Trademark Appeal Case
商標の類否と指定商品の明確性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−20650(T2004−20650/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「ダイエットファスト」の文字(標準文字による商標)を書してなり,第5類「食物繊維を配合した医療用栄養補助食品,シトラスアランティウムを配合した医療用栄養補助食品,薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」,第29類「シトラスアランティウムを主成分とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液状・紛状・ゼリー状・棒状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」及び第30類「食物繊維を主成分とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液状・紛状・ゼリー状・棒状の加工食品,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として,平成15年3月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は,以下の(1)(2)及び(3)のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は,登録第450523号の1商標及び登録第1020979号商標と同一又は類似の商標であって,同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
原査定において,本願拒絶の理由に引用した登録第450523号の1商標(以下「引用商標1」という。)は,「フアスト」の文字を横書してなり,昭和28年9月1日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同29年8月31日に設定登録され,指定商品を第1類「化学品,薬剤及び医療補助品,但し医療補助品を除く」として,同31年2月20日に分割移転登録され,平成7年1月30日商標権の存続期間更新登録がされたが,その後,同16年8月31日に商標権の存続期間が満了し,同17年5月11日にその抹消登録がなされているものである。
また,登録第1020979号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ファスト パック」の文字を横書してなり,昭和45年8月22日に登録出願,第32類「食肉,卵,食用水産物,野菜,果実,加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として,同48年7月2日に設定登録され,その後,平成15年6月18日に指定商品の書換登録がなされ,その指定商品が,第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り 豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」,第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」,第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜(「茶の葉」を除く。),茶の葉,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」となり,現に有効に存続しているものである。
(2)指定商品は,商標とともに権利範囲を定めるものであるから,その内容及び範囲は明確でなければならないところ,本願に係る指定商品中,「食物繊維を配合した医療用栄養補助食品,シトラスアランティウムを配合した医療用栄養補助食品」は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって,本願は,商標法第6条第1項の要件を具備しない。
(3)本願は,政令で定める商品及び役務の区分第30類に属さない商品「食物繊維を主成分とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液状・紛状・ゼリー状・棒状の加工食品」を包含している。したがって,本願は,商標法第6条第2項の要件を具備しない。
3 当審の判断
(1)まず,引用商標1の商標権は,商標登録原簿の記載に徴すれば,上記2(1)のとおり,平成16年8月31日に商標権の存続期間が満了し,同17年5月11日にその抹消登録がなされているものである。
したがって,引用商標1について,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は,解消した。
次に,本願商標と引用商標2との類否について検討する。
本願商標は,上記1のとおり,「ダイエットファスト」の文字を書してなるものであるところ,これを「ダイエット」と「ファスト」とを常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由は,見いだし難く,かつ,その証拠も見いだせない。
また,その構成中前半の「ダイエット」の文字部分は,「美容・健康保持のために食事の量・種類を制限すること」を意味する語であり,本願の指定商品を取り扱う業界において「ダイエット食品」のように広く普通に使用されているものであるから,自他商品の識別機能を有しないものと認められる。
しかして,構成文字が一連に書されていたとしても,全体として特定の語義を生ずるものではなく,かつ,「ダイエット」の文字部分が,商品の品質,効能等を表すものとして理解される場合もあるといえるから,本願商標の構成中における自他商品の識別標識としての機能を強く果たし得る「ファスト」の文字部分がより多くの注意を引き,これより生ずる称呼,観念をもって,取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
そうとすれば,本願商標は,「ダイエットファスト」の称呼のほかに,その構成中の「ファスト」の文字より「ファスト」の称呼をも生ずるものである。
一方,引用商標2は,上記2(1)のとおり「ファスト パック」の文字を横書きしてなるものであるところ,これを「ファスト」と「パック」とを常に一体のものとして把握しなければならない格別の理由は,見いだし難く,かつ,その証拠も見いだせない。
また,その構成中後半の「パック」の文字部分は,「包装したもの」を意味する語であり,本願の指定商品を取り扱う業界においても,一定量を包装した商品を表すために広く普通に使用されているものであるから,自他商品の識別機能を有しないものと認められる。
しかして,「ファスト パック」の文字が,全体として特定の語義を生ずるものではなく,かつ,後半の「パック」の文字部分が,商品の品質,数量等を表すものとして理解される場合もあるといえるから,簡易,迅速を尊ぶ商取引の実際においては,前半において自他商品の識別標識としての機能を強く果たし得る「ファスト」の文字部分がより多くの注意を引き,これより生ずる称呼,観念をもって,取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
そうとすれば,本願商標は,「ファストパック」の称呼のほかに,その構成中の「ファスト」の文字より「ファスト」の称呼をも生ずるものである。
してみれば,本願商標と引用商標2とは,それぞれの外観及び観念を考慮してもなお,「ファスト」の称呼を共通にすることのある類似する商標であ
り,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似する
商品を含むものである。
(2)さらに,本願の指定商品中,「食物繊維を配合した医療用栄養補助食品,シトラスアランティウムを配合した医療用栄養補助食品」と記載された商品は,様々な商品がいわゆる「栄養補助食品」として宣伝されている実情にあって,その内容があいまいといわざるを得ず,指定商品の内容及び範囲を把握することができないものである。
また,「食物繊維を主成分とする錠剤状・カプセル状・顆粒状・液状・紛状・ゼリー状・棒状の加工食品」は,その表現よりは第29類に属すべきものとも考えられることから,政令で定める商品及び役務の区分に従って第30類の商品を指定したものと認めることがきない。
そして,請求人は当該拒絶の理由に対し,何ら商品の説明等をするところもない。
(3)したがって,本願商標が,商標法第4条第1項第11号に該当し,かつ,同法第6条第1項及び第6条第2項に規定する要件を具備しないとした原査定は妥当であって,これを取り消すべき限りでない。
よって,結論のとおり審決する。
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