Trademark Appeal Case
地名と普通名称の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−18266(T2004−18266/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第30類「ラスク」を指定商品として、平成15年7月22日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4042428号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成7年11月2日に登録出願、第30類「菓子及びパン,即席菓子のもと,アーモンドペースト」を指定商品として同9年8月15日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、「六甲」の文字を漢字で「ラスク」の文字を片仮名で「六甲ラスク」と書してなるところ、全体として、熟語的な意味合いを生ずるものともいえないものであり、これが常に一体のものとしてのみ理解されるとする格別の理由は見出し難いものである。
そして、その構成中の「ラスク」の文字部分は、本願の指定商品の普通名称であって、「ビスケットの一種。パンを薄く小さく切り、卵白と混ぜた粉砂糖を塗って再び焼いたもの。」を意味する語として一般に理解されているものである。そうすると、本願商標がその指定商品である「ラスク」に使用された場合、これに接する取引者、需要者は、後半の「ラスク」の文字部分が、商品の普通名称を表示する語と認識、把握し、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは、前半の「六甲」の文字部分にあるものと理解するとするのを相当とする。
ところで、簡易迅速を旨とする商品取引の場にあって、取引者、需要者は、その商品に付された商標の商品識別の機能を有する部分を適宜抽出し、その称呼を簡略化して取引に資する場合があることは経験則上明らかなところであるから、本願商標は、該「六甲」の文字部分より、単に「ロッコウ」と略称して取引される場合も少なくないものといえ、また、該文字部分は「兵庫県南部、六甲山・六甲山地」の略称と認められるから、「兵庫県南部、六甲山・六甲山地」の観念を生ずるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ロッコウラスク」の一連の称呼を生ずるほか、「六甲」の文字部分に相応して「ロッコウ」の称呼をも生ずるものであり、また、「兵庫県南部,六甲山・六甲山地」の観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「ROKKO」の文字を上段に「Rokko」の文字を中段に「六甲」の文字を下段にそれぞれ横書きしてなるものであり、該文字に相応して「ロッコウ」の称呼及び「兵庫県南部,六甲山・六甲山地」の観念を生ずるものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、「ロッコウ」の称呼と前述の観念を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれているものと認められるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。
なお、出願人は、過去の審決例及び登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきものである旨述べているが、それらは、出願人の略称や需要者に広く認識されているものである等、取引の実情よりみて判断された事例や、「六甲」の文字と指定商品の普通名称よりなるものとは言い難い文字との結合よりなる商標に関する事例であって、いずれも本件とは事案を異にするものである。
また、地名と指定商品の普通名称との結合よりなる商標が登録されている例も挙げているが、それらは、当該商標がその指定商品との関係において、全体として自他商品の識別力を有するものであるとされた事例であるから、そのことをもって、本願商標は一連の称呼のみが生ずるものであるとすることはできない。
さらに、商標法第4条第1項第11号は、当該出願の日前の出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その指定商品又はこれらに類似する商品について使用をするものは商標登録を受けることができない旨規定するものであるから、たとえ出願人が引用商標より先に出願した類似の登録商標を所有しているとしても、そのことをもって直ちに本願商標が同号に該当しないものであるとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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