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Trademark Appeal Case

商標使用態様の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30019(T2005−30019/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3257306号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3257306号商標(以下「本件商標」という。)は、平成5年7月29日に登録出願、「コントロール」の片仮名文字と「CONTROL」の欧文字を二段に横書きしてなり、第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年2月24日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べた。

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標は、被請求人から使用許諾を受けた株式会社安信商会(以下「商標使用者」という。)が、本件審判請求の予告登録日(平成17年1月26日)前3年以内から現在まで使用中である。

乙第2号証の1ないし3は、商標使用者が製造販売する剣道衣用アンダーウエア(なお、被請求人は、当該商品の使途を「柔道衣用」としているが、前記乙第2号証1ないし3及び乙第3号証によれば、「剣道衣用」の誤記と認められるので、以下「剣道衣用アンダーウエア」という。)の写真で、全体と商標使用部を拡大したものであり、また、乙第3号証は、商標使用者の商品カタログの写しである。

被請求人は、商社或いは生地商を経由して商標使用者へ原料生地を提供しているものであって、乙第4号証は、平成15年12月4日付けの生地商(有限会社桑木商会)から旭化成工業株式会社(なお、平成16年2月27日に一般承継による本件の移転により、その登録名義人が被請求人となっている。)宛の注文変更依頼書(用件:直送先変更の件)であり、「コントロール生地#86048(紺)10番色 12反 下記の通り変更して下さい。」と記載され、さらに、「10反 直送先 名古屋市瑞穂区八勝通3−21−3(株)安信商会」と記載されている。

被請求人と商標使用者の間では、乙第5号証の平成10年12月2日付けの「商品添付物についての確約書」に示すとおり、本件商標を表すラベルを商標使用者の製品に添付することが取り決められている。当該ラベルは、商標使用者が製造販売する製品の数に応じて、商社からの請求を受けて被請求人から商標使用者へ支給される。

乙第6号証は、平成17年2月2日発行の被請求人から商社(高島株式会社)宛の「ラベル類請求書(写)」であり、単価、金額等の企業秘密に当たる項目が空白となるようにコピーしてあるが、送付先欄には、本件商標と商標使用者が記載されている。すなわち、品名と送付先とが二段表示され、下段に「アンシンショウカイ」と片仮名表記され、また、商品の出荷日は「050118」とあるように、平成17年1月18日である。

乙第5号証及び乙第6号証からは、少なくとも、平成10年12月2日以降現在に至る迄、被請求人から商標使用者へ本件商標を表すラベルが支給されていることがわかる。

乙第7号証は、当該ラベルであり、乙第2号証の1ないし3の写真中で写されているラベルと同じものである。

乙第5号証及び乙第7号証のラベルよりは、被請求人の素材を宣伝表示するものであることが読み取れることを否定するものではないが、商品及び商標に接した消費者からは、剣道衣用アンダーウエアなる商品の出所識別機能の役割を担い、商品の品質保証、広告宣伝機能を果たしている商標とも受け取られ得るものである(商標法第2条第1項第1号)。

そして、乙第2号証の1ないし3又は乙第7号証の使用態様は、「CONTROL」の欧文字と「コントロール」の片仮名文字とが本件商標と上下が逆転し、欧文字と片仮名文字の大きさは、前者が極端に大きく表示され、乙第3号証では、「CONTROL」の欧文字と「コントロール」の片仮名文字が横方向に併記されている。

しかしながら、この程度の変更は、この業界では、通常行われている程度のものである。

以上より、被請求人から本件商標の使用許諾を受けた商標使用者が、本件審判請求の予告登録日(平成17年1月26日)前3年以内に本件商標と社会通念上同一性のある商標を、本件商標の指定商品に使用中であることは明白である。

よって、本件商標は、商標法第50条の規定に該当するものではないから、本件審判請求は、理由がない。

第4 請求人の弁駁

請求人は、上記第3の答弁に対し、弁駁していない。

第5 当審の判断

1 被請求人は、本件審判請求に係る指定商品中の「剣道衣用アンダーウエア」(シャツ又はパンツ)について、本件商標を使用していると主張しているので、この点について検討する。

(1)乙第2号証1ないし3は、株式会社安信商会(以下「安信商会」という。)が製造販売する剣道衣用アンダーウエアの商品写真(撮影日:平成17年3月10日)である。該商品には、ラベル(以下「本件ラベル」という。)が付されており、このラベルは、乙第7号証に示されているラベルと同一と認められる。

乙第7号証は、ラベルの見本であるところ、表面には、上から「CONTROL」、「コントロール」、「旭化成のせんい」、「使用」の各語が、それぞれ記載され、裏面には、上から「この商品には、旭化成が開発した機能素材<コントロール>に抗菌・防臭加工を施した裏地を使用しています。」、「発汗によるべとつきを防ぎ、快適性を追求した機能素材『コントロール』」及び「更に『コントロール』に抗菌防臭加工を施し、繊維上の細菌の増殖を抑えました。細菌が汗などを分解して発生する不快なニオイを防ぎます。」の各語が記載され、加えて、「製造発売元:株式会社安信商会」、「素材提供:旭化成工業株式会社」と明記し、その責任所在を明らかにしている。

乙第3号証は、「武道具」と表示された安信商会の商品カタログ(2005年版)の写しであるが、該商品カタログの剣道衣用アンダーウエアの項(40頁)には、シャツ及びパンツの写真があり、その左上隅に、上から「旭化成」、「画期的機能素材」、「CONTOROL コントロール」、「アンダーウエア」の各語が、それぞれ記載されている。

(2)乙第4号証は、用件を「直送先変更の件」とする(有)桑木商会から旭化成(株)宛の平成15年12月4日付けFAXの写しであるが、用件内容として、「15.11.11付け注文」、「コントロール生地#86048(組)10番色 12反 下記の通り変更して下さい。」、「10反 直送先 名古屋市瑞穂区・・・ (株)安信商会」、「2反 直送先 足利市葉鹿町・・・ 布武縫製」の各語が、それぞれ記載されている。

(3)乙第5号証は、平成10年12月2日付けの安信商会から旭化成工業株式会社宛の「商品添付物についての確約書」と題する書類の写しであるが、冒頭に、当社は、「貴社から提供を受ける商品添付物(以下『ラベル等』という。)について、以下の事項を確約します。」と記載され、以下の内容を確認することができる。

(ア)ラベル等は素材の宣伝用であり、したがって、製品に関する価格、サイズ等一切の情報を付記しないこと。また、ラベル等に表示されている部分を除き、貴社の商号・ハウスマーク・商標等使用しないこと。

(イ)ラベル等は承認を受けた製品のみに使用すること。また、万一、ラベル表示・添付を誤った場合は直ちに是正し、貴社に報告すること。

(ウ)当社がラベル等を下請業者に支給するときは、相手先から本確約事項と同等の確約を取り、違反の際には連帯して責任を負うこと。

(エ)ラベル等を使用した製品について第三者から、苦情、損害賠償等の請求があったときは、製品の製造または供給者として当社が責任を持ってその解決にあたり、貴社に何らの損害をかけないこと。これによって貴社に損害が生じた場合はこれを賠償すること。

(オ)ラベル等の受け払いは正確に記帳し、貴社の要求があればいつでも使用状況を貴社に報告すること。

(カ)ラベル等を第三者に譲渡、貸与または担保の用に供さないと共に、不要のラベル等を生じたときは、直ちに貴社に連絡し、その措置について貴社の指示に従うこと。

(キ)ラベル等と共に第三者の商標権・意匠権・著作権その他の権利を侵害する恐れのある表示物は使用しないこと。

(ク)ラベル等の使用に関して貴社から依頼・確認等があったときは、それに協力すること。

(ケ)この確約書各条項の一に違反した場合は、貴社からラベル等の支給を取り消されても何ら異議を申し立てず、また、貴社に損害を与えた場合はこれを賠償すること。

(4)乙第6号証は、平成17年2月2日発行の被請求人から高島株式会社宛のラベル類請求書(写し)であるが、品名・送付先欄には、「コントロール SEK」「カ)アンシンショウカイ」と記載され、出荷日「05.01.18」、数量「2000枚」の各語が、それぞれ記載されている。

(5)上記(1)ないし(4)及び被請求人の主張よりすると、被請求人は、安信商会へ「CONTROL」及び「コントロール」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)を使用する機能性素材である生地を販売し、安信商会がその生地を使用して、剣道衣用アンダーウエアを製造し、販売する際に、旭化成工業株式会社と安信商会間の「商品添付物についての確約書」の確約事項に従い、被請求人から支給された本件ラベルを、上記アンダーウエアに付していると認められるものである。

また、当該商品のカタログ中の表示も被請求人の「CONTROL」及び「コントロール」と称する機能性素材を使用したアンダーウエアであることを認識させるものである。

してみれば、本件商標と社会通念上同一と見られる使用商標は、使用商品、すなわち、「生地(素材)」について使用をしているものであって、本件審判請求に係る指定商品中の「剣道衣用アンダーウエア」について使用されていたものということはできない。

2 被請求人の主張について

(1)被請求人は、「本件商標は、剣道衣用アンダーウエアなる商品の出所識別機能の役割を担い、商品の品質保証、広告宣伝機能を果たしている商標である。」旨主張する。

しかしながら、剣道衣用アンダーウエアに付されている本件ラベル及び乙第3号証の商品カタログには、「CONTROL」及び「コントロール」の文字の記載があるものの、本件ラベルは、その表面に、上記文字の下に「旭化成のせんい」「使用」の文字があり、裏面には、「この商品には、旭化成が開発した機能素材<コントロール>に抗菌・防臭加工を施した裏地を使用しています。」、「発汗によるべとつきを防ぎ、快適性を追求した機能素材『コントロール』」等及び「素材提供:旭化成工業株式会社」の記載があり、さらに製造発売元として、「株式会社安信商会」の記載があるものであり、乙第3号証の商品カタログには、「旭化成」、「画期的機能素材」の文字とともに用いられているものである。

加えて、繊維業界においては、需要者のニーズに合った運動用特殊衣服を作るための品質・特性をもつ新素材(織物等)の開発が進められ、繊維メーカーの開発した素材を用いた運動用特殊衣服であることを表示し、そして、同時に当該衣服の製造者又は販売者が、独自の商標を表示した別のラベルや衿ネーム等も付することは一般的に行われていることをも考慮すると、取引者、需要者は、本件ラベルに表示されている使用商標を当該剣道衣用アンダーウエアの生地(素材)に係る商標と認識するものと見るのが相当であるから、剣道衣用アンダーウエアなる商品の出所識別機能の役割を担い、商品の品質保証、広告宣伝機能を果たしている商標であるとする、被請求人の主張は、採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人(商標権者)又は商標使用者は、審判請求に係る指定商品中の「剣道衣用アンダーウエア」について、本件商標の使用をしていたということはできない。

その他、被請求人は、審判請求に係る指定商品のいずれかについて使用をしていた証拠の提出はない。また、本件商標の使用をしていなかったことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを立証したものと認めることができない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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