結論テキスト
その余の取消請求に係る「役務」についての請求は却下する。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30760(T2005−30760/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1357038号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和50年11月27日に登録出願、第9類「動力付き手持ち工具,その他本類に属する商品」を指定商品として、同53年11月28日に設定登録され、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲2号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」 について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
乙第4号証、乙第7号証及び乙第8号証は、乙第6号証によって被請求人が自認するように、商標法施行規則別表・七類の「風水力機械器具」、とりわけその中でも「圧縮機」についての商標の使用を証明するものであるが、本審判事件の争点は、果たして登録商標が「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」 について使用されているか否かに係るものである。そもそも「風水力機械器具」若しくはその例示の一つである「圧縮機」 は、「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」とは非類似の商品である。よって、被請求人の立証及び主張は全く意味を成していないといわざるを得ない。
被請求人は、「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」の中の「圧縮装置」の部分に着目し、「破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置」は「圧縮機」と類似若しくは同一の商品であるとの類推を働かせたものと推測されるが、「破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置」なる商品は「分別装置」を直接意味、指称するものであり、「圧縮装置」はここでいうところの「分別装置」なる装置の構成要素ですらないことは文意より明白である。
これに加えて、乙第4号証及び第7号証の事実証明にあたっては、本来原本の提出をもってされるべきであり、乙第4号証に至っては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれが使用者なのかを特定することすら不可能である。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
(1)商標権者は、本件商標の指定商品中「圧縮装置」について、日本国内において、現在も通常使用権者により継続して使用中である。以下、本件商標の使用の事実について説明する。
(2)本件商標の通常使用権者である「株式会社ハイオス」 は、本件商標の商標権者である「戸津 勝行」を代表取締役社長とする法人であり、千葉県松戸市秋山111−6を本社として登記がなされている(乙第1号証)。
本件商標の商標権者の住所については、会社登記簿謄本に記載のとおりであり、本件商標の商標登録原簿の記載については、現在登録名義人の表示(住所)変更登録を申請済である(乙第2号証)。
なお、本件商標の商標登録原簿に現在記載されている商標権者の住所は、本件商標の商標権者の旧住所であり(乙第3号証)、現在は株式会社ハイオスの東京事務所の所在地となっているため、商標権者宛てに対する郵便物等については、問題なく配達がなされている。
(3)次に、本件商標の通常使用権者による指定商品「圧縮装置」についての使用は、株式会社ハイオスの製造・販売に係るサクション式ドライバー用「バキュームポンプVP−3」の製品についてである。この製品は、真空圧を発生させ、ねじをビット先端に吸い付け、ねじ拾いの手間を省くために利用されるものである。この製品については、株式会社ハイオスの主要製品である“電動ドライバー”の製品カタログの第25頁において、周辺機器に分類されて掲載されている(乙第4号証)。
(4)しかるに、本件商標「HIOS」の使用に係る「バキュームポンプVP−3」は、“真空ポンプ”としての商品に分類され、一般的には“圧縮機”の概念に含まれ(乙第5号証)、本件商標の指定商品である第9類の“風水力機械器具”に属するものである(乙第6号証)。なお、本件審判請求人の取消理由において指定商品として記載される“圧縮装置”は、当然にこの種の圧縮機の全てを対象とするものであり、前述した本件商標の使用に係る「バキュームポンプVP−3」も含まれることは明らかである。
(5)以上説明したとおり、本件商標については、現在も継続して製造・販売されている製品ついて使用しているものである(乙第7号証)。したがって、本件商標は、審判請求人の取消理由に記載される指定商品について、日本国内において現在も継続して使用中であり、本件審判請求は何等理由のないものである。
しかも、本件商標“HIOS”の称呼である“ハイオス”は、その通常使用権者の名称“株式会社ハイオス”と一致するものであり、しかも当業界において周知されている名称である(乙第8号証)。そこで、本件商標が、通常使用権者の製造・販売に係る製品と関連するような商品について、取消しが行われ、他人により権利が取得されて、使用されることになれば、本件商標の商標権者および通常使用権者においては不測の損害を被ることになることが予想され、このような行為は極めて不当であり遺憾である。
(1)本件審判において、請求書記載の請求の趣旨によれば、請求人は、本件商標の指定商品中「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品及び役務」についての登録の取消を求めるものである。
ところで、本件商標は、前記1のとおり、平成3年商標法改正前の商品の区分第9類に属すべき全ての商品を指定商品として登録出願され、設定登録されたものである。
しかして、我が国商標法において、「役務」については、平成4年4月1日以降の商標登録出願から指定をし登録をすることが可能となったものであるから、本件商標は、その登録出願日(昭和50年11月27日)に照らし、役務を指定し設定登録されたものでないことは明らかである。
してみれば、本件審判の請求は、役務について登録の取消しを求める限りにおいて、その対象を欠く不適法な請求といわざるを得ないものであり、補正をすることができないものであるから、当該請求については、却下すべきものである。
(2)そこで、その余について審理し判断する。
乙各号証をみると、乙第4号証は、商品カタログの抜粋の写しと認められる。そこには、「周辺機器」として「サクシヨン式ドライバー用 バキュームポンプ VP−3」の現物写真が掲載されるとともに、「真空圧を発生させ、ねじをビット先端に吸い付け、ねじ拾いの手間を省きます。」との記載があり、その「仕様」が記載されている。そして、そのポンプには本件商標と同一の標章が表示されているのが認められる。
乙第7号証は、「登録商標の使用説明書」である。そこには、本件商標の使用に係る製品の写真として乙第4号証と同様の現物写真が示され、また、その続葉として、「製造元 株式会社ハイオス」の商品カタログの写しが添付されている。その表紙には本件商標と同一の標章が表示され、また、乙第4号証と全く同じ内容の頁が示されており、同カタログの最終頁の右下には「Printed in Japan 0402」との表示があり、同カタログが2004年2月に印刷されたと推認される。
なお、乙第1号証である株式会社ハイオスの登記簿謄本の記載と被請求人の主張とを併せると、株式会社ハイオスは、本件商標について使用を許諾された者(通常使用権者)と認め得るものである。
(3)しかしながら、被請求人が本件商標の使用をする商品として提示する上記の商品は、カタログの記載及び被請求人の主張によれば、真空圧を発生させ、ねじをビット先端に吸い付け、ねじ拾いの手間を省くために用いられるポンプであり、本件商標の指定商品中「風水力機械器具」の概念に属すると認められる商品である。
一方、取消請求に係る商品は、「化学機械器具」、「破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置」、「分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機」、「廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械」及び「これら全ての商品に類似する商品」である。
してみると、本件商標の指定商品の一であるポンプに本件商標が使用されていると認め得るけれども、当該ポンプは、取消請求に係る指定商品の一とはいえず、また、その品質・用途・取引系統等を異にするものであるから、取消請求に係る指定商品に類似する商品とも認められないというのが相当である。
この点について、被請求人は、「取消理由において指定商品として記載される“圧縮装置”は、当然にこの種の圧縮機の全てを対象とするものであり、前述した本件商標の使用に係る『バキュームポンプVP−3』も含まれることは明らかである。」と述べている。
しかし、圧縮装置に本件ポンプが含まれるとしても、本件審判請求が「圧縮装置」あるいは「風水力機械器具」について商標登録の取消を求めたものでないことは、その請求の趣旨の記載に照らし明らかなところというべきであるから、前記判断を左右するものとはいえない。
結局、本件商標は、前記乙各号証によっては、取消請求に係る指定商品に使用をしていたとは認められず、他にこれを認め得る証左は見いだせない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「化学機械器具,破砕装置、圧縮装置、焼却装置又は溶融装置によって廃棄物を減容するために廃棄物を分別する分別装置,分別装置に投入する廃棄物を掘削する掘削機及び廃棄物を把持し、分別装置に投入する土木機械並びにこれら全ての商品に類似する商品」についの登録を取り消すべきものとし、その余の取消請求に係る「役務」についの請求は、商標法第56条において準用する特許法第135条の規定により、これを却下すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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