sokuhyo

Trademark Appeal Case

「ゴールデンバランス」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90279(T2005−90279/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4844221号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4844221号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゴールデンバランス」の文字と「GOLDEN BALANCE」の文字とを二段に横書きしてなり、平成16年4月15日に登録出願、第29類「クエン酸を主成分とした打錠成型および粉末状の加工食品」を指定商品として、平成17年3月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

商標「ゴールデンバランス」(以下「引用標章」という。)は、株式会社アサヒ緑健(以下「アサヒ緑健」という。)が販売する商品「大麦若葉等の食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖を主原料とする粉末状の加工食品」(以下「引用商品」という。)の商標として需要者の間に広く認識されているから、これと類似する本件商標が引用商品と類似するその指定商品について使用された場合、アサヒ緑健の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがある。

なお、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、アサヒ緑健との間で締結した継続的製造委託契約に基づき、引用商品を製造し、アサヒ緑健に納品している企業である。

(2)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、アサヒ緑健の業務に係る引用商品を表示するものとして、日本国内において需要者の間に広く認識されている引用標章と類似の商標であり、また、後記(3)で述べるとおり、登録第4605962号商標(以下「引用商標」という。)が存在するにもかかわらず、本件商標に係る指定商品と引用商標に係る指定商品との類似関係を巧みにかわして登録されたことから、不正の目的をもって使用する商標である。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、以下に示す引用商標と類似する商標であって、その指定商品も引用商標に係る指定商品と類似する商品である。

引用商標は、「ゴールデンバランス」の文字を横書きしてなり、平成14年1月29日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成14年9月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(4)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

(ア)甲第3号証ないし甲第100号証を総合すれば、アサヒ緑健は、2000年(平成12年)4月ころより、その取扱いに係る商品「大麦若葉等の食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖を主原料とする粉末状の加工食品」(引用商品)についての販売を開始したと認め得るところである。

(イ)ところで、甲第3号証、甲第4号証、甲第6号証ないし甲第10号証、甲第21号証ないし甲第23号証、甲第85号証ないし甲第90号証、甲第93号証ないし甲第95号証、甲第97号証、甲第98号証及び甲第100号証によれば、以下の事実が認められる。

(a)引用商品の包装箱、商品説明書、申込みはがき、広告等には、「緑効青汁」の文字をきわめて大きく表し、該「緑効青汁」の文字に「アサヒ緑健」の文字が併記されているか、又はその近辺に記載され、いずれの文字も看者の注意を強く引く態様で表示されている。

(b)引用標章は、その表示方法が「特許ゴールデンバランス」(甲第3号証等)、「緑効青汁だけの処方特許 ゴールデンバランス」(甲第89号証)など必ずしも一定とはいえないが、別掲のとおり、主として、円輪郭上に配置された「乳酸菌」、「オリゴ糖」、「食物繊維」等の各文字と共に記載されており、また、三角形様の図形の各頂点に、それぞれ「食物繊維」、「乳酸菌」、「オリゴ糖」の文字を書し、三角形様の図形の中心部に「ゴールデンバランス」と横書きしたもの(甲第97号証)も存在する。

さらに、引用商品の説明には、「『緑効青汁』は、・・大麦若葉を主原料とし、独自製法によりおいしく、飲みやすくした青汁です。大麦若葉の不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のパワーに乳酸菌、オリゴ糖が加わった特許ゴールデンバランスで健康を応援します。」(甲第3号証)、「大麦若葉の不溶性食物繊維に、相性のよい水溶性食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖をプラスしたゴールデンバランスで、・・」、「食物繊維と相性のよいオリゴ糖と乳酸菌もプラス。2種類の食物繊維とオリゴ糖、乳酸菌の絶妙な配合をゴールデンバランスといいます。」(甲第4号証)、「食物繊維と乳酸菌とオリゴ糖のゴールデンバランスで理想的な健康をつくることができるでしょう。」、「2つの食物繊維とゴールデンバランス/・・食物繊維の働きを助ける乳酸菌、オリゴ糖をとることが、健康維持へのカギとなります。」(甲第93号証)、「食物繊維、乳酸菌、オリゴ糖の『ゴールデンバランス』は、他では真似のできない特許処方で、・・」(甲第94号証)、「大麦若葉の食物繊維と相性の良い乳酸菌とオリゴ糖をプラスした処方特許ゴールデンバランスで、・・」(甲第100号証)などと記載されている。

(ウ)上記(イ)で認定した事実によれば、引用商品に接する需要者は、先ず、「緑効青汁」の文字部分に強く印象づけられ、続いて「アサヒ緑健」の文字部分に注意が向けられるというのが相当である。そして、引用標章の表示方法に接する需要者は、引用標章について、「大麦若葉の食物繊維と乳酸菌とオリゴ糖の最上の配合バランス」なる意味合いを表したものと理解し、引用商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものと見るのが相当である。

してみると、引用標章は、自他商品の識別標識としての機能を発揮する商標としての使用と見ることはできない。

したがって、上記証拠をもってしては、引用標章が、アサヒ緑健の取扱いに係る引用商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできないから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品がアサヒ緑健と営業上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。

(2)商標法第4条第1項第19号について

前記(1)のとおり、引用標章は、自他商品の識別機能を有しないものであり、したがって、アサヒ緑健の業務に係る引用商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていた商標と認めることができない。

そうすると、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということはできない。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標の指定商品は、前記1のとおり、第29類「クエン酸を主成分とした打錠成型および粉末状の加工食品」である。

これに対し、引用商標の指定商品は、前記2(3)のとおり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」である。

そして、本件商標の指定商品は、いわゆる、健康食品、あるいは栄養補助食品と称されるものであるところ、該商品は、その形状が錠剤であったり、あるいは粉末、液状等であって、引用商標の指定商品である生鮮食料品や生鮮食料品を加工した商品、あるいは「ビール,清涼飲料」等の飲料とは、商品の形状、品質等において大きく異なるばかりでなく、その生産者、販売系統をも全く相違するものである。そして、両商品は、社会通念上も異なる商品として認識されているものであるから、非類似の商品というのが相当である。

(4)結び

以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号及び同第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。