sokuhyo

Trademark Appeal Case

著名商標と出所混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第20446号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙のとおりの構成よりなり、第14類に属する商品を指定商品として、平成5年7月16日に登録出願がされたものである。

その後、指定商品については、平成7年7月27日付手続補正書により最終的に「イギリス製貴金属のきせる,同貴金属製きせる筒,同貴金属製たばこ入れ,同貴金属製たばこケース,同貴金属製たばこホルダー,同貴金属製灰皿,同貴金属製パイプ,その他の同貴金属製喫煙用具,同イヤリング,同カフスボタン,同貴金属製き章,同貴金属製バックル,同貴金属製バッジ,同貴金属製ボンネットピン,同ネクタイ止め,同ネクタイピン,同ネックレス,同ブレスレット,同ペンダント,同宝石ブローチ,同メダル,同指輪,同ロケット,その他の同身飾品,同時計,同時計の部品及び附属品」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)「POLO」商標の著名性について

株式会社講談社昭和53年7月20日発行の「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」の前身,以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

我が国において、ラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに、「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技者の図形の各商標(以下、これらを一括して「POLO商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」の称呼をもつて呼び交わされていることが認められる。

そして、株式会社洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ」の項及びボイス情報株式会社昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、株式会社チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、株式会社講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」において、「POLO」、「Polo」、「ポロ」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

なお、ポロ社又はラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定とほぼ同様に認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上、認定の事実を総合し、かつ、上記判決の趣旨も併せ考慮するに、POLO商標は、我が国においては、遅くても昭和55年頃にはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、衣料品、靴及びかばん類等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められ、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(2)商品の出所の混同のおそれについて

本願商標は、別紙に示すとおり、馬に乗ったポロ競技者の図形と、「ASCOT PARK POLO CLUB」の文字との組み合わせからなるものであって、「ASCOT」、「PARK」、「POLO」、「CLUB」の各文字はそれぞれ既成語と認められるものであり、とりわけ、「POLO」の文字部分が、その意味合い(「ポロ競技」又は「木のボールを馬上からマレットで相手方のゴールへ打ち込み合う騎乗球技」)において図形部分との相互連想作用を有する故に、これら文字及び図形部分はそれ自体看者の印象に強く残る部分といえるものである。

そして、たとえ構成文字全体をもってある種の団体名を表したものと理解される場合があるとしても、我が国がポロ競技が盛んに行われて一般に親しまれているという社会情勢にないことは明らかであり、かつ、「ASCOT PARK POLO CLUB」の文字が特定の団体名を表示するものとして一般的に知られているという事情も認められないところであるから、むしろ、これら各文字を任意的に組み合わせたものとして認識し把握されるものとみるのが相当である。

しかして、本願商標は、その構成中に、前記(1)においてその著名性を認定したPOLO商標の基幹商標ともいうべき「POLO」の文字を有し、かつ、POLO商標に係るポロ競技者の図形と相通ずるポロ競技者の図形を有するものである。

そして、これら文字及び図形は、それ自体看者の印象に強く残る部分であること前記のとおりである。

そうとすれば、本願商標をその指定商品である衣料品等の商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記各事情よりして「POLO」の文字及び前記図形部分に着目し、米国の著名なデザイナーであるラルフ・ローレンに係る商品を表示するものとして広く知られるPOLO商標を連想、想起し、ポロ社又はラルフ・ローレン若しくはこれらの者の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(3)以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。