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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30542(T2005−30542/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1147808号商標(以下、「本件商標」という。)は、「三輪の緒環」の文字を横書きしてなり、第32類「そうめん、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和47年6月17日に登録出願、同50年8月25日に設定登録されたものである。その後、三回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成18年2月22日に第29類、第30類、第31類及び第32類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品とする書換登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、添付書類として「検査規約」を提出した。

(1)請求理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品についての登録商標の使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

(ア)被請求人は、本件商標は通常使用権者「株式会社マル勝高田商店」が「そうめん」について継続して使用していると述べているが、両者間の通常使用権許諾契約書は、提出されていない。また、被請求人が、通常使用権者の代表取締役であるという事実のみをもって、両者間に通常使用権許諾契約が、当然存在するとはいえないものである。

また、自らも認めているように、乙第1号証及び乙第2号証の「販売者」欄には「株式会社マル勝高田商店」の名称は記載されておらず、「株式会社いかりスーパーマーケットAAS」の記載がされているのみである。

そして、当該事実をもって本件商標の使用証明とするには、商標権者と「株式会社いかりスーパーマーケット」との間に、別途、通常使用権許諾契約が必要であるが、両者間の通常使用権許諾契約書は、提出されていない。

さらに、記号「AAS」が、食品衛生法による「株式会社マル勝高田商店」の工場記号であると述べているが、一般消費者は「AAS」をもって「株式会社マル勝高田商店」と容易に認識するとは考え難く、工場記号「AAS」の記載が「株式会社マル勝高田商店」と同等の記載であるとの主張は、認められない。

(イ)乙第3号証ないし乙第5号証の受領書のあて先は、すべて通常使用権者である「株式会社マル勝高田商店」となっているが、上記したとおり、商標権者と通常使用権者間の通常使用権許諾契約書は提出されていないものであるから、両者間には、通常使用権許諾契約は、存在しないものと見るのが相当である。

(ウ)請求人「奈良県三輪素麺工業協同組合」は、奈良県桜井市において多数の素麺製造業者を構成員とする協同組合である。同組合が作成した検査規約(添付書類)は、昭和26年に設定施行され、数次の改正を経て現在に至るまで組合員の製品、生産若しくは加工の設備に対する検査事項、方法につき規定するものである。

検査規約第十条には、素麺の等級が記載されているが、「三輪の緒環」は素麺の等級において、第二番目の格付けを有する高級品であり、奈良県三輪素麺工業協同組合の組合員や関連流通業者等は勿論、高級素麺を表す商標として需要者の間でも長年周知のものとなっている。

してみれば、本来、奈良県三輪地方の特産品であり、第二番目の各付けを有する高級素麺にのみ付すことを許されている商標「三輪の緒環」の使用は、厳格な規約を設定して、その品質保持と知名度向上のために日々努力を続けている請求人たる「奈良県三輪素麺工業協同組合」及びその構成員に開放されるべきであり、それが、地域ブランド活性化を推進する今般の商標法の流れに準ずるものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

答弁の理由

本件商標は、通常使用権者「株式会社マル勝高田商店」が、商品「そうめん」について継続して使用しているものであり、よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるものではない。

被請求人である「高田勝義」が、代表取締役を務める通常使用権者「株式会社マル勝高田商店」は、そうめんの製造・販売を主たる業務とする企業であり、本件商標「三輪の緒環」に関しては、株式会社マル勝高田商店が現在に至るまで、継続して商品「そうめん」に使用しているものである。

被請求人は乙第1号証ないし乙第5号証をもって、本件商標を本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に日本国内において、通常使用権者である「株式会社マル勝高田商店」が、本件取消請求に係る指定商品中の「そうめん」について、使用していた事実を立証する。

4 当審の判断

被請求人の提出に係る乙第3号証ないし乙第5号証の受領書の写しによれば、「商品コード・商品名」の欄には、本件商標「三輪の緒環」と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。

また、上記受領書の受取人の欄には、本件商標の通常使用権者と認められる「株式会社マル勝高田商店」の名称が記載されており、その受領印年月日は、乙第3号証が2005年4月1日付け、乙第4号証が2004年6月18日付け、乙第5号証が2003年5月8日付けであり、これらの受領印年月日は、いずれも本件取消審判の請求の登録日(平成17年「2005年」5月30日)前3年以内に該当するものである。

そして、上記の乙第3号証ないし乙第5号証の受領書の写しは、取引書類と見られるものである。

さらに、乙第1号証及び乙第2号証によれば、本件商標「三輪の緒環」が、商品「手延べそうめん」について使用されている状態が写真として、確認できるものである。

なお、請求人は、被請求人「高田勝義」と通常使用権者である「株式会社マル勝高田商店」との間の通常使用権許諾契約書が、提出されていない旨主張している。

しかしながら、商標法上における「通常使用権」の位置付けは、その性質上、債権的効力を有することから、その設定に関しては、当事者の合意・契約などにより成立し、設定行為を要しないものであるから、商標権者と通常使用権者の間の通常使用権許諾契約書が提出されていないことをもって、両者の間に通常使用権契約が存在しないとは、いい得ないところである。

加えて、被請求人「高田勝義」は、通常使用権者と認められる「株式会社マル勝高田商店」の代表取締役であること等を勘案すれば、少なくとも、「株式会社マル勝高田商店」は、本件商標の通常使用権者と認めて差し支えないとするのが相当である。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「手延べそうめん」について、通常使用権者によって使用されていたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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