1 本願商標
本願商標は,「ユビキタス引越」の文字を標準文字で書してなり,第39類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成15年11月5日に登録出願され,その後,指定役務については,当審における平成17年1月26日受付の手続補正書により,第39類「引越に伴う貨物自動車による輸送,引越に伴う軽車両による輸送,引越に伴う貨物のこん包,引越に伴う貨物の輸送の媒介,引越に伴う寄託を受けた物品の倉庫における保管,引越に伴う倉庫の提供,引越に伴うコンテナの貸与」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は,「本願商標は,『至るところに存在する』の意を有するラテン語から転じて,『パソコンや携帯電話,電化製品などがネットワークで結ばれ,どこにいても情報をやり取りできる環境』を指称し,『ユビキタスネットワーク,ユビキタス社会』等のように,近年普通に使用されている『ユビキタス』の文字と,『引越』の文字とを一連に『ユビキタス引越』と書してなるところ,全体として『ユビキタス環境を利用した引越』ごとき意味合いを容易に認識させることから,これをその指定役務に使用しても,単に役務の質,用途を表示してなるにすぎないものと認める。したがって,この商標登録出願に係る商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。」として,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,上記のとおり「ユビキタス引越」の文字を標準文字で書してなるところ,その構成中の「ユビキタス」の文字は,「至るところに存在する」の意味を有するラテン語でから転じて,「インターネット等のネットワークに,いつでも,どこからでもアクセスできる環境」の意味を有する外来語として,一般に知られていることから,これを「引越」の語と結合した構成からなる本願商標が,原審説示の意味合いを暗示させるものであるとしても,これが,直ちに特定の意味合いをもって親しまれ,あるいは,特定の役務の質,特性等を具体的に表示するものとして,一般に理解されているとは認め難いところである。
また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定役務を取り扱う業界において,該文字が役務の質等を表示するものとして,取引上普通に使用されていると認めるに足りる資料を発見することもできなかった。
してみれば,本願商標は,役務の質を表すものとして認識され得るものでなく,全体をもって,一種の造語を表したものとして認識されると見るのが相当であって,これをその指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を十分に果し得るものといわなければならない。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。