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Trademark Appeal Case

商標の部分使用の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31562(T2004−31562/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4418650号商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」については,その登録は取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4418650号商標(以下「本件商標」という。)は,「Chemical」の欧文字を標準文字で横書きしてなり,平成11年7月16日に登録出願,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,レコード,金銭登録機,現金自動預金支払機」を指定商品として,同12年9月22日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求める,と申し立て,その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証(甲第2号証については,参考資料として扱う。)を提出した。

(1)理由

本件商標は,その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者,通常使用権者,質権者のいずれもが使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録を取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人が答弁書において主張する使用標章の構成態様から,「Chemical」の文字部分のみを取り出して,これを独立した取引指標として認識しなければならない特段の理由はない。使用標章は,一連一体の商標として「ケミカルプロセスインダストリワン」の称呼のみが生じるのに対し,本件商標は「ケミカル」の称呼のみが生じること明らかであり,本件商標と使用商標が社会通念上同一と認められる余地はない。

また,乙第1号証の標章に,商品の用途を示すときに用いられる「向け」という文字が使用されていることから,該「Chemical」の文字部分は,商品「パッケージソフト」の「用途」を普通に用いられる方法で表示するものであって,商標としての使用ではない。

a 本件商標と乙第1号証表紙中央部の使用標章(以下「第1使用標章」という。)について

本件商標は,「ケミカル」の称呼のみを生ずるものである。

これに対し,第1使用標章は,「Chemical」,「Process」及び「Industry/1」の文字を各1文字程度の空白を介して横一列に表してなるが,これら各文字は,バランスよく配置されているものであり,視覚上,主従・軽重の差なく一体に羅列されたものと看取されるものであり,「化学プロセス産業向け基幹業務パッケージ」と記されていることから,第1使用標章「Chemical Process Industry/1」は,「化学プロセス産業向けのパッケージソフト」の意味合いの生ずる新たな造語を形成しているものである。

したがって,第1使用標章は,上述のような外観及び観念よりなる造語であって,これよりは,「ケミカルプロセスインダストリワン」の称呼のみを生ずるものである。

b 本件商標と乙第1号証表紙左上方部の使用標章(以下「第2使用標章」という。)について

第2使用標章は,六角形の図形の中の上部に小さく「Chemical」の文字を,その下部に少し大きく「Process」及び「Industry」の各文字を上下2段に配置し,その右部にさらに大きく「/1」の文字を配置した構成よりなところ,非常に整った形状の六角形に囲まれている構成よりなるものであるから,需要者,取引者に,全体として非常にまとまり良い図形であると看取され,文字と図形とが一体となった図形としてのみ識別力を有するものである。

したがって,第2使用標章の図形中に小さく表された「Chemical」の文字部分のみをもって,自他商品識別標識として機能するものでないこと明らかであり,第2使用標章と本件商標とが社会通念上同一の商標であるとはいえない。

3 被請求人の答弁

被請求人は,答弁の趣旨を,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と申し立て,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし同第3号証を提出した。

被請求人(商標権者)は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を化学業向け基幹業務のソフトウェアプログラムに係る商標として使用している事実がある(乙第1号証)。

すなわち,該カタログには,表紙の中央部に「Chemical」の文字が「Process」,「Industry」,「/」及び「1」の単語と並べて表示されているが,各単語の間にはスペースがあり,それぞれ分離して認識される構成となっていることから,「Chemical」の部分は,この部分で独自に自他商品の識別標識として機能しているととらえられる。

さらに,表紙の左上方部には,6角形の図形の中に,各単語が上下3段に配置されており,「Chemical」の語が他の後に比べ,小さく書かれていることからも,明らかに 「Chemical」の部分は,独自に自他商品の識別標識として機能している。

そして,この「Chemical」は,本件商標と同一の称呼,観念及び外観からなるものであることから,本件商標と自他商品の識別標識として,同一の機能を果たしているものと考える。

なお,乙第1号証は,発行年月日が1999年8月であるが,乙第2号証及び同第3号証に示すとおり,本件商標と上記の社会通念上同一の商標が2003年7月14日まで使用されている。

したがって, 乙第1号証に見られる 「Chemical」の表示は, 本件商標と社会通念上同一と認められ,かつ,本件審判請求の登録前3年以内に,本件取消請求に係る指定商品について使用されていることが明らかであり,本件商標は,商標法第50条第1項の規定に該当するものではない。

3 当審の判断

商標法第50条第1項の商標登録取消しの審判にあっては,その第2項において,その審判の請求の登録(本件の場合,平成16年12月22日)前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用していないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。

そこで,被請求人の提出に係る答弁書を徴するに,乙第1号証は,発行年月日が1999年(平成11年)8月の商品カタログ「Chemical Process Industry/1」の写しであり,乙第2号証は,被請求人のWebページ抜粋写しであるが,そこでは,2003年(平成15年)7月15日にある製品名が「GLOVIA/Process C1」に変更したことが認められ,乙第3号証は,被請求人のWebページ抜粋写しであるが,そこでは,商品名称「Chemical Process Industry/1」は,「GLOVIA/Process C1」に変更したことが認められる。

そして,乙第1号証の商品カタログにおける「Chemical」の文字(標章)の使用が本件商標の使用に該当するか否かについて争いがあるので,この点について判断するに,第1使用標章「Chemical Process Industry/1」は,その上部に下線を施した「化学プロセス産業向け基幹業務パッケージ」の文字が存することをあわせ勘案すれば,該「Chemical」の文字は,請求人の言うように全体に「化学プロセス産業向けのパッケージソフト」の意味合い表す記述的な文字の一部を構成しているにすぎないものであって,これに接する取引者,需要者は,これをとらえて自他商品の識別機能を果たすものであるとは認識し得ないものであるというを相当とする。

したがって,第1使用標章における「Chemical」の文字は,本件商標の使用であるといい得ないものである。

また,更に言えば,乙第2号証及び乙第3号証に示された事実は,上記製品の名称が変更されたというにすぎないものであり,取引書類等の展示又は頒布する行為ともいい得ないものであるから,該証拠をもって,商標の使用があったとも認められないものである。

さらに,第2使用標章は,六角形の図形の中の上部に小さく「Chemical」の文字を,その下部に少し大きく「Process」及び「Industry」の各文字をを上下2段に配置し,その右部に更に大きく「/1」の文字を配置した構成よりなところ,商標の要部は,その構成中に幾つあってもよく,小さいからといって要部たり得ないということができず,その構成から,構成中の「Chemical」の文字部分をとらえ,これが自他商品識別標識として機能する場合があるという立場があり得るとしても,該カタログがその要件を満たす平成13年12月22日にさかのぼること2年以上も前のものであってみれば,その期間内に使用されたとする明確な事実を認めることができない。

してみれば,提出に係る全証拠を採用しても,本件商標が請求の登録前3年以内に使用されたことを確認することができないものである。

また,被請求人は,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明していないし,本件商標を使用していないことについて正当な理由があると述べているものでもない。

したがって,本件商標は,その指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」について,第50条第1項の規定により,登録を取り消されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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