結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30746(T2005−30746/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4495700号商標(以下「本件商標」という。)は、「日本管更生技術協会」の文字を横書きしてなり、平成12年4月19日に登録出願、第37類「管工事,土木一式工事」を指定役務として、平成13年8月3日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定役務について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存在しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁
ア 被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第7号証により、本件商標が継続して過去3年以内に商標権者等によって、実質的に使用されていることは立証されていない。
イ 乙各号証について
(ア)乙第1号証の成立については知らない。これがいずれに送付されたものであるか、当該送付先の業務が何れであるかも不明である。単なる空欄の申込書であるにすぎない。
(イ)乙第2号証について、郵便局の証紙が添付された封筒表面の成立は認められるとしても、裏面が当該封筒のものであるかは不明であって、その成立を認めるものではない。当該送付先の業務も不明である。
そもそも、乙第2号証として提示された封筒裏面の発信人の表示を見ると、「有限会社 横島」、「代表取締役 横島康弘」の名前、その住所、電話番号は、既成のハンコで押印されているのに、「日本管更生技術協会」の表示は手書きであって、封筒の外周にはみ出して表されており、不自然である。社会通念に照らしても、「日本管更生技術協会」の表示が当初からなされていたものであるか否かについて、疑問をいだかせる。
(ウ)乙第3号証は、切手の領収書にすぎず、これをもって、乙第1号証、乙第2号証に関するものであるかは不明であるし、これが商標としての使用を示すものでもない。
(エ)乙第4号証は、平成16年12月10日付けで、「下水道展 ‘05東京」の申込書と記載されている。この成立は認めるとしても、そこに記載されている「日本管更生技術協会」の表示が、商標の使用を示すものでないことはいうまでもない。
乙第5号証は、「下水道展‘ 05東京」が、平成17年7月26日から同29日迄、東京ビッグサイトで開催されたことを示しているが、本件審判の請求の登録前3年以内における商標の使用を示すものではない。乙第6号証も、本件審判の請求の登録前3年以内における商標の使用を示すものではない。請求書をもって、商標使用を立証できるものではないし、そもそも、当該請求は、本件審判の請求の登録後に開催された展示会の費用に関するものであるにすぎない。
(オ)乙第7号証は、平成17年5月2日付け請求書なるものであるが、本件審判の請求の登録前3年以内における自他商品・役務識別標識たる商標の使用を示すものではない。
ウ 本件商標の不使用
乙第1号証ないし同第7号証によっては、継続して3年以上本件商標権者等が、審判の請求の登録前において、本件商標を請求に係る指定役務のいずれかについて使用をしていることは立証されていない。仮に、名称としての使用あるいはその準備があったとされるとしても、自他商品・役務識別標識たる商標として使用されているものではないし、その地位、すなわち、商標権者としての使用、通常使用権者としての使用、通常使用権存在の立証などなされているものでもない。
本件登録は、東京都中央区八丁堀4−10−2所在の日本管更生技術協会により出願、登録されたものである。
本件審判の請求を受けて、平成17年10月14日付けで登録名義人表示更正登録申請を行って、住所、氏名を更正し、同時に、商標権移転登録申請を行い茨城県結城郡石下町大字篠山175−3、有限会社横島として、平成17年11月7日付けで審判事件答弁書を提出した。
しかしながら、東京都中央区八丁堀4−10−2所在の日本管更生技術協会なる法人はなかったのである。日本管更生技術協会なるものはなく、当該出願人は、法人ではなく、勿論自然人でもなく、権利能力はなかった。
偽りの手続により特許庁における登録、あるいは更正手続は認められ得るとしても、本来、法人でも自然人でもない者は権利能力がなく、本件商標の登録は、その出願、登録の経緯よりして、当然無効のものであって権利行使などなし得るものではないし、答弁書提出など、有効な反論を行い得るものでもない。権利能力のない者による「商標権者の使用」などあり得ないことは当然である。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出した。
乙第1号証にあるように、本件登録日(平成13年8月3日)から3年が経過する以前の平成16年6月17日付けで、「日本管更生技術協会」(登録商標に同じ)への入会申込書を、管更生事業及び土木工事(登録商標の指定役務:第37類「管工事、土木工事一式」 に含まれる)を営む株式会社山二総合開発からファクシミリにて受信した事実が存在する。
また、商標権者は、乙第2号証にあるように、同じく本件登録日から3年が経過する以前の平成16年7月9日付けで、上記と同様の入会申込書を、同じく管更生事業及び土木工事を営む株式会社ゲット宛に郵送した事実が存在する。これを証明するものとして、乙第3号証に郵便局発行の同日付け領収書が存在する。なお、この領収書に記載された金額¥700は、乙第2号証として提出する封筒の消印欄にある金額¥140に一致しないが、領収金額¥700は、他の業者宛に同様の書類を発送した4通の切手代を合わせた計5通分(¥140×5)の金額である。
さらに、商標権者は、登録から3年経過後、現在に至るも日本国内において登録商標を指定役務について使用している。
すなわち、乙第4号証にあるように、商標権者は、平成16年12月10日付けで下水道展(日本下水道協会主催)への出展申し込みを行っており、乙第5号証にあるように、同下水道展開催のパンフレットが主催者である日本下水道協会から発行され、同パンフレットの裏面(第2頁目)の「に」行の欄には登録商標である「日本管更生技術協会」が記載されている。そして、乙第6号証にあるように、同下水道展出展料の平成17年3月11日付け請求書が日本下水道協会から「日本管更生技術協会」宛に届いている。
また、乙第7号証にあるように、本件審判の請求の日である平成17年6月23日の直前である平成17年5月2日付け請求書が日本下水道協会関東地方支部より届いている。
以上、商標権者は、登録から3年経過前から現在まで日本国内において登録商標を指定役務について使用しており、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の何れもが登録商標を指定役務について継続して3年以上日本国内において使用していない事実は存在しない。
(1)被請求人提出の乙第1号証ないし同第7号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 白紙(各欄に具体的に記入される以前のもの)の「日本管更生技術協会入会申込書」の用紙が存在すること(乙第1号証)、
イ 平成16年7月9日消印の封書には、宛名として「つくば市花畑2−12−4」「(株)ゲット御中」「社長殿」が記載されており、その封書の裏面と推定されるものには、「茨城県結城郡石下町大字篠山75−3」「有限会社横島内」(「内」の文字は手書きである。)「代表取締役 横島康弘」「TEL 0297(42)2171」と表示され、その下段に、「日本管更生技術協会」「会長 横島康弘」と手書きの記載があることが認められる(乙第2号証)が、役務との関係は不明である。
ウ 平成16年7月9日付けで「日本管更生技術協会」に対して発行された切手代700円の領収証書がある(乙第3号証)。
エ (社)日本下水道協会所定の用紙の「会社名(団体名)」欄、及び「下水道展担当部署(連絡・通知先)」欄に、「日本管更生技術協会」と記載し、平成16年12月10日に、(社)日本下水道協会宛に「下水道展’05東京」への出展の申込を行ったこと、同申込書の記載において「希望出展ゾーン」欄中の「建設」に「〇」が記入されていることが認められる(乙第4号証)。
オ 「下水道展’05東京」が平成17年7月26日から同29日まで東京ビッグサイトで開催されたこと、そのパンフレットの出展者の欄に「日本管更生技術協会」の表示が掲載されていることが認められる(乙第5号証)。
カ 平成17年3月11日に、(社)日本下水道協会から「日本管更生技術協会」宛に、「下水道展’05東京出展料」788,000円が請求されたことが認められる(乙第6号証)。
キ 平成17年5月2日に、日本下水道協会関東地方支部から「日本管更生技術協会」宛に、平成17年度支部会費13,000円が請求されたことが認められる(乙第7号証)。
(2)しかし、上記の認定事実において、標章「日本管更生技術協会」が表示され、あるいは用いられているけれども、これらは、
ア 時期が定かでなく、指定役務との関係が確認し得ない(乙1)、
イ 時期は確定し得ても、指定役務との関係が明確といえない(乙2、乙3、乙4、乙6、乙7)、
ウ あるいは、指定役務との関係が明確といえず、本件審判の請求の登録前3年以内の時期に係るものともいえない(乙5)、ものであって、
これらを総合してみても、指定役務について本件商標の使用があったと認めることはできないといわざるを得ないものである。
なお、被請求人は、「日本管更生技術協会」への入会申込書を管更生事業及び土木工事を営む株式会社山二総合開発からファクシミリにて受信した事実が存在すると主張するが、この事実を裏付ける資料は提出していない。
(3)してみれば、乙各号証によっては、本件審判の請求の登録前3年以内の時期に、指定役務「管工事,土木一式工事」について、本件商標を使用したことが明らかにされたと認めることはできず、他にその使用を認め得る証左は見いだせない。
(4)したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその指定役務について使用をしていないものに該当するといわざるを得ないから、商標法第50条第1項に基づき、その登録の取消しを免れない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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