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Trademark Appeal Case

料理名表示による商標使用認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30570(T2005−30570/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1707270号商標の指定商品中「肉製品」については、その登録は取り消す。
その余の指定商品についての審判請求は却下する。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1707270号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和54年7月17日に登録出願、第32類「加工食料品、但し加工野菜および加工果実を除く」を指定商品として、同59年8月28日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成17年6月1日にされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「食肉」「肉製品」については、その登録は取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

被請求人は、本件商標を、その指定商品中、少なくとも「食肉」「肉製品」については、継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標について専用使用権者は存在せず(甲第1号証)また、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者の何れによっても、その指定商品中の上記商品「食肉」「肉製品」につき使用されていないものである。

よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件審判につき請求の趣旨のとおりの審決を求める次第である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求める。と答弁し、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。

本件商標の内容は、旧第32類で指定商品が「加工食料品、但し加工野菜および加工果実を除く」であるが、本件商標を現在「食肉」には使用していないことから、審査中の書換登録申請(乙第1号証)では、「食肉」は除外している。

しかしながら、「肉製品」については、本件商標に3年以上日本国内において、使用した事実があり、請求人の主張には根拠がないので、この点について説明する。

商標権者が住職を務める神寺不動尊松景院においても、供養の際に提供する料理には「肉製品」を使用しており、提供した「肉製品」を含む料理に「山伏」なる商標を付して「山伏料理」と名付け、山伏料理の名の趣意を付記した懸紙(趣旨書)を膳に付けて提供しており、この「山伏料理」と印刷した懸紙の使用は、明らかに本件商標「山伏」の社会通念上の使用であり、この使用事実を具体的に説明する。

この懸紙(趣旨書)は、乙第4号証に示すように、冒頭に「山伏料理」と大きな文字で記載し、左下の欄に『食肉を食してはいけないという戒はありません』、『膳に「山伏料理」と名前をつけること』と記載されている。

この懸紙を、本件商標を取得以来古くから、当神寺不動尊松景院の法事等の供養に提供する膳に載せて会席に出しているが、この使用状態が乙第5号証の写真(1)(2003年7月3日の法事)である。

この法事に提供する料理である「山伏料理」の献立は、季節やその時々で異なることはあるが、通常、「肉製品」を1品以上添えることが多く、例えば、ベーコンやチャーシューの切落し山菜とを油で炒めたものや、合鴨料理を出すこともあり、2003年7月3日の法事の際の料理を拡大した写真(2)(乙第5号証)であるが、左膳の右上の青模様の皿の料理は、「肉製品」であるチャーシューを切落したものと山菜等を油炒した料理である。ちなみに、写真(1)の右端の人物が、商標権者であり、この「山伏料理」の提供者である。

この「山伏料理」は、後述する「おみき茶屋」が調理したものであるが、乙第6号証−1から7に示すように、この「おみき茶屋」が法事の料理用に大量の「肉製品」を購入していた事実からも明らかである。

ところで、上記の乙第4号証の「山伏料理」を付した懸紙は、当神寺不動尊松景院では古くから用いてきたもので、乙第7号証は、松景院が平成14年5月31日に「山伏料理」を付した懸紙を2000枚購入した時の佐藤印刷所の領収書(写し)である。この領収書の写しは、佐藤印刷所から商標権者(松景院)宛にFaxにて送付されたもの(乙第7号証)であるが、そのFaxの添え書(上段)には、乙第4号証の「山伏料理」を付した懸紙を長年(後述する)「おみき茶屋」に納入してきた旨を佐藤印刷所の代表である「佐藤健」氏が述べている。

これら、乙第4号証の懸紙の左下の料理提供主である「おみき茶屋」及び乙第7号証の領収書の添え書にある「おみき茶屋」は、商標権者が住職をする神寺不動尊会館の一角にある茶屋であり、この「おみき茶屋」は、当茶屋或いは松景院等の法事の場所において、前述の法事の料理に乙第4号証の懸紙を付して提供しているものである。

この「おみき茶屋」(おみき食堂)の経営は、乙第8号証の確定申告書の右上に記載されているように「中村宥子」であるが、同じ乙第8号証の確定申告書の右上の世帯主の氏名の欄の「中村隆福」との記載や、乙第9号証の国民健康保険証の記載からも明らかなように、「中村宥子」は商標権者である「中村隆福」の妻であって、実質的に商標権者である「中村隆福」が関与していることは明らかである。

したがって、請求人も認めているように神寺不動尊松景院の住職である商標権者(被請求人)が、本件商標を「肉製品」を含む法事の供養の料理として実質的に使用しているものである。

以上のように、商標権者は、商品「肉製品」について、本件商標を古くから使用していたことは明らかであり、少なくとも、乙第4号証ないし乙第9号証から、平成14年より今日に至るまで引き続き使用中であることは明らかであるので、本件審判の請求は成り立たない。

4 当審の判断

被請求人は、乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出し、商品「肉製品」について、本件商標を古くから使用していたことは明らかであり、少なくとも、乙第4号証ないし乙第9号証から、平成14年より今日に至るまで引き続き使用中であることは明らかである旨主張している。

そこで、被請求人の提出に係る前記証拠についてみるに、乙第5号証の写真は、「山伏料理」なる料理が料理提供主である「おみき茶屋」より2003年7月3日の法事の際に提供されたときの使用状態であるとされ、その料理の中に確かに「肉製品」といえるチャーシューの切落しと山菜とを油で炒めたものが含まれているが、これは「山伏料理」なる料理に含まれる一部のものであって、これを含めて「山伏料理」として供養に供する膳に出されるものであるから、「おみき茶屋」より提供される「山伏料理」なる料理は、商品ではなく、「飲食物の提供」を内容とする「おみき茶屋」の役務とみるのが相当である。

そして、乙第6号証−1ないし乙第6号証−7の「肉製品」の納品書兼領収証は、前記「おみき茶屋」が国産豚モモチャーシュー等を購入していた事実を示すにすぎない。また、乙第1号証は書換登録申請書、乙第2号証及び乙第3号証は「日本宗教史年表」及び「出羽修験の修行と生活」の一部をそれぞれ示すにすぎない。乙第4号証は「山伏料理」を付した懸紙にすぎず、乙第7号証はその懸紙の印刷代金の領収書を示すにすぎない。乙第8号証及び乙第9号証は確定申告書及び国民健康保険被保険者証をそれぞれ示すにすぎない。

さらに、被請求人は、本件商標を請求に係る商品中「肉製品」に使用していたことについて、前記乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)のほか、何等立証していない。

してみれば、被請求人が提出したいずれの証拠も本件商標がその請求に係る指定商品中「肉製品」について、被請求人により使用されていたことを証明する証拠とはなり得ないものであるから、本件商標は、被請求人により、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中「肉製品」について使用していなかったものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「肉製品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

また、請求に係る商品中「食肉」は、本件商標の指定商品に含まれていないものであって、商品「食肉」についての本件審判の請求は、その取り消すべき対象がない不適法なものであるから、同法第56条において準用する特許法第135条の規定により、これを却下すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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