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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30043(T2005−30043/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4531065号商標(以下、「本件商標」という。)は、「D’or Homme」の欧文字を横書きしてなり、第25類「洋服、コート、セーター類、ワイシャツ類、靴下、スカーフ、手袋、ネクタイ、マフラー、靴類」を指定商品として、平成13年3月1日に登録出願、同年12月21日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べた。

(1)被請求人は、本件商標を、継続して3年以上日本国内において、その指定商品について使用をしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められ商標を現在に至るまで継続的に使用していると述べ、かかる使用事実を立証するため、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。

しかしながら、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第4号証は、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用をしたことの証拠というには不十分であり、また、乙第4号証に見られる商標については、商標法第50条第1項にいう社会通念上同一の商標の使用といえるものではない。

(ア)乙第1号証は、2003(平成15)年4月28日付けの朝日新聞夕刊に掲載された出願人の全面広告(写)であり、それには、本件商標と同一視し得る商標が、当該広告の左上部に「阪急が生地選びから縫製までプロデュース。」の文字とともに付されている旨を、被請求人は主張する。

しかしながら、当該商標は、いかなる商品又は役務の商標として使用されているか、すなわち、いかなる商品又は役務の出所標識として機能しているかが明確ではなく、少なくとも、本件商標の指定商品中のいずれかの商品の出所標識として、一見して機能しているといえるものではない。

この点、当該商標とともに使用されている「阪急が生地選びから縫製までプロデュース。」の文字からすれば、当該商標は、「スーツの生地」についての商標、又は「縫製サ−ビス」についての商標といえる場合があるかもしれないが、本件商標の指定商品中のいずれかの商品の商標といえるものではない。

乙第2号証は、被請求人の主張によれば、2003年(平成15年)4月ないし5月に、阪急電車等電車内で使用されたとする車内広告(写)であるが、上記と同様、乙第2号証に付されている使用商標は、その指定商品中のいずれかの商品の商標といえるものではない。

以上より、乙第1号証及び乙第2号証は、いずれも本件商標をその指定商品に使用しているとはいえず、本件商標の使用の事実を何ら立証するものではない。

(イ)乙第3号証は、紳士服が撮影された写真であり、写真撮影日を平成17年2月28日と記載し、撮影場所を被請求人の代理人の事務所の所在地とし、弁理士を撮影者とするものである。

当該写真には、確かに本件商標と同一視し得る商標「D’or Homme」のタグが紳士服の裏地に縫い付けられている様子がうかがえる。

しかしながら、当該写真撮影日は、平成17年2月28日であるところ、この日付は、本件取消審判の請求の予告登録日(平成17年2月1日)よりも後であることは明らかであり、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標の使用をしたことを何ら立証するものではない。

(ウ)乙第4号証は、株式会社リオンドールが、紳士服用の「仕様書」として作成したとするものであり、当該紳士服の裏地に「ドールオム」のネーム位置が記載されている。

しかしながら、乙第4号証は、単なる「仕様書」にすぎず、本件商標をその指定商品に使用していることを何ら立証するものではない。

すなわち、具体的な商品の出所を表示するものとして使用されていない段階の「仕様書」において、「ドールオム」のネームが記載されていることのみをもって、商標の使用とするべきではない。

また、本件商標の構成は、「D’or Homme」であるのに対し、乙第4号証に見られる使用商標は、「ドールオム」の片仮名文字のみからなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標の使用とはいえない。

さらに、乙第4号証の「株式会社リオンドール」なる会社が、本件商標の専用使用権者及び通常使用権者であるかどうかについても、被請求人は、その関連性を明確にしていない。

よって、乙第4号証も本件商標の使用事実を立証するものではない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

(1)被請求人は、本件取消請求に係る指定商品中の商品「スーツ」について本件商標を使用している。

乙第1号証は、2003年(平成15年)4月28日付けの朝日新聞夕刊に掲載された被請求人の全面広告である。その全面広告の左上に本件商標が付されており、商品「スーツ」の写真や価格等が、広告面のほぼ半分のスペースにわたって掲載されている。

当該広告に掲載された本件商標は、商標権者の店舗内、すなわち、大阪の阪急百貨店内で上記商品が販売されている旨を、広告中で明示している。

乙第2号証は、同時期に使用された電車の車内広告である。本件商標は、広告の下部中央付近に付されている。

この広告は、2003年(平成15年)4月29日〜5月6日のバーゲン期間中、阪急電車等の車両で用いられていたものであり、前記新聞広告と、バーゲンの日付と曜日、場所、内容が同じであるので、使用時期が2003年4月〜5月であることは明確である。

乙第2号証は、東洋紙業株式会社(大阪市浪速区芦原1丁目3番18号)により、2003年4月に作成されたものである。

乙第3号証は、「スーツ」と、これに付された本件商標の写真である。

乙第4号証は、「スーツ」の仕様書(写)である。ネーム(本件商標)の縫いつけ位置が指示されている。その記載から、株式会社リオンドールが、百貨店用に2005年1月20日に作成したものであることがわかる。上記仕様書(写)の右端のファックス送信データ(発信元)の印字により、百貨店が「阪急百貨店」、すなわち、被請求人であることがわかる。書類の性質上、商標は正確に記載されていないが、商標が商品に付されて使用されている事実を少なくとも間接的に証明しているものと考える。

乙第1号証ないし乙第3号証に付されている商標「D’or Homme」は、本件商標とほぼ同一の態様であり、社会通念上同一の範囲に属していることは明らかである。

よって、本件商標は、商標権者により、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その取消請求に係る指定商品中の商品「スーツ」について使用をしている事実は明らかである。

4 当審の判断

被請求人提出に係る乙第1号証によれば、そこには、2003年(平成15年)4月28日発行の朝日新聞夕刊7頁に全面広告として、請求人の販売に係る「紳士スーツビッグバーゲン」の開催(平成15年4月29日〜同年5月6日、大阪・うめだ、阪急・7階催場)の記事を確認することができる。

その広告記事中の、左上には、本件商標「D’or Homme」の文字及び「阪急が生地選びから縫製までプロデュース」との広告記事があり、また、広告記事中央部には、商品「スーツ」の写真が左右に大きく掲載され、併せて、商品価格(¥28,000)も明示されている。さらに、商品販売に付随すると見られる「すそ上げ2着でも、即日仕上げ」「スーツを買って当てよう!」等のフレーズも確認することができる。

次に、乙第2号証は、電車の中吊り広告と認められるところ、その中央部下段に記載されている、請求人の販売に係る「紳士スーツビッグバーゲン」の開催日、販売場所、商品「スーツ」の写真の柄及び商品価格等は、いずれも、乙第1号証に掲載されている新聞全面広告の内容とほぼ同一視でき、その使用年は特定できないとしても、乙第2号証は、その記載内容からして、乙第1号証と同時期に使用をされていたものと推認されるところである。

そして、乙第1号証の使用年及びその使用時期は、前述のとおり、本件取消審判の請求の予告登録日(平成17年2月1日)前3年以内の平成15年4月28日であり、また、その使用商品は、その取消請求に係る指定商品中の「紳士服」に属する「スーツ」と確認し得るところである。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、取消請求に係る指定商品中の「スーツ」について使用をされていたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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