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Trademark Appeal Case

ダクトレスの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第9701号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり「ダクトレス」の片仮名文字を横書きしてなり、第11類に属する商品を指定商品として平成7年9月26日に登録出願され、その後、指定商品については、平成9年7月29日付手続補正書をもって「工業用炉,乾燥装置,換熱器,熱交換器」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『管がない』の意味合いを認識させる『ダクトレス』の文字を横書きしてなるものであるが、これを本願指定商品中、例えば『暖冷房装置』等に使用したときは、需要者は全体としてその商品が『管(例:排気管)の無い商品』であることを認識するに止まるから、このようなものは、単に商品の構造を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認められない。また、前記補正後の指定商品においても同様である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成別紙に示すとおり「ダクトレス」の文字をごく普通の書体をもって横書してなるものである。

しかして、構成中前半の「ダクト」の文字は「空気、その他の流体の流れる通路(空気流通管、風道)」の意味合いの外来語(duct、ダクト)として、また、同後半の「レス」の文字部分は「〜のない」の意味合いの接尾語として、共に一般によく知られる平易な文字(語)であであるから、本願商標は、これら両文字(語)の結合語として、また、全体として「ダクトのない」、「ダクトを要しない」の意味合いを容易に感得させるものと認められる。

ところで、「ダクトレス」の文字(語)について、空調、給排気等の機械産業分野の生産事情等について当該業界紙又は一般紙の新聞記事をみると、例えば、▲1▼1996年2月2日付日刊工業新聞には、「大気社、ダクトを使わずにコントロールするダクトレス換気システムを開発」とする記事見出しの下、「大気社は、ビルの地下駐車場など広いスペースの換気をダクトを使わずに適切にコントロールするダクトレス換気システムを開発・・・」との記述、また、1998年11月25日付同紙には、「シンポ、無煙ロースターを発売。新しい油煙除去機構を採用」とする記事見出しの下、「【名古屋】シンポは新しい油煙除去機構を採用した『ダクトレス無煙ロースターSPN=写真』を完成、発売した。・・・ダクトレスのため移動も可能。」との記述、さらに、1993年6年5日付同紙には、「新日本空調、可変風量型の新空調システム発売。通気弁に圧電セラミック」とする記事見出しの下、「新日本空調は・・・空調システム(写真)を開発、・・・最近の室内空調は、天井ダクトを使わずに天井に多孔板を埋め込み、空調機からの給気をダイレクトに吹き出すダクトレス空調が増加している。・・・今回、開発した新空調システムは、ダクトレス空調のメリットを生かしながら、・・・」との記述、そして、1988年9月27日付同紙には、「大林組、オフィスの新空調方式を開発。二重床と天井裏の利用でダクトレス化」とする記事見出しの下、「大林組は・・・オフィス内をダクトレスにするのが特徴。」との記述がそれぞれ認められる。

▲2▼1986年2年6日付日経産業新聞には、「高砂熱学、熱節約し室温維持−精密工場用空調システム。」とする記事見出しの下、「高砂熱学工業は組み立て工場向けの省エネルギー型恒温空調システム・・・を開発した。・・・新システムは温冷水をつくるヒートポンプチラーを熱源とし、空調機、ダクトレス空気搬送システム、内外気温測定用の温度センサー、コンピューターシステムで構成している。・・・」との記述、また、1986年1月4日付同紙には、「クリーンモジュール、超LSI向け開発、大気社−工期短く低コスト。」とする記事見出しの下、「空調設備工事大手の大気社は・・・製造工場向けのクリーンモジュールを開発した。・・・天井、壁、床の内部は空洞になっており、給排気のダクトの役割を果たすダクトレス構造。このため配管工事が単純で低コスト、短工期で施工できる。・・・」との記述がそれぞれ認められる。

以上によれば、「ダクトレス」の文字(語)は、空調システム、給排気システム等の機械器具又はその装置(システム)を取り扱う業界においては空気流通管(風道)を要しない機構を備えた機械器具又はその装置(システム)を表示するものとして取引上普通に使用されているものとみて差支えないものと認められる。

そして、本願の指定商品である「工業用炉,乾燥装置,換熱器,熱交換器」は、その使用目的、作用効果において、いずれも熱処理、ないしは給排気等の機構を備えたものが少なからず存在し、又はその周辺機器に利用される場合も少なくないと認められるから、この点において前記空調、給排気システムの機械装置等と密接に関連するものといえる。

そうとすると、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者・取引者は、前記事情よりして「ダクトのない(要しない)」機構を備えたものという、いわゆる商品の品質、特徴を端的に表現したと理解されるに止まり、それをもって商品の出所識別の標識とは認識し得ないものといわなければならない。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する

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