sokuhyo

Trademark Appeal Case

「テクニカルマスタ」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−23292(T2004−23292/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「テクニカルマスタ」の文字を標準文字で書してなり,第41類「当せん金付証票の発売に関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する能力の検定,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演劇の演出又は上演,放送番組の制作,レコード原盤の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用のビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催に関する情報の提供,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,電子計算機端末による通信を用いて行うゲームの提供,興行場の座席の手配に関する情報の提供,映写フィルムの貸与,テレビジョン受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,録音済み記録媒体の複製,写真の撮影,電子計算機端末による通信を用いて行う翻訳その他の翻訳,オンラインによる書籍の制作,コンピュータを利用して行う書籍の制作」を指定役務として,平成16年1月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は,「本願商標は,新聞記事等によれば『技術的な熟達者』の意味合いを容易に認識させる『テクニカルマスタ』の片仮名文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから,これをその指定役務中,例えば『技芸・スポーツ又は知識の教授,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する能力の検定』等に使用するときは,単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断して,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,「テクニカルマスタ」の文字よりなるところ,その構成中の前半部「テクニカル」の文字が「技術的な」の意味を有する英語「TECHNICAL」の表音として,また,後半部「マスタ」の文字が「熟達者」の意味を有する英語「MASTER」の表音として,本願指定役務の需要者,取引者に普通に使用されているものであるから,これらを組み合わせた「テクニカルマスタ」の文字よりなる本願商標は,例え,造語であるとしても,取引者・需要者にとって,原審において説示した「技術的な熟達者」程の意味合いを理解,認識することは,容易というべきである。

してみれば,本願商標をその指定役務中,例えば「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する能力の検定」に使用した場合には,取引者・需要者であれば,「該役務が技術的な熟達者のための,又は,技術的な熟達者を養成するための内容とするものである」という役務の質を表わすものとして,これを,短く直接的に「テクニカルマスタ」と表現したものであると理解,認識することになるのは,至極自然なことというべきである。

さらに,本願指定役務に関連する教育関連の業界においては,「テクニカルマスター」(「テクニカルマスター」の語は,「テクニカルマスタ」と長音の有無の違いがあるものの,その同義語と認められる。)の文字が「技術的な熟達者のための,又は,技術的な熟達者を養成するための内容とする講座等」として一般に使用されている実情を,原審において開示された新聞記事情報の例に加え,以下のインターネットのホームページ情報等からも,その一端をうかがい知ることができるところである。

(1)2005年1月1日付 日経産業新聞 23面

「アサヒ,工場社員の称号拡充,若手にもチャンス――「エキスパート」新設。」の見出しの下,「アサヒビールはビール工場の現場社員を対象に,優れた技能を持つ人を対象とした社内称号制度を拡充する。二〇〇三年に導入した『テクニカルマスター』に続き,二〇〇五年からより認定を得やすい『テクニカルエキスパート』を新設する。(中略)テクニカルマスターは工場からの推薦をもとに卓越した技能や人柄などを総合判断し,工場長などが集まる生産事業本部の事業場長会議で年一回だけ承認している。(中略)新設するテクニカルエキスパートは,工場からの推薦や承認手続きなどは同じ。テクニカルマスターが醸造や充てんなど機能ごとに承認してきたのに対し,テクニカルエキスパートは同じ醸造の中でも技能を細分化して若手社員なども認定を受けやすくする。一人が複数の称号を得ることも可能にする。

テクニカルマスターでは公開していなかった称号認定に必要な技能レベルを,テクニカルエキスパートは公開する。アサヒは技術研修センター(茨城県守谷市)を中心に現場社員の人材育成に力を入れており,こうした研修の利用促進効果も期待している。

テクニカルマスターなどの社内称号は報酬や処遇には直接は反映させない。(以下略)」とする記事がある。

(2)http://www.shikakunavi.net/ben7-1.htm

「ベンダー認定資格07 マクロメディア技術認定資格 マクロメディアテクニカルマスター(MTT)」の記載の下,「マクロメディア技術認定資格制度とは,マクロメディア社が開発する製品を使いこなすスキル(技術力)と,アプリケーションの機能に関する総合的な知識度を検定試験によって測り,優秀な成績を修めた受験者に対して技術保有者としての資格を認定する制度。」との説明があり,「(1)ユーザーレベル検定:MACROMEDIA TECHNICAL MASTER」「(2)トレーナーレベル検定MACROMEDIA TECHNICAL MASTER TRAINER」の2つの検定資格が紹介されている。

(3)http://www.uchida.co.jp/osyohin/products/s_rack2/document/help.html

「SERVER RACK SQUARE」のホームページにおいて,「SERVER RACK SQUAREの使い方」の記載の下,「『SERVER RACK SQUARE』は,オフィス内で増加するサーバやLAN周辺機器を効率良く収納するための『サーバラック』や『19インチラック』の情報を満載し,目的や用途,収納物に合わせて,ご自分でラックの組合せを選択・シミュレーション・標準価格見積(配送料・施工料・耐震工事費別途)ができるサイトです。 さらに,ラックに関するお問合せに対して,テクニカルマスターが直接メールでお答えいたします。」との記載がある。

(4)http://www.ehdo.go.jp/miyazaki/center/s-kunren/itaku/i-2005-31.html

「独立行政法人 雇用・能力開発機構みやざき」のホームページにおいて,「テクニカルマスター科」の記載の下,「<訓練の概要>IT技術と情報処理の基本知識,WordやExcelによる文書作成や表計算の応用技術を習得する。Accessによるデータベース構築,ネットワークシステムの構築とメンテナンス,Web作成などのパソコンおよびネットワーク関連の知識・技能を習得する。<資格試験関連事項>ワープロ,表計算,Web,データベース,情報処理などの検定にチャレンジできる内容を習得する。

知識等取得課程 求職者に必要とされる知識・技能の習得を目的とした3ヶ月の座学訓練コースです。」との記載がある。

(5)http://www.gca.or.jp/exam/

「社団法人 東京ガラス外装クリーニング協会」のホームページにおいて,「第2回ガラス外装クリーニング技能認定試験実施のご案内」の記載の下,「当協会では,建物のガラス外装クリーニングに従事する技能労働者の技能の向上及び社会的・経済的地位の向上を図ることを目的に,第2回ガラス外装クリーニング技能認定試験を以下の要領で実施する運びとなりました。ガラス外装クリーニング技能認定試験合格者は,認定登録申請手続を経て,ガラス外装クリーニングテクニカルマスターの称号が付与されます。」との記載がある。

してみれば,「テクニカルマスタ」の文字よりなる本願商標をその指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する能力の検定」等に使用するときは,これに接する取引者・需要者は,前記したように,その役務の質(内容)を表わしたものと理解するにとどまり,それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであり,また,前記役務以外の役務に使用するときは,その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。