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Trademark Appeal Case

資格名称の誤認と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−8797(T2004−8797/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「医療連携管理士」の文字を書してなり、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として、平成15年7月31日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『医療連携管理士』の文字を書してなるところ、その構成中の『士』の文字は、『一定の資格を持った者』を意味し、例えば『弁護士、税理士、公認会計士、司法書士』等の国が法律に基づいて資格を特別に付与した者を表示する事例が多いことから、本願商標をその指定役務に使用したときは、恰も国家資格を表す名称の一つであるかの如く、需要者に誤認を生じさせるおそれがあるから、このような商標を一私人である出願人が、自己の商標として採択・使用することは、公の秩序を乱すおそれがあり、穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり、「医療連携管理士」の文字を書してなるところ、その構成中、「医療連携管理」の文字部分からは、例えば、「県、病院及び患者間の医療に関する連絡の管理」といった意味合いを看取させるとみるのが相当である。

また、「士」の文字は、一般に「(1)官位・俸禄を有し、人民の上位にある者。『士師・進士』。(2)周代に、四民の上、大夫の下にあった身分。『士大夫』。(3)兵卒の指揮をつかさどる人。また、軍人。兵。「士官・士気・戦士』。(4)近世封建社会の身分の一。もののふ。さむらい。『武士・士農工商』」等を意味する語(「広辞苑第五版」、株式会社岩波書店発行)であって、他の文字と結合して身分や資格等を示す名称を表すために使用されており、博士、弁護士、弁理士、税理士等のように法律で規定され、その使用が規制されている資格名称も存在することから、一般国民が末尾に「士」の文字の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表したものと理解することも少なくないということができるが、他方、いわゆる「民間資格」において、法律に準拠しない「士」の文字を含む名称や称号が使用されている事実も少なからず見受けられるところである。

そして、「医療連携管理士」の名称は、法律等に規定されたものではなく、本願商標中の構成文字の一部を含め、その使用が制限されたものとはいえず、また、本願商標と誤認を生ずるおそれのある国家資格等も見いだし得ないことから、公の機関が付与する資格や称号と紛らわしいものともいい難いものである。

そうすると、本願商標をその指定役務に使用をしても、これに接する取引者、需要者は、国家資格を表す名称又は公の機関によって付与された称号等を表したものであるかのように誤信するようなことはないというべきであるから、これが、直ちに国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとはいうことができない。

さらに、本願商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるものではなく、また、これを使用することが社会公共の利益に反する又は社会の一般的道徳観念に反するものでもない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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