sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第9097号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年5月22日に登録出願されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その構成中に『POLO』の文字を有するところ、該文字は、米国のデザイナー『ラルフ・ローレン』がデザインした商品を表すものとして、世界的に著名な標章『POLO』又は『Polo』と同一又は酷似し、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品は紳士物、婦人物の被服類をはじめ、日用品や雑貨等広範囲に及んでいることが認められるから、これをその指定商品に使用するときは、前記デザイナー又は前記デザイナーと何らかの関係を有する者の業務に係る商品と商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 引用商標の著名性について

(1)本願商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるか否かについて、当審において証拠調べを行い、平成17年8月25日付け証拠調べ通知書をもって、下記の内容を通知した。なお、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの意見、応答もない。

(a) 雑誌・新聞等

(ア)昭和53年7月20日株式会社講談社発行「男の一流品大図鑑」(184頁)及び

(イ)昭和58年9月28日サンケイマーケティング発行「舶来ブランド事典『’84 ザ・ブランド』」(208頁)の記述によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には、婦人服デザインにも進出し、アメリカのファッション界では最も権威のある「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、世界的に知られるようになった。

そして、上記記述には、「Polo」及び「by RALPH LAUREN」の文字並びに「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形を組み合せた標章が用いられ、これらの標章は、単に「ポロ」と略称されて紹介されている(以下これらの標章を「引用商標」という。)。

(ウ)昭和55年4月15日株式会社洋品界発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項(123頁、221頁)、「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項(195頁、224頁、281頁)及び

(エ)昭和59年9月25日ボイス情報株式会社発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項(223頁)の記述並びに

(オ)昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事(5頁)によれば、我が国では、西武百貨店によって、昭和51年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売が開始されたことが認められる。

ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、

(カ)昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告(6頁)、前出「男の一流品大図鑑」(184頁)、

(キ)昭和54年5月20日株式会社講談社発行「世界の一流品大図鑑’79年版」(147頁)、

(ク)昭和53年9月20日株式会社チャネラー発行「別冊チャネラー79−9/ファッション・ブランド年鑑’80年版」(61頁、130頁)、

(ケ)昭和55年11月20日株式会社講談社発行「男の一流品大図鑑’81年版」(12頁)、

(コ)昭和55年5月25日株式会社講談社発行「世界の一流品大図鑑’80年版」(131頁)、

(サ)昭和56年6月20日株式会社講談社発行「世界の一流品大図鑑’81年版」(87頁)、前出「舶来ブランド事典『’84ザ・ブランド』」(208頁)、

(シ)昭和60年5月25日株式会社講談社発行「流行ブランド図鑑」(63頁)のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」及び「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

(ス)平成3年株式会社研究社発行「英和商品名辞典」には、「POLO ポロ」の見出し語の下に「⇒Polo by Ralph Lauren」との記載があり、「Polo by Ralph Lauren ポロバイラルフローレン」の見出し語の下に「米国のデザイナーRalph Lauren(1939−)がデザインした紳士物衣料品。通例Poloと略されて呼ばれる。・・・1976年に紳士服でCoty賞を受賞、翌年には婦人服で受賞。・・・1974年の映画The Great Gatsby(『華麗なるギャッツビー』)の衣裳を担当して、人気が急上昇した」と記載されている。

(セ)平成11年1月10日株式会社小学館発行の「ランダムハウス英和大辞典」には、「polo」の見出し語の下に「3《商標》ポロ:米国のRalph Lauren デザインによるバッグなどの革製品。4ポロ⇒POLO BY RALPH LAUREN」の記載があり、「Polo by Ralph Lauren」の見出し語の下に「《商標》ポロバイラルフローレン:米国のR.Laurenデザインのメンズウエア」と記載されている。

(b)ラルフ・ローレンの「Polo」、「POLO」及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形等を模倣したブランド商品が市場に出回り刑事摘発を受けた旨が、例えば、

(ソ)1989年(平成元年)5月19日付朝日新聞(東京版)夕刊(16頁)、

(タ)1992年(平成4年)9月23日付読売新聞(東京版)朝刊(16面)、

(チ)1993年(平成5年)平成5年10月13日付読売新聞(大阪版)朝刊(30頁)、

(ツ)1999年(平成11年)6月8日付朝日新聞(西部版)夕刊(6頁) 、

(テ)2000年(平成12年)5月30日付朝日新聞(名古屋)夕刊(11頁)、同日付読売新聞(中部)朝刊(39頁)、同日付毎日新聞(中部)夕刊(7頁)、同日付同新聞(東京)夕刊(9頁)、同日付共同通信、

(ト)2000年(平成12年)5月31日付読売新聞(中部)朝刊(38頁)に報道されている。

(c)ラルフ・ローレンの「Polo」、「POLO」、「馬に乗ったポロ競技のプレーヤー」の図形等について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決として、東京高裁平成2年(行ケ)183号(平成3.7.11言渡)、東京高裁平成11年(行ケ)250号、同251号、同252号、同267号、同290号(以上、平成11.12.16言渡)、同268号、同289号(以上、平成11.12.21言渡)、同288号(平成12.1.25言渡)、同298号、同299号(以上、平成12.2.1言渡)、同333号、同334号(以上、平成12.3.29言渡)、平成12年(行ケ)5号(平成12.9.28日言渡)、同140号(平成12.10.25言渡)、同112号(平成12.11.14言渡)、同162号(平成13.2.8言渡)、平成11年(行ケ)420号(平成13.4.19言渡)、平成13年(行ケ)90号(平成13.7.10言渡)、同119号(平成13.11.29言渡)、平成16年(行ケ)33号(平成16.5.27言渡)等がある。

(d)東京高等裁判所 平成11年(行ケ)253号判決に対して、平成13年7月6日に最高裁第二小法廷は、「原判決を破棄し、被上告人の請求を棄却する」旨の判決をした。

(2)上記(ア)〜(ト)の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として、遅くとも、本件商標の登録出願時までには、既に、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

2 商品の出所混同のおそれについて

本願商標は、別掲のとおり、二重輪郭線内にポロ競技のプレーヤーの図形を描き、その輪郭線沿いに上方にゴシック体で書した「POLO AMERICA」、下方に「PROFESSIONAL POLO」の欧文字を両文字の間に中黒を配して書してなるものであるところ、これらの文字と図形とは常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事由が存するものとも認められないものである。

そして、該「POLO AMERICA」及び「PROFESSIONAL POLO」の欧文字部分は、我が国の需要者間に特定の観念を生じさせるものとして知られているものとも言い得ないものであるから、これらの文字を常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の事由も認められない。

また、本願商標と引用商標の図形部分は、描き方は相違するが、共にポロプレーヤーを表してなるものである。

さらに、本願商標の指定商品は、引用商標を使用している被服類を含むファッションに関連する商品である。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、前記した実情から、その構成中の「POLO」の文字及びポロ競技のプレーヤーの図形より、前記の周知、著名な引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

なお、請求人は、(1)本願商標は、イギリスの実在するポロクラブの名称であり、日本での「ポロ・ブランド」は、もともと「POLO」の高貴で優雅なイメージを利用したにすぎず、それらのイメージは、米国や英国で実在する「ポロ・クラブ」が、長年にわたり築き上げたものである、(2)「POLO」は、スポーツ名にすぎず、テニス、ゴルフ等と同様に一般用語として認められるべきである、等と主張しているが、本願商標が我が国において広く知られているというような特段の事実は認められず、また、本願商標構成中の文字部分が、一体不可分のものとしてのみ理解されるものではないし、普通名詞となっている語についても,それが特定企業等の商品の出所を表示する標章として使用され、その標章ないしその標章を付した商品の周知を図るための宣伝広告とともに、販売拡大のための企業努力が継続されることにより、その語が特定企業等の商品の出所を表示するものとして周知著名性を獲得するに至ることはよくあるところであり、前記のとおり、引用商標が、ラルフ・ローレンのデザインに係るファッション関連商品に付される商標としてその取引者、需要者の間に広く認識されているというべきであるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標の「POLO」の文字部分に注目し、ラルフ・ローレンの著名な引用商標を想起、連想するものといえるから、請求人の主張は、採用することができない。

3 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であり、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。