Trademark Appeal Case
eと一般名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−18364(T2004−18364/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「e帳票」の文字を標準文字で表してなり、第9類「金銭登録機,現金自動預金支払機,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子計算機,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,家庭用テレビゲームおもちゃ,家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラム,家庭用テレビゲームおもちゃ用ゲームプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,ダウンロード可能な音楽,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,その他の録画済み記録媒体,ダウンロード可能な画像,電子出版物(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるものを含む。)」を指定商品として、平成15年12月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は「本願商標は、「e帳票」の文字を書してなるものであるところ、近時、その構成中の「e」の文字は、例えば、「eマネー(インターネット上での取引で電子的に動くマネー)、「eブック(電子出版物)」のように、インターネットにより提供可能な商品・サービスを表示する語と結合し使用されていることから、インターネットにより提供される商品・役務であるものとして認識・理解されている。また、インターネット情報によれば、多種多様な帳票が手軽に作成できるソフトウェアが販売されていることから、本願商標全体として「インターネットにより帳票を作成できる商品」の意味合いを認識・理解させるにすぎず、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「e帳票」の文字からなるところ、その構成中「e」の文字部分についてみると、「electronic」の「略(または頭文字)」であり「電子の、インターネットの」等を意味するものとして各種辞書等に記載されており(例えば、(a)「e−」の見出しで、「電子的な.(インターネットを利用して)電子的に行われる...《略》←E(LECTRONIC)」(研究社 新英和大辞典 第6版 株式会社研究社、2002年3月発行)、(b)「E−/e−」の見出しで、「(electronic)電子の。インターネットの。...」(現代用語の基礎知識2006 株式会社自由国民社、2006年1月1日発行))、原査定で説示された例示以外にも、インターネットを通じて電子的に文字メッセージ(画像データやプログラムなどを送受信できるものもある。)の交換ができる「電子メール(electronic mail)」を「eメール」、インターネットなどのネットワークを利用して、商品の販売にかかる契約や決済などを行なう取引形態である「電子商取引(electronic commerce)」を「eコマース」のように他の語と結合されて、前記意味合いを有するものとして広く一般的に使用されているものである。
さらに、平成17年4月1日に施行された「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「同法施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」とをあわせて「e文書法(電子文書法)」と総称され、これらの法律は、民間企業において書面(紙)での保存が義務付けられている財務や税務関連の書類・帳票等を、電子データとして保存することを認め、民間企業の事務の効率化、文書保存コスト削減を目的とし、政府が発表した「e-Japan戦略II加速化パッケージ」の重点分野の一つにもなっている。本政策により、企業で保管が義務づけられている財務・税務関連の文書や帳票類の電子化が今後さらに促進されることが見込まれているところである。
また、請求人以外の同業他社が「e−帳票」または「電子帳票」を実際に使用して、サービスの提供または商品を販売していることが、以下のようなインターネット情報、新聞情報により認められる。
(1)株式会社ネクスウェイのホームページの製品紹介において、企業内でコンピュータ処理された帳票を、プリントアウトすることなく取引先にFAXやメールを自動送信できるシステムを「e−帳票FAXサービス」と称して提供している旨の記載がある。(http://www.nexway.co.jp/service/bs01.html)
(2)株式会社三菱電機ビジネスシステムのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システム/e−image」の見出しのもと、「電子帳票化すると、こんなに変わる!/電子帳票システムは、基幹業務アプリケーションから印刷されるデータを取得し、帳票イメージと印刷データを電子媒体に保管するシステムです。」との記載がある。(http://www.melb.co.jp/p_global/e-image/i-index.htm)
(3)株式会社NTTデータビジネスブレインズのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システムPandora-AX(パンドラ エーエックス)は、メインフレームや各種サーバーの出力帳票を電子化してサーバーに保管し、それをパソコンで利用することでペーパレスを実現するシステムです。」との記載がある。(http://www.nttd-bb.com/product/pandora/about/index.html)
(4)株式会社NEC情報システムズのホームページの製品紹介(ソフトウエア)において、「電子帳票システム/PIFVIEWER/紙帳票から電子帳票へ」の説明として「膨大な量の帳票類を電子化することにより、業務の効率化、管理の簡素化、経費削減等、TCO削減に貢献します。」との記載がある。(http://www.pif-viewer.com/)
(5)2002年2月27日付け日本工業新聞の7頁には、「キヤノン販売 電子帳票システム向け構築ソフトを発売」の見出しの下に「キヤノン販売は、各種伝票などの帳票情報を管理する電子帳票システム構築用ソフト「レポートビューワーII」を四月二十二日に販売する。インターネットを通じた帳票の閲覧、検索、印刷などが可能で、web対応としたのが特徴。」との記載がある。
(6)2001年11月9日付け日刊工業新聞の8頁には、「富士通、運用管理ソフト製品群の最新版発売」の見出しの下に「富士通は、運用管理ソフト製品群の最新版「システムウォーカーV10」を発売した。・・・適用対象分野を拡大してブロードバンド環境に対応する。・・・またe−Japan構想に向けて、アプリケーションを変更せずに既存帳票類を電子化してウェブ対応とするほか、各種形式の帳票を一元管理する。」との記載がある。
(7)2000年1月6日付け日刊工業新聞の1頁には、「大日印、加・ジェットフォームとネット対応経営支援事業で提携。帳票管理を電子化」の見出しの下に、「大日本印刷とカナダ・ジェットフォーム社(本社オタワ)の日本法人は電子帳票を中心とする企業向け業務改革支援事業で提携した。大日本の帳票制作ノウハウとジェットフォーム社の電子帳票作成ツールを組み合わせることで、ネットワーク時代に対応したワークフローシステム構築を進めるのが狙い。・・・インターネットの普及を背景に、企業内では伝票や申請書類など帳票類の電子化が進んでいる。今回の提携により、両社は企業に対して帳票類の電子化からデータのやり取り、文書管理まで一連の業務をウェブ上で処理できるソリューションシステムを売り込む。」との記載がある。
(8)1999年10月20日の日刊工業新聞の11頁には、「NEC、帳票データ連携ソフトを開発−汎用コンピューターとパソコンサーバ活用」の見出しの下に、「NECは、基幹システムである汎用コンピューターと、オープンシステムであるパソコンサーバで帳票データ連携を実現できるソフトを商品化した。インターネット時代の本格到来でサーバ連携へのニーズが高まっているが、これに対応したのがポイント。・・・これまで帳票データは、プリンターに出力していたが、これを自動的にパソコンサーバの電子帳票管理フォルダーに格納。これにより汎用コンピューターの帳票データは、パソコンサーバでモニター表示したり、自由に検索したりできるようになり、印刷物の保管や帳票の経費など管理コストの大幅削減を実現できる。」との記載がある。
(9)1996年6月7日付け化学工業日報の9頁には、「日立製作所、統合型グループウエアを販売、ネットワーク対応を強化」の見出しの下に「日立製作所は六日、統合型グループウエア「グループマックス」のインターネット、イントラネット対応を強化し、すべての機能をwww(ワールド・ワイド・ウェブ)ブラウザ環境から利用可能とした「グループマックス・バージョン2」を製品化、十日から販売を開始すると発表した。新製品は、wwwブラウザがあれば、インターネットを利用してどこからでも電子メール/電子掲示板、文書管理、電子帳票、スケジュール管理、ワークフローなど、グループマックスのすべての機能を利用可能としている。」との記載がある。
上記実情を考慮すると、事務処理で必要な「帳票」を電子化することが一般的に行われ、その一部にはインターネット技術が利用されており、それに対応する「コンピュータソフトウエア」も各社から販売されている事実が認められ、「e」の文字が「電子の」等の意味を有すること前記のとおりであることから、「e」と「帳票」の文字が組み合わされた本願商標からは「電子的な(電子化された)帳票」あるいは「インターネット技術を利用した帳票」であると容易に理解・認識させるというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品中「電子計算機用プログラム(ソフトウエア)」に使用しても、これに接する需要者・取引者をして、単に「電子的な帳票を作成するための商品」または「インターネット技術を利用して帳票を作成する商品」であることを理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有せず、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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