結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30227(T2005−30227/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2483766号商標(以下「本件商標」という。)は、「デクシス」の片仮名文字と「DECSYS」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成2年7月11日に登録出願、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料 」を指定商品として、同4年12月25日に設定登録されたものである。
そして、指定商品については、平成16年7月21日付けで、第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」、第12類「車いす」とする指定商品の書換登録がなされている。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第5類「医療用腕環」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」についての登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第5類「医療用腕環」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」について、継続して3年以上日本国内において、その登録権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用していた事実がなく、かつ、その不使用について正当な理由が存するものでもないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が提出した証拠は、本件商標が第10類「医療用機械器具」について使用されている事実を示すものではなく、単に、本件商標が第9類「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」について使用されていることを示すものに過ぎない。
乙第1号証は、被請求人についての会社概要を示すものであるが、この会社概要において、被請求人が「医療用機械器具」の開発、製造、販売に従事しているとは何ら記載されていない。
乙第2号証は、被請求人が提供する商品(ビデオ画像改善装置=DS5200)に関する記事であり、この記事は、単に、本件商標が様々な目的に使用され得る中間製品(「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」)に使用されていることを示しているに過ぎず、本件商標が最終製品たる「医療用機械器具」について使用されていることの証明にはならない。
乙第3号証も、上記商品(ビデオ画像改善装置=DS5200)の説明書であり、この説明書は、明らかに中間製品たる「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」を紹介するものであって、「医療用機械器具」に関するものと理解することはできない。
また、被請求人は、乙第4号証ないし乙第9号証をもって、医療機器メーカーであるテルモ株式会社(以下「テルモ社」という。)との取引を基に、本件商標を使用している旨主張しているが、これら取引の時点では、本件商標は、中間製品(「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」)に使用されているに過ぎず、本件商標が最終製品たる「医療用機械器具」について使用されているとはいえない。また、これら取引書類の一部に、超音波診断装置用画像処理装置と表記されているが、これも、実質的には、画像処理装置のことであり、「医療用機械器具」には該当しない。この場合、通常、テルモ社が提供する超音波診断装置が「医療用機械器具」に相当し、被請求人が提供する画質改善装置は「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」に相当するものというべきである。
以上、被請求人提出の乙各号証をもってしては、本件商標が「医療用機械器具」について使用されていた事実は認められない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第21号証を提出した。
(1)被請求人は、目視検査及び自動検査に最適な画像処理装置として「ビデオ画像改善装置:DS−5200」を開発し、2001年12月項から、生産設備や医療現場、セキュリティー監視会社などに向け受注活動を開始した(乙第2号証)。
この画像改善装置DS−5200は、エックス線画像や超音波画像等のビデオ画像のノイズを除去して、鮮明な画像を実現する装置であり(乙第2号証及び乙第3号証)、医療現場での使用にも対応できるものであって、例えば、医療用の超音波診断装置の画像処理に使用することができる(乙第2号証)。
(2)被請求人は、乙第4号証ないし乙第8号証に示すとおり、2004年1月14日に、テルモ社から、「超音波診断装置用画像処理装置」の制作について見積りを依頼され、同年5月25日付けで、上記「超音波診断装置用画像処理装置」について正式な注文を受け、当該装置を製造し、これを同年7月5日付けで納入仕様書と共に納品した。
この装置は、上記の画像改善装置DS−5200(乙第3号証)のハ−ドウェア及びソフトウェアをテルモ社製の超音波診断装置仕様に改良し、DS−5220として制作したものである。
上記の納入仕様書(乙第8号証)の表紙には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されており(乙第10号証ないし乙第17号証の審決参照)、1頁の「1.概要」の欄には、本装置DS−5220が「超音波診断装置から出力される・・・信号に対して使用される。」旨記載されており、この装置が、医療機器としての超音波診断装置に使用されるものであることが明示されている。
「超音波診断装置」とは、種々の医療診断において使用される装置であり、超音波を送受信するためのセンサーを受診者の身体の表面に当て、上記センサーから送信された超音波が受診者の臓器に反射して帰ってくるまでの時間や大きさを検出してデータ化し、このデータをコンピュータ処理することによって体内の構造を画像化し、視覚的に明らかにする装置である。この装置は、人体の組織構造に関する診断の他に、例えば、血管内の血流の状態を診断する場合にも使用されるものであり、専ら医療診断を目的として使用される装置であって、かかる装置が「医療用機械器具」の一種であることは言うまでもない(乙第18号証参照)。
(3)一般に「画像処理装置(画質改善装置)」と呼ばれるものは、様々な分野において使用される可能性を有するものであるが、医療目的に特化して製造販売される場合には、「医療用機械器具」として扱われるべきものと理解される。このことは、過去の登録例によっても裏付けられるものである。
例えば、登録第4272680号商標(乙第19号証)は、「医療用診断画像処理装置」を指定商品としているが、これは第10類(類似群:10D01)の「医療用機械器具」の一種として登録されている。また、登録第4654710号商標(乙第20号証)の指定商品の中には「医療用診断装置のための画像処理装置」が含まれているが、当該商品は第10類(類似群:10D01)の「医療用機械器具」の一種として登録されている。更に、登録第4732840号商標(乙第21号証)の指定商品「医療用診断用画像処理装置」も第10類(類似群:10D01)の「医療用機械器具」の一種として登録されている。これらの登録例からしても、被請求人がテルモ社に納入した「超音波診断装置用画像処理装置」が第10類の「医療用機械器具」の範疇に属する商品であることは明らかである。
(4)以上、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者によって、本件審判請求に係る指定商品中の第10類「医療用機械器具」について使用されているものであるから、本件審判請求には理由がない。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、被請求人発行の会社概要であり、被請求人の事業内容は、画像処理装置の開発・製造・販売・エンジニアリング、計測、制御機器の開発・製造・販売・エンジニアリング、画像処理装置応用システムの開発・製造・販売・エンジニアリング、コンピュー夕ーハードウェア、ソフトウェアの開発等である。
乙第2号証は、平成13年12月7日付の日刊工業新聞であり、「目視・自動検査に最適/生産設備や医療向け/画像処理ユニット」の見出しのもとに、「デクシスは、目視検査及び自動検査に最適な画像処理ユニット『ビデオ画像改善装置=DS5200』を開発、生産設備や医療現場、セキュリティー監視会社などに向け受注活動を始めた。・・・」旨記載されている。
乙第3号証は、2002年11月作成の「画像改善装置/DS−5200」の商品説明書であり、別掲のとおりの構成よりなる「DECSYS」の商標(以下「使用商標」という。)が表示されており、該装置の製品仕様及び画像改善の実例が掲載されている。
乙第4号証は、テルモ社から被請求人に送付された2004年1月14日付の超音波診断装置用画質処理装置についての見積依頼のメールである。
乙第5号証は、被請求人からテルモ社に送付された2004年3月29日付の見積書のコピーであり、乙第6号証は、被請求人からテルモ社に送付された2004年4月26日付の画質改善装置についての設計仕様書の抜粋コピーである。
乙第7号証は、テルモ社から被請求人に送付された2004年5月25日付の超音波診断装置用画像処理装置の注文書のコピーであり、乙第8号証は、被請求人からテルモ社に送付された2004年7月5日付の画質改善装置DS−5220の納入仕様書の抜粋コピーである。そして、納入仕様書の表紙には、乙第3号証と同じ「DECSYS」の使用商標が表示されており、納入仕様書の第1頁の「1.概要」の欄には、「本仕様書は、アナログ画像信号の画質改善ユニットDS−5220に適用します。超音波診断装置から出力されるコンポジットモノクロNTSC信号に対して使用されます。」と記載されている。
また、乙第9号証は、被請求人からテルモ社に送付された2004年10月25日付の画質改善装置DS−5220−900の納入仕様書の抜粋コピーであり、納入仕様書の表紙には、「DECSYS」の使用商標が表示されており、乙第8号証と同様の記載がなされている。
(2)上記において認定した事実に被請求人の主張を総合してみれば、被請求人は、目視検査及び自動検査に用いる画像処理装置として「ビデオ画像改善装置:DS−5200」を開発し、平成13年12月7日付の日刊工業新聞(乙第2号証)によれば、この頃から、生産設備や医療現場、セキュリティー監視会社などに向けて、該画像処理装置の受注活動を開始したことを認めることができる。
そして、乙第4号証ないし乙第8号証によれば、被請求人は、テルモ社から、同社が超音波診断装置の画像処理を行うための装置「超音波診断装置用画像処理装置(画質改善装置)」の開発を依頼され、画像改善装置DS−5200(乙第3号証)のハードウェア及びソフトウェアをテルモ社製の超音波診断装置仕様に改良した「超音波診断装置用画質改善装置(DS−5220)」を製造し、2004年7月14日付けで納入仕様書と共に納品している。
また、乙第9号証によれば、被請求人は、テルモ社から、上記超音波診断装置用画質改善装置の改良を依頼され、この依頼に応じて、改良タイプの装置として「DS−5220−900」を制作し、当該装置を2004年10月29日付けで納入仕様書と共に納品したことを認めることができる。
しかして、上記した超音波診断装置用画質改善装置DS−5220及びDS−5220−900は、乙第3号証の画像改善装置DS−5200のハードウェア及びソフトウェアをテルモ社製の超音波診断装置仕様に改良したものであって、乙第8号証及び乙第9号証における商品の概要の項において、「超音波診断装置から出力されるコンポジットモノクロNTSC信号に対して使用されます。」と記載されているように、超音波診断装置用の画質改善装置として製造され、専らその用途にしか用いられないものと認められるものであるから、超音波診断装置専用の附属品とみるのが相当である。
また、被請求人が商品説明書(乙第3号証)、設計仕様書(乙第6号証)及び納入仕様書(乙第8号証、乙第9号証)において表示している使用商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、使用商標には、本件商標中の「デクシス」の文字が使用されておらず、欧文字の態様もややデザイン化されてはいるが、容易に「DECSYS」の欧文字を表したものと理解・認識し得るものであり、また、該欧文字からは、「デクシス」以外の称呼は生じないことから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということができる。
(3)請求人は、乙第4号証ないし乙第9号証により、被請求人が本件商標を使用していると主張している商品は、中間製品(「測定機械器具」或いは「電子応用機械器具」)に使用されているに過ぎず、最終製品たる「医療用機械器具」について使用されているとはいえない旨主張している。
確かに、乙第3号証に掲げられている画像改善装置DS−5200は、商品説明書の記載からみれば、電子応用機械器具としての側面の強い商品であるということは否定し得ない。
しかしながら、これを本件使用商品についてみれば、上記したとおり、乙第8号証及び乙第9号証の「超音波診断装置用画質改善装置」は、乙第3号証の「画像改善装置DS−5200」のハードウェア及びソフトウェアをテルモ社製の超音波診断装置仕様に改良したものであって、汎用性のあるものではなく、専ら、当該超音波診断装置用の画質改善装置として用いられるものであるから、当該超音波診断装置専用の附属品とみるのが相当である。
また、被請求人の提出に係る商標登録に関する登録情報によっても、「医療用診断用画像処理装置」は、第10類の「医療用機械器具」の一種として多数登録されている事実が窺えるところである(乙第21号証)。
してみれば、被請求人の取り扱いに係る乙第8号証及び乙第9号証に示された「超音波診断装置用画質改善装置」は、その実質に則して判断すると、専ら、テルモ社製の超音波診断装置用の画質改善装置として用いられるものであるから、当該超音波診断装置専用の附属品というべきものであり、第10類の「医療用機械器具」の範疇に属する商品として使用されていたとみても差支えないものというべきである。
(4)以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成17年3月16日)前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」に含まれる超音波診断装置専用の附属品である「超音波診断装置用画質改善装置」について使用していたものというべきである。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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