結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31586(T2003−31586/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4305902号商標(以下「本件商標」という。)は、「GLOBIS」の欧文字を横書きしてなり、1996年7月17日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成8年12月26日登録出願、第35類「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,インターネットのホームページにおける広告,その他の広告,経営の診断及び指導,市場調査」を指定役務として、同11年8月13日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標は、その指定役務中『インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断及び指導,市場調査』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第6号証を提出した。
【請求の理由】
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定役務中「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断及び指導,市場調査」について、使用されていない。
したがって、本件商標は、その指定役務中上記役務についての登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
【答弁に対する弁駁】
(1)乙第1号証ないし乙第7号証からは、本件商標を「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供」に使用している事実は見られず、むしろ、「インターネットのホームページにおける広告」についての使用であるから、それらの使用が乙第8号証から、仮に、本件審判請求の予告登録前3年以内の使用であると認められたとしても、指定役務である「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供」について、本件審判請求の予告登録前3年以内に国内において使用していたことを立証したことにはならない。
(2)商標法にいう「役務」とは、他人のためにする労務又は便益であって、付随的でなく独立して市場において取引の対象となるものである。取引の対象となる以上、それによって対価を得ることが前提条件になるが、被請求人の「GLOBIS」のサービスは、見本市の出展社に対するものであって、出展社から対価を徴収して、被請求人のインターネットホームページに「広告」として掲載しているにすぎない。当該サービスの受益者であると被請求人が主張するインターネットの利用者は、本来、提供された情報に対して対価を支払うべきはずであるのに無料で利用できるのである(甲第4号証)。
(3)請求人が本件審判と同じ登録第4305902号商標の取消しを求めた取消2002−31258審判事件において、被請求人は、本件審判で提出した乙各号証に加えて、(ア)「『グロービス(グローバル・ビジネスネットワーク)』のご案内写し」、(イ)「『GLOBIS』オプションサービスへの出展社からの申込書写し」(ウ)「『GLOBIS』オプションサービスに関する請求書写し」等を乙号証として、「本件商標は、役務『インターネットのホームページにおける広告』について使用している。」と自ら主張している事実がある(甲第5号証)。
そして、当該審判事件の審決においても、乙各号証から、「被請求人は、商標『GLOBIS』を、役務『インターネットのホームページにおける広告』について使用しているものと認められ」、また、「商標『GLOBIS』は、役務『インターネットのホームページにおける広告』の取引の識別標識として機能し、使用されているものと認め得る」と認定している(甲第6号証)。
(4)以上述べたとおり、被請求人は、本件登録商標をその指定役務中「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断及び指導,市場調査」について、取消審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用した事実を全く立証しておらず、また、登録商標を使用していないことについて正当な理由があることの事実も、被請求人により明らかにしていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
【答弁の理由】
(1)被請求人は、1947年に最初に開催され、出展社数約7,000社、専門ビジター数26万人、報道関係者数4,000人等が集合する、世界最大の産業財見本市である「ハノーバー・メッセ」、「セビット」等を毎年主催している(乙第1号証ないし乙第5号証)。
同時に、被請求人は、世界で最も大きいインターネット・メッセである「グロービス(GLOBIS)」を1996年から実施しているものであり、この「グロービス(GLOBIS)」のサービス内容は、概ね以下のとおりである。
「グロービス(GLOBIS)」は、「ハノーバー・メッセ」等の見本市に興味のある者に対し、実際にハノーバーまで来なくても、インターネットを介して見本市に参加できるようにすることを目的としたサービスである。
具体的には、「ハノーバー・メッセ」等への出展社、あるいは、出展社の製品・サービス、出展社のブランド名等の情報を、各見本市が開催される約6週間前から、翌年の見本市が開催されるまでの間、被請求人のホームページ「グロービス(GLOBIS)」上に掲載し、これにより、インターネットの利用者に対し、当該情報を提供するサービスである。
(2)本件商標の使用の具体例は、2001年4月に開催された「ハノーバー・メッセ」への出展を募るために配布されるカタログ(乙第6号証)及び「ハノーバー・メッセ2002」のパンフレット(乙第7号証)により、被請求人が、商標「GLOBIS」を、役務「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供」について使用していることを明らかにする。
また、これらの資料によって証明する本件商標の使用が、本件審判請求の登録日(平成15年12月17日)前3年以内のものであることは明らかである。
したがって、商標権者である被請求人は、本件商標が、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、請求に係る役務について使用していることを証明したので、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取消されるべきではない。
(1)「HANNOVER MESSE '97 1997年4月14日〜19日」と題するパンフレット(乙第1号証)の「世界の製品情報に24時間直接アクセス GLOBIS」の項に、「グロービス(グローバル・ビジネス・ネットワーク)」と題して、「産業財と諸サービスのためのグローバルなインターネット・メッセが世界の製品と諸サービスに年間を通じ、24時間アクセスできるようになりました。」、「15,000社以上のサプライヤーと60,000社以上の製品が登録されており、その中からもっとも良いものを選択することができます。このグロービス・システムの長所は、求めている製品を迅速に探し出してくれることです。」(23頁)の記載がある。
(2)「HANNOVER MESSE 23-28 APRIL 2001」と題する見本市への出展を募るために配布するものと認められるパンフレット(乙第6号証 なお、原文は英語及びドイツ語であるが、以下、和訳して記載する。)には、「GLOBIS、すなわち出展企業やその製品を紹介する特別なインターネット・サービスは、潜在的顧客へ辿り着くための多くの可能性を提供するのです。ここでは、貴社自身と、製品及びサービスを個別に、しかも、より詳細に紹介することが可能です。」(5頁)の記載がある。
7頁には、左上方に「GLOBIS」(「O」の文字がやや図案化されている。)と表示したインターネットによる検索結果画面の例示があり、この例示をもとに、「製品カテゴリーの一覧表」の説明として、「展示場でインターネットやEBi端末の情報を検索する来訪者の半数以上の方々が、正しい製品認識を持ち合わせた出展企業に目を向けるべく製品カテゴリーを利用しているのです。このサービスのファイルは、貴社の製品を最も良く説明するカテゴリーを選択することが可能な詳細な製品カテゴリーのインデックスを含みます。」(9頁)の記載がある。
「ブランド名の一覧表」の説明として、「多様なメディアに製品のブランド名を掲示するのはまた、来訪者を直接貴社の玄関へ導くすばらしい方法でもあります。ブランド名はあらゆるメディアで別個に検索することが可能です。」(10頁)の記載がある。
「Make an impact with a detailed internet presentation」の項に、「ハノーバー・メッセのインターネット・ページは2000年に約400万の訪問者の質問を受け取りました。このうちの65%は出展企業及びその製品の検索でした。GLOBIS・インターネット・サービスは、フェア期間前後や期間中に、この膨大な顧客の発展性を活用する理想的な機会を提供いたします。」(15頁)の記載がある。
「製品ハイライト」の項に、「製品の説明文をできるだけ多くの写真と共にお送りください。その情報はウェブサイトの英語又はドイツ語セクションに掲載されます。各々の製品は個別に、タイトルと共に解説されなければならないことにご注意ください。最高30文字からなるタイトルは、GLOBISのユーザーにとって、検索タームとしてお役に立つと同時に、別個のインデックスにも列記されます。加えて、記載される製品の各々は、少なくとも一つの製品カテゴリーに振り分ける必要があります。製品カテゴリーにつきましては、フォーム1.40でオーダーできます。来訪者は製品カテゴリーから製品ハイライトヘ直接案内されるでしょう。」(16頁)の記載がある。
(3)「HANNOVER MESSE 2002年4月15日〜20日」と題するパンフレット(乙第7号証)の「インターネットによるご案内」の項(26頁)に「ハノーバー・メッセ」に関しては、1年365日情報を入手できます。」、「企業とその製品についての詳細な情報は、ドイツ産業見本市株式会社のインターネットサービス「GLOBIS」にアクセスすれば、文字と絵で知ることができます。多数の企業は会期前にすでに製品や自社の紹介をしており、・・・詳細な情報は、ハンドヘルドコンピュータに直接ダウンロードできる・・・」の記載がある。
また、被請求人による当該情報の提供は、商標「GLOBIS」を使用し、遅くとも1997年から行われ、2001年及び2002年においても行われているものと認められる。
請求人は、被請求人が本件商標を使用していると主張している役務は、「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供」ではなく、むしろ、「インターネットのホームページにおける広告」であり、商標権者の使用は、取消請求に係る役務についての使用には該当しない旨主張しているが、「広告」とは一般に、「広く世間に告げ知らせること」(広辞苑)であり、テレビや雑誌での広告やインターネットにおけるバナー広告等をいうのであって、本件商標の使用に係る被請求人の役務は、需要者が、例えば、1997年の例によると、60,000社以上の製品の情報の中から、製品カテゴリー等をキーワードとして検索をして必要な情報を得るものであるから、その役務は、「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供」であるというべきである。
また、請求人は、被請求人の「GLOBIS」サービスは、見本市の出展社に対するものであって、かつ、出展社から対価を徴収しているものであるから、ホームページに「広告」として掲載しているにすぎない旨主張している。
しかしながら、被請求人の上記役務は、前記のとおり、製品情報を求める者を需要者として、情報の提供を行っているものである。また、一般に役務の対価を支払う者が当該役務の需要者に限られるものではないのであって、被請求人の上記役務についても、出展者がその対価を負担し、需要者が負担していないとしても、それをもって、被請求人が上記情報の提供を行っていないとはいえないから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
さらに、請求人は、別件審判事件において、被請求人の行っている「GLOBIS」サービスが「インターネットのホームページにおける広告」である旨、審決も認定しているので、本件商標に関して、本件審判請求に係る役務について使用していない旨主張しているが、被請求人が本件商標を使用している役務については、提出された証拠により前記のとおり判断できるものである。
したがって、本件商標は、その指定役務中「インターネットのホームページを利用した商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,経営の診断及び指導,市場調査」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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