茶」に関する広告や商品の包装等に集中的にかつ大量に使用されている。

(2)ア 井六園は、「お茶壺道中」なる行事を100年ぶりに復活させ、今日まで毎年5月の初旬にその行事の実施を実質的に後援してきている(甲第3号証)。

イ 京都1200年祝祭(平成6年度)の第22回昭和新版「お茶壺道中」の報告書(乙第1号証)には、昭和48年以来、この行事が毎年1回行われ、平成6年5月の行事「お茶壺道中」が第22回に相当し、井六園(代表者井上六平)が実質的に当該「お茶壺道中」の行事の実施を担当(若しくは主導)していることが記載されている。

ウ 乙第2号証及び乙第3号証は、第27回及び第32回の「お茶壺道中」の案内パンフレットであり、第27回が平成11年5月2日に、第32回が同16年5月2日に行われたことを示すものである。

なお、平成16年度から茶壺道中保存会の事務局は、本件商標権者が代表者を努める井六園製茶株式会社(京都市南区久世上久世町所在。以下「井六園製茶」という。)内に変わっているが、井六園製茶は、「茶」の製造を主として担当する会社であり、井六園は、前記井六園製茶が製造をした「茶」の販売等を主として担当する会社である。

さらに、井六園製茶及び井六園は、いずれも本件商標の使用権者である。

エ 乙第3号証の中でも、標章「道中」が「茶」について、本件商標の使用権者である井六園製茶及び井六園によって使用されていることが示されている。

(3)ア 井六園は、毎年上記「お茶壺道中」の行事の前後約1〜2か月くらいから、「新茶」の販売を集中的に行っている。

イ 乙第4号証ないし乙第7号証は、前記「お茶壺道中」の行事との関連で販売をする「新茶」の容器(丸缶や角缶等)の胴部に巻き付けて使用をするラベルの一例を示すものであり、いずれも金文字で「道中」が漢字で縦書きされている。

ウ 乙8号証ないし乙第10号証は、前記「お茶壺道中」の行事との関連で販売をする「新茶」用の容器(紙製・銀紙内張)を示すものであり、いずれも金文字で「道中」が漢字で縦書きされている。

なお、乙8号証の1ないし乙第10号証の1は、容器の表側を、また、乙8号証の2ないし乙第10号証の2は、容器の裏側をそれぞれ示すものである。

エ 乙第4号証ないし乙第10号証からも明らかなように、本件商標は、毎年4月〜6月頃にかけて、本件商標の使用権者により、「茶」の包装容器や包装容器のラベルとして、日本国内の各地において多数使用されている。

(4)ア 乙第11号証の1及び乙第11号証の2は、井六園との関連でスーパー平和堂が使用をした「新茶」の予約販売用のチラシの表側と裏側を示すものであり、標章「道中」が漢字で縦書きされている。

イ 同様に、乙第12号証は、井六園が自社の営業所や販売店で毎年使用をしている予約販売用のパンフレットであり、標章「道中」が漢字で縦書きされている。

(5)ア 乙第13号証ないし乙第15号証は、井六園が「お茶壺道中」の行事の関連において販売をする「新茶」の広告用チラシであり、井六園の営業所等において本件審判請求日より3年以内に使用をされたものであり、漢字で縦書きしてなる標章「道中」が、「茶」に使用されていることがわかる。

(6)乙第1号証ないし同第15号証からも明らかなように、本件商標は、「茶」について、毎年4月〜6月頃を中心にして、本件商標の使用権者によって日本国内において大量に使用されているものである。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によりその指定商品「茶」について商標登録を取り消されるべきものではない。

(7)請求人の弁駁に対する答弁の理由

ア 請求人は、乙第1号証ないし乙第15号証は、使用権者であることを裏付ける証拠を示すものではないと弁駁しているが、乙第1号証の2頁、乙第2号証の1頁及び乙第3号証の1頁には、それぞれ商標権者である井上六平の氏名が明確に記載されている。また、乙第4号証ないし乙第15号証には、商品の出所等を表示するために井六園の名称が明確に記載されており、商標権者である井上六平は、井六園の代表者である(平成14年12月まで)。

すなわち、商標権者自身が代表者である井六園が、本件商標の登録日から今日まで、本件商標を継続して使用し続けてきたことは、商標権者が本件商標に係る商標権の使用を許諾していたという事実を示すものであり、井六園が本件商標の使用権を有することは明白である。

乙第16号証は、本件商標を井六園に許諾していることを内容とする商標権者の宣誓書である。

イ 請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証は、イベントであるお茶壺道中が行われていることを示すものであって、「茶」についての使用に該当しないと弁駁しているが、特に乙第2号証及び乙第3号証においては、「道中」の標章を緑色の円形で囲み、目立つようにしている。また、該証拠は、茶の利用や販売を促進するための広告としての機能を有する。

ウ 請求人は、乙第4号証ないし乙第15号証は、日付けが不明で本件審判請求の予告登録前3年以内の使用を裏付ける点が示されていないと弁駁しているが、乙第11号証の1には、商品お渡し日5月20日(木)以降、予約締切日5月5日(水)及び商品お渡し日5月8日(土)以降等の記載がみられるところ、乙第19号証からも明らかなように「5月20日が木曜日、5月5日が水曜日及び5月8日が土曜日となる年」は、平成16(2004)年である。したがって、乙第11号証の1が、平成16年に使用されたものである。

また、乙第20号証は、乙第4号証ないし乙第10号証を商品の包装の一部に使用した「茶」を、昭和52年頃から毎年井六園製茶が、新茶の時期に製造して井六園へ納入したことを証明するための井六園製茶の証明書であって、乙第4号証ないし乙第10号証を商品の包装の一部に使用した「茶」が、今日まで毎年製造・販売されていたことが明らかである。

さらに、乙第21号証は、井六園が2002年度の新茶の販売時期に行った、いわゆる「新茶まつり」の総集編(記録用)である。乙第21号証の2ないし4頁、9頁及び12頁目には、本件商標を使用した「茶」が表示されている。これからも、本件商標が、平成14年4月〜7月頃に「茶」について使用されていたことは明白である。

乙第23号証は、井六園が2003年度に使用した販売用広告等をまとめた資料である。この5頁、10頁及び11頁には、本件商標を使用した「茶」が表示され、5月7日(水)及び5月10日(土)の記載は、乙第24号証より、2003年であることがわかる。したがって、この点からも乙第23号証が平成15年に使用されたものである。

乙第25号証は、井六園が昭和52年8月頃から今日まで、毎年新茶の販売に際して、乙第13号証ないし乙第15号証の使用をとおして、本件商標を「茶」に使用してきたことを証明するための井六園の証明書である。

以上、本件商標は、その指定商品「茶」について、本件商標の商標権の使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたものである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。

乙第1号証ないし同第3号証は、京都市で行われた「お茶壺道中」に関するパンフレットであって、これらには、第22回の「お茶壺道中」が平成6年に、第27回が同11年に、また第32回が同16年に行われたことが示されている。

乙第11号証(枝番を含む。)は、平和堂が使用をした「新茶」の予約販売用のチラシであり、また、乙第12号証ないし乙第15号証は、井六園が自社の営業所や販売店で毎年使用をしている予約販売用のパンフレットであり、これらには、「道中」の文字が縦書きされた茶缶容器の写真が掲載されるなどして「井六園 宇治道中新茶」、「宇治初摘み新茶」等の「茶」を予約販売する旨が表示されている。

乙第16号証は、本件商標権者が井六園に昭和52年3月10日から今日まで、本件商標の通常使用権を許諾する宣誓書である。

乙第21号証は、井六園が2002年の新茶の販売時期に行った「新茶まつり総集編」であり、該2頁には、「道中」の文字が縦書きされた茶缶容器の写真が掲載され、「お茶壺道中/30周年記念銘茶」、「5月5日(日・祝)発売!!」の記載がある。

(2)上記において認定した事実に被請求人の主張を総合してみれば、本件商標の通常使用権者と認めることができる井六園(京都市南区久世上久世町在)が「茶」について使用していることが認められる。

そして、その使用は、30周年お茶壺道中が平成14年に行われたことが推認できることより、同年5月5日には、本件商標を付したお茶を発売したことが認められ、本件審判の請求の登録(平成17年1月19日)前3年以内に使用しているというのが相当である。

そうすると、本件商標の通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る「茶」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと推認し得るところである。

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者により取消請求に係る商品「茶」について使用されていたものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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