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Trademark Appeal Case

「ドライルーム」の普通名称性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18573号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ドライルーム」の片仮名文字を横書きしてなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,エレベーターの修理又は保守,化学機械器具の修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,測定機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,貯蔵槽類の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,電動機の修理又は保守,塗装機械器具の修理又は保守,土木機械器具の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,廃棄物圧縮装置の修理又は保守,廃棄物破砕装置の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電器の修理又は保守,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,理化学機械器具の修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,ガス湯沸かし器の修理又は保守,浴槽類の修理又は保守,建築物の外壁の清掃,し尿処理槽の清掃,貯蔵槽類の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,土木機械器具の貸与,床洗浄機の貸与」を指定役務として、平成8年12月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、乾燥した部屋の意味合いを認識させる『ドライルーム』の文字を普通に書してなるものであり、これをその指定役務中、乾燥室(倉庫)の建築工事等の上記文字に照応した役務に使用しても、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記に示した構成よりなるものであるところ、その構成中の「ドライ」の文字部分は、「乾いた、乾燥した」等を意味する英語「DRY」の表音として、また、「ルーム」の文字部分は、「へや」等を意味する英語「ROOM」の表音として、わが国においてよく知られているものであり、上記意味をもって日常的に使用されているものであるから、本願商標は、「ドライ」と「ルーム」の2語を結合したと容易に理解されるものであり、全体として、「乾燥したへや、湿気のない部屋」なる意味合いを無理なく想起させるものとみるのが相当である。

そして、建築関連分野においては、スキー、スケート客などを主として対象にした宿泊施設においては、雪や氷などで湿った、スキー、スケードボード、あるいは衣類等を乾かすための施設が備えられている所も少なくなく、このような設備を「ドライルーム」と称している事実があり、さらに、近時、一般住宅において、浴室の天井部取り付けたダクトから吹き出す温風で、浴室内に干した洗濯物を乾かすシステムを設置する事例が多いことは、例えば、集英社発行「imidas’99」(680頁)より明らかであり、このような乾燥室を「ドライルーム」と称している事実も存在する。

一方、産業用空調機器販売、もしくは設置工事等の分野においては、例えば、株式会社オーム社、平成10年7月25日発行「図解 空調・給排水の大百科」によれば、「リチウムイオン電池の製造室や種々の試験を行う環境試験では,超低湿度の作業空間が必要となるが,この超低湿度の室をドライルームという.現在では,露天温度−50°C程度のドライルームも実用化されている.」(140頁欄外)なる記載が認められ、これよりすると、「ドライルーム」の語は、「超低湿度の室」を意味するものとして使用されていることが認められる。

また、例えば、1998年9月25日付日刊工業新聞(12頁)には、「露天がマイナス六十度Cのドライルームを・・・」の記載が認められ、その他、1997年8月1日付化学工業日報(8頁)、1998年12月25日付日本経済新聞(地方/東北)などの記事においても、「ドライルーム」の語が上記した「超低湿度の室」と同様な意味をもって使用されていることが認められる。

上記実情よりすると、本願商標を建築工事及びこれに付帯する各種工事、建築設備の運転・点検・整備等について使用した場合は、これに接する一般需要者は、本願商標自体の有する意味合い及び住宅等建築分野における実情から、「乾燥室」に関する工事等を表したと容易に理解するというのが相当であり、また、電子・電気機器、光学機器、薬品、食品等を製造する工場等を対象とした取引分野においては、その需要者は、単に「乾燥室」に関する工事等を表したと理解するにとどまらず、「ドライルーム」と称する「超低湿度の室」に関する工事等を表したものとも理解するとみるのが相当であって、自他役務の識別標識たる商標としては認識し得ないものというのが相当である。

してみると、本願商標は、これをその指定役務中、「建築工事及びこれに付帯する各種工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」について使用しても、「乾燥室、もしくは超低湿度室に関する役務」の意をもって、役務の質(内容)を表示するにすぎないものであり、前記役務以外の役務に使用したときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、上記条文に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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