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Trademark Appeal Case

商標使用態様の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30003(T2004−30003/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2095756号商標(以下「本件商標」という。)は、「MONSTER」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年12月12日に登録出願、第11類「電線、ケーブル」を指定商品として、同63年11月30日に設定登録され、その後、平成11年1月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

第2 請求人の主張の要旨

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1ないし第18号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品「電線、ケーブル」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

2 第1弁駁

(1)商標法第50条第1項における登録商標の使用といえるためには、登録商標と同一の商標を使用していることが必要であり、登録商標に類似する商標の使用は、登録商標の使用と認められるものでないことは当然である。

したがって、本件商標の使用に際しては、原則どおり、本件商標単独での使用こそが「登録商標の使用」と解するべきである。

(2)登録商標の使用については、まず一義的には商標権者自らの我が国における使用がなされなければならない。そのような観点から、乙第1ないし第9号証を参照しても、被請求人自らの使用はされていない。

一方、商標法第50条においては、使用権者による登録商標の使用についても我が国における登録商標の使用として許容されている。

しかしながら、使用権者であると主張するオンキョー株式会社との使用許諾契約は、何ら書証として提出されていない。

(3)乙第1ないし第7号証の使用例には、本件商標である「MONSTER」の単独での使用が全くみられず、本件商標と同一の商標が使用されている例は何ら示されていない。

乙第1号証は、「モンスターケーブルTHXカタログ」の写しであり、乙第2ないし第4号証は、乙第1号証の中から抜粋したものと解される。

しかして、乙第2及び第3号証をみてみると、カタログ表紙の上方中央部に「M形図形+MONSTER/THX/CERTIFIED」とまとまりよく渾然一体に表されている。

したがって、上記商標中より「MONSTER」の文字部分のみを抽出して、これをもって本件商標の使用であるとする被請求人の主張は到底認められない。

また、乙第2及び第3号証にはアールマーク「(R)」が付されている。

アールマーク「(R)」については、登録商標を表示するものとして、我が国においても広く慣習的に行われていることは周知の事実である。

そして、アールマーク「(R)」が「M形図形+MONSTER/THX/CERTIFIED」に付されている事実よりすれば、当該商標は、一連一体の商標として登録がされていることを示すものであるから、当該商標中の「MONSTER」の語のみを分離抽出したものをもって、本件商標の使用とは認められない。

乙第5号証は、「モンスターケーブル製品カタログ」の写しであり、乙第6及び第7号証は、乙第5号証の中から抜粋したものと解される。

乙第6号証は、中央のケーブルの写真中、矢印が付されているケーブルのプラグ部において、本件商標が使用されていることの証拠として提出されたものと推察される。

しかしながら、請求人が入手した被請求人製品を見てみると、乙第6号証と同様の位置であるケーブルのプラグ部に使用されているのは「MONSTER CABLE」の語であって、「MONSTER」の語単独では使用されてはいない(甲第18号証)。また、乙第5号証のカタログ第6頁の商品番号「BIL250」の商品写真においても明確に「CABLE」の語がみられる。

そうすると、乙第6号証を含む乙第5号証中、商品の写真において「MONSTER」の語がみられるとしても、それは「MONSTER CABLE」の一連の使用態様のうちの一部が見えているにすぎないのであって、これをもって本件商標の使用であるとする被請求人の主張は、何ら客観的な事実に基づくものとはいえない。

(4)乙第8号証では、その上方において「MONSTER CABLE(R)」と一連の構成で使用しているのみであり、これが本件商標の使用として認められるものでないことは明白である。

(5)また、乙第9号証をあげて「なお、乙第8号証における『モンスターDVIケーブル』中の『DVIケーブル』は、ケーブルの種類を表示するものであるので、『モンスター』部分が要部であることは明らかである。」と主張しているが、これは、後半部における「DVIケーブル」の語は識別力がなく、かかる語との組み合わせでの使用という論法を駆使して、間接的に本件商標の使用であるとの主張を行っている。

(6)被請求人は、乙第4、第7及び第8号証をあげて「故に、本件審判の請求前三年以内に日本国内において本件商標が使用されていることは明らかである。」と主張しているが、これらの乙各号証に記載されている使用時期が夫々記載されている時期に発行されたものであることを証明する客観的な証拠は何ら示されていない。

3 第2弁駁

(1)被請求人は、「請求人は、平成16年7月29日付の審判事件弁駁書において、『使用権者であると主張するオンキョー株式会社との使用許諾契約は何ら書証として提出されていない。』と述べているが、被請求人は、2004年1月10日まで効力を生ずると記載されているオンキョー株式会社との間で締結されたアグリーメント(写し)を提出する(乙第10及び第11号証)。」と主張しているが、乙第10及び第11号証によっては、乙第1ないし第9号証における商標の使用に関し、オンキョー株式会社が通常使用権の許諾を受けている証拠とはならない。

(2)乙第10及び第11号証は、オンキョー株式会社が被請求人の製品を日本において販売することに関して締結された契約である。

(3)乙第10ないし第13号証では、オンキョー株式会社による乙第1ないし第9号証における如何なる商標の使用も、第3者による使用にすぎず、被請求人の通常使用権者としての使用であることは未だ証明されていない。

4 むすび

以上のように、本件商標「MONSTER」は、審判請求の登録前3年以内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもその指定商品「電線、ケーブル」について使用をしていないことは明白である。

第3 被請求人の答弁の要旨

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1ないし第13号証を提出している。

1 第1答弁

(1)被請求人は、本件商標を本件審判請求に係る指定商品「ケーブル」(以下「使用商品」という。)に使用している(乙第1ないし第9号証)。

なお、乙第1号証において、本件商標の下段に表示されている商標「THX」は、乙第3及び第5号証の裏表紙にも記載されているように、ルーカスフィルム社の商標である。故に、乙第1号証に表示されている商標は「MONSTER/THX」という1つの商標ではなく、上段に本件商標を表示すると共に、下段にルーカスフィルム社の商標「THX」を表示したものであることは明らかである。

また、被請求人は、本件商標及び商標「モンスター」を使用商品に使用している(乙第8号証)。

なお、乙第8号証における「モンスターDVIケーブル」中の「DVIケーブル」は、ケーブルの種類を表示するものであるので、「モンスター」部分が要部であることは明らかである(乙第9号証)。そして、当該商標「モンスター」は、商標法第50条第1項かっこ書きの規定により、「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」に該当するため、商標「モンスター」の使用は本件商標の使用とされる。

(2)乙第1、第5及び第8号証として提出した被請求人の製品カタログには、発売元として「オンキョー株式会社」と記載されているが、オンキョー株式会社は、被請求人から通常使用権を受けている。そして、登録されていない通常使用権者による登録商標の使用も商標法第50条における登録商標の使用に該当することを付言する。

2 第2答弁

請求人は、平成16年7月29日付の審判事件弁駁書において、「使用権者であると主張するオンキョー株式会社との使用許諾契約は何ら書証として提出されていない。」と述べているが、被請求人は、2004年1月10日まで効力を生ずると記載されているオンキョー株式会社との間で締結されたアグリーメント(写し)を提出する(乙第10及び第11号証)。

3 むすび

以上、商標権者及び通常使用権者が、使用商品について、本件商標を使用していることは明らかである。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

オンキョー株式会社が発行する「モンスターケーブル製品カタログ」(乙第5号証)には、「MONSTER CABLE」の文字と商品「ケーブル」の写真が掲載されており、その表紙右肩には「2002.11」の数字が記載されているとともに、その裏表紙左下には「このカタログの記載内容は2002年11月現在のものです。」との記載があり、また、乙第8号証には、「MONSTER CABLE」の文字と商品「ケーブル」の写真及び左下には「このカタログの記載内容は2003年7月現在のものです。」との記載がある。

2 上記の事実から以下判断する。

(1)上記1の製品カタログに記載されている「2002.11」の数字及び年月は、商標「MONSTER CABLE」の商標を付した使用商品の商品カタログの発行年月及びその時点での商品であることを表す年月であり、これが上記商標「MONSTER CABLE」の使用年月と認め得るものであって、これらの年月は、いずれも本件取消審判の予告登録日(平成16年「2004年」2月3日)前3年以内に該当するものである。

(2)さらに、本件商標の指定商品中に「ケーブル」が含まれていること、及び上記製品カタログがいずれも商品「ケーブル」のカタログである事実よりすれば、上記製品カタログ中の「CABLE」の文字は、商品「ケーブル」そのものを表示する語であると認められるものであるから、上記商標「MONSTER CABLE」の使用は、本件商標「MONSTER」と社会通念上同一の商標の使用と認められる。

(3)請求人は、「被請求人と通常使用権者であるオンキョー株式会社との間に通常使用権契約は何ら書証として提出されていない。」旨主張しているが、被請求人が提出した乙第10及び第11号証により、被請求人とオンキョー株式会社との間で、2004年1月10日まで効力を有する、日本国内における被請求人の商品を販売する代理店としての契約を締結していることが認められることから、仮に被請求人とオンキョー株式会社との間に、本件商標についての通常使用権の許諾に関する契約書が存在しないとしても、両者の間には黙示的に、オンキョー株式会社が本件商標の商標権を使用することについて、了解事項があったものと解することができ、オンキョー株式会社は、本件商標の商標権の通常使用権者とみて差し支えないというのが相当である。

(4)そうすると、被請求人は、本件審判請求の登録日である平成16年2月3日前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標をその指定商品中の商品「ケーブル」について、本件商標の通常使用権者によって、使用されていたものといわざるを得ない。

(5)以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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