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Trademark Appeal Case

包装箱の立体商標識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17894号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を別紙に示すものとし、第7類「金属加工機械器具」および第8類「手動工具,手動利器」を指定商品として、平成9年9月1日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、その構成中の立体的形状の部分が直方体の形状からなるものであるところ、各種の包装箱や商品の形状として直方体を基調とした形のものが普通に用いられている実情を勘案するならば、直方体は極めて簡単で、かつ、ありふれたものと言わざるを得ないものであり、また、その表面の一部を黒色で塗って色分けしている点についても、美観の向上などのために包装箱でも種々の色付け又は色分けがなされていることを踏まえるならば、その種のひとつ程度と認識されるにとどまるものであることから、結局、これをその指定商品に使用したときは、需要者をして、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」との理由で本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用するものを登録する立体商標制度を導入した。

立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)に商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」30頁においても「3.(1)立体商標制度の導入 ▲3▼需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。

(2)これを本願についてみるに、本願商標の構成は別紙に示すとおり、出願に係る商標を7つの方向から表してなり、全体として直方体からなる包装箱と認められるところ、ここに表された図柄は、各側面を直線をもって二色に塗り分けてなるにすぎず、これが自他商品識別標識としての機能を発揮させると認められるほどの特徴を有する図柄とはいえないものであり、該図柄は包装箱に普通に施される範囲のものと認識されるとみるべきであって、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は単に指定商品に係る包装箱の形状を表示したものと認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

(3)請求人は「商品の包装箱の表面に表された模様の具体的配置が識別標識として認識されることはよくあり、問題とすべきはその外観に識別力があるか否かであって、それが美感を起こさせても、その故をもって登録を拒むことはできない。本願商標は、その六面の模様の相互関係、および、一面の特徴をもって充分に識別標識として機能する。」旨主張している。

しかしながら、本願商標に施された図柄は、前記認定のとおり、普通に施される範囲のものと認識されるというべきであるから、請求人の主張は採用できない。

なお、商品等の包装の形状であっても、使用により自他商品の識別力を取得する場合があり、そのときに、識別力を認めて登録することは前記(1)で述べたとおりであるが、請求人は、そのことを示す書証を示してはいない。

したがって、本願商標は、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章というべきである。

おって、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定しているが、同法第3条は、自他商品・役務の識別力についての登録要件に関する条項であって、同第3号は、同第6号の例示的規定と解されるものであり、第3号に該当するものもそもそも需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、当審において本願商標を同法第3条第1項第3号に該当すると判断したが、請求人には既に意見(自他商品の識別力の有無について)を述べる機会が与えられているから、あらためて拒絶の理由を通知することなく判断した。

4 結論

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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