Trademark Appeal Case
防護標章の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第1928号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願標章
本願標章は、「ディック」の片仮名文字を横書してなり、第40類「布地・被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,紙の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,食料品の加工,石材の加工,セラミックの加工,電気めっき,フライス削り,焼きなまし,焼き戻し,溶融めっき,剥製,木材の加工,映画用フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,製本,一般廃棄物の処分,産業廃棄物の処分,廃棄物の再生,グラビア製版,化学機械器具の貸与,ガラス器製造機械の貸与,金属加工機械器具の貸与,靴製造機械の貸与,写真の現像用・焼付け用・引き伸ばし用又は仕上げ用の機械器具の貸与,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の貸与,製材用・木工用又は合板用の機械器具の貸与,製本機械の貸与,繊維機械器具の貸与,たばこ製造機械の貸与,廃棄物圧縮装置の貸与,廃棄物破砕装置の貸与,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の貸与」を指定役務とし、登録第875097号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録願として、平成9年2月10日に登録出願されたものである。
2 原登録商標
原登録商標は、本願標章と同一の構成よりなり、昭和43年5月9日登録出願、第3類「顔料、その他本類に属する商品」を指定商品として、同45年10月6日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
3 原査定の理由
原査定は、「この防護標章登録出願に係る標章は、他人がこれを本願指定役務について使用しても、その役務の出所について混同を生ずる虞がある程度に、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
請求人は、本願標章及び原登録商標を構成する「ディック」の文字は、請求人(出願人)会社名称「大日本インキ化学工業株式会社」の英文社名表示「DAINIPPON INK AND CHEMICALS,INCORPORATED」の頭文字「DIC」から生ずる称呼で、請求人会社の略称を示すものとして広く知られており、かつ、原登録商標は印刷インキ、顔料、塗料、着色剤製品の分野において使用され周知になっている旨主張し、証拠を提出している。
そこで、原審において請求人より提出された各証拠をみるに、甲第2号証は、八重洲周辺の地図と認められるところ、この地図により「ディックビル」の存在は確認できるが、該ビルの名称と請求人との関係が朋らかでないばかりでなく、該ビルの名称が具体的な商品の商標として使用されている事実は見出せないものである。
甲第3号証ないし同第5号証は、請求人の製品カタログ及び事業部総合カタログと認められるところ、これらのカタログ中には「ディック○○○」又は「○○○ディック」と「ディック」の文字を含む商品名の記載が認められるとしても、これらはいずれも一連一体に表されたものであって、「ディック」の文字自体が具体的な商品の商標として使用されているとは認識し得ないものである。
甲第6号証の1ないし10及び同第7号証の1ないし7は、新聞、雑誌及び年鑑の類による広告と認められるところ、これらの広告においては、「ディック」の文字は他の文字と組み合わされて、もしくは、請求人を示すものとして文章中に記述的に用いられているのみであり、「ディック」の文字が独立して、具体的な商品の商標として使用されているといい得るものはない。
甲第6号証の11ないし15及び同第7号証の8ないし13は、各種新聞及び雑誌の類での広告と認められるところ、これらの広告においては、「ディック」の文字が、「DIC」の文字をデザイン化したと思しき文字と組み合わされ、さらに、請求人の商号と認められる「大日本インキ化学工業株式会社」の文字と共に使用されていることが認められる。しかしながら、これらにおいても、「ディック」の文字自体が具体的な商品の商標として使用されているとはいい難く、しかも、これらの掲載された期間、回数等について具体的に示すものはない。
甲第8号証及び同第9号証は、請求人の会社概要及び会社案内と認められるが、これらにおいても、「ディック」の文字が具体的な商品の商標として使用されている事実は見出せない。
以上の事実を総合勘案すると、原登録商標は、印刷インキ、顔料、塗料、着色剤製品の分野において使用された結果、請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているものということはできない。また、他人が本願の指定役務について原登録商標を使用しても、その役務と請求人の業務に係る商品との間に混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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