Trademark Appeal Case
商標と商品の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−8239(T2004−8239/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第29類「加工野菜、冷凍野菜」を指定商品として、平成15年6月19日に登録出願され、その後、指定商品については、原審において、同16年2月23日付け手続補正書により、第29類「加工たけのこ,冷凍たけのこ」と補正がされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、次の(a)ないし(f)に示した登録商標(以下「引用商標」という。)ほか、平成16年1月7日付け拒絶理由通知書に記載の6件の登録商標を引用し、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断して、本願を拒絶したものである。
なお、拒絶理由通知書に記載の6件の登録商標の指定商品、登録出願日、設定登録日は商標登録原簿のとおりである。
(a)別掲(2)のとおりの構成よりなり、第29類「練梅,わさび漬,その他の加工果実及び加工野菜,かつお節,焼きのり,その他の加工水産物,豆,乳製品,食用油脂,即席みそ汁,その他のカレー・シチュー又はスープのもと,ふりかけ,納豆,なめ物」を指定商品とする登録第4338062号商標(平成10年6月22日登録出願、同11年11月26日設定登録)
(b)別掲(2)のとおりの構成よりなり、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用漂白剤,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品とする登録第4636708号商標(平成13年3月1日登録出願、同15年1月17日設定登録)
(c)別掲(2)のとおりの構成よりなり、第21類「ガラス基礎製品(建築用のものを除く。),なべ類,コーヒー沸かし(電気式又は貴金属製のものを除く。),鉄瓶,やかん,食器類(貴金属製のものを除く。),大根おろし・鮫皮その他のおろし器,アイスペール,泡立て器,携帯用アイスボックス,こし器,こしょう入れ・砂糖入れ及び塩振出し容器(貴金属製のものを除く。),卵立て(貴金属製のものを除く。),ナプキンホルダー及びナプキンリング(貴金属製のものを除く。),盆(貴金属製のものを除く。),ようじ入れ(貴金属製のものを除く。),米びつ,ざる,シェーカー,しゃもじ,手動式のコーヒー豆ひき器及びこしょうひき,じょうご,食品保存用ガラス瓶,水筒,すりこぎ,すりばち,ぜん,栓抜,タルト取り分け用へら,なべ敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,まな板,魔法瓶,めん棒,焼き網,ようじ,レモン絞り器,ワッフル焼き型(電気式のものを除く。),清掃用具及び洗濯用具,家事用手袋,化粧用具,デンタルフロス,おけ用ブラシ,金ブラシ,管用ブラシ,工業用はけ,船舶ブラシ,ブラシ用豚毛,洋服ブラシ,靴ブラシ,靴べら,靴磨き布,軽便靴クリーナー,シューツリー,ガラス製又は陶磁製の包装用容器,かいばおけ,家禽用リング,アイロン台,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,家庭用燃え殻ふるい,紙タオル取りだし用金属製箱,霧吹き,靴脱ぎ器,こて台,小鳥かご,小鳥用水盤,じょうろ,寝室用簡易便器,石炭入れ,せっけん用ディスペンサー,貯金箱(金属製のものを除く。),トイレットペーパーホルダー,ねずみ取り器,はえたたき,へら台,湯かき棒,浴室用腰掛け,浴室用手おけ,ろうそく消し及びろうそく立て(貴金属製のものを除く。),花瓶(貴金属製のものを除く。),ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉,コッフェル,水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」及び第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,コプラ,麦芽,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕類,種繭,種卵,飼料,果実,わさび・しょうが・にんにく・山の芋その他の野菜,糖料作物,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪,飼料用たんぱく」を指定商品とする登録第4665820号商標(平成13年8月7日登録出願、同15年4月25日設定登録)
(d)別掲(3)のとおりの構成よりなり、第29類「加工野菜及び加工果実,加工水産物,豆,ふりかけ,フープのもと」を指定商品とする登録第4111050号商標(平成8年4月10日登録出願、同10年2月6日設定登録)
(e)別掲(4)のとおりの構成よりなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品する登録第4636709号商標(平成13年3月1日登録出願、同15年1月17日設定登録)
(f)別掲(3)のとおりの構成よりなり、第31類「野菜,果実」を指定商品とする登録第4488819号商標(平成12年8月1日登録出願、同13年7月6日設定登録)
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)に示したとおり、黄色(金色)で彩色された図形内の左上部に、細線で描かれた円内に黒色の太線で大きく「金」の文字を表し、その右下部の該円に一部接する位置に黒色でやや小さな「印」の文字、及びこれに続いて、「印」の文字よりやや大きい赤色で彩色され、同じ大きさ、同じ間隔で横書きされた「香りたけのこ」の文字を配した構成よりなるものであって、その文字の大きさ、文字の配置及び文字の彩色からすると、黒色で表された「金」と「印」の両文字が連続する文字として独立して認識されるものというべきであり、さらに、「香りたけのこ」の文字部分は「香りのよいたけのこ」、「たけのこが有する本来の香りをもったたけのこ」等の意味合いを理解させ、指定商品との関係において、商品の品質を表した部分と認識するのが自然である。加えて、これら「金」、「印」及び「香りたけのこ」の文字全体から生ずる「キンジルシカオリタケノコ」の称呼も冗長にわたるものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、それ自体で自他商品の識別標識として機能するといえる「金」と「印」の両文字部分に着目し、これより生ずる称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものというべきである。
してみれば、本願商標は、構成文字の全体に相応した「キンジルシカオリタケノコ」の称呼のほか、「金印」の文字に相応して「キンジルシ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用商標は、別掲(2)ないし(4)に示したとおりの構成よりなるものであり、小さく表した「キン」の文字の配された「金印」の文字に相応していずれも「キンジルシ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標は、「キンジルシ」の称呼を同一にするものであるから、外観及び観念について考慮しても、称呼において相紛らわしい類似の商標と認められる。
また、本願商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして原査定で引用した、引用商標を除く拒絶理由通知書に記載の6件の登録商標について論究するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標において、「金印」と「香りたけのこ」とを二段併記にするか、スペース等を配して分離されるような態様で表すことなく、「印」の文字を小さく配し、かつ、「金印香」の文字を右斜め下に等間隔に配置されている構成は、それぞれの文字を結合させる働きをするものであり、「金印」を「香りたけのこ」から分離させることなく、一体に識別させるものである旨主張する。
しかしながら、商標中のある文字部分が他の文字部分に分離されて称呼される要因としては文字部分の二段併記やスペースに限られるわけではないところ、本願商標において、「金」と「印」の両文字部分が「香りたけのこ」の文字と分離して称呼されると判断したのは、その文字の大きさの違い、「金」「印」の文字が斜めに表示されているのに対し、「香りたけのこ」の文字が横一列に表示されているとの文字の配置の違い及び文字の彩色の違いを考慮し、かつ、「香りたけのこ」の文字部分が指定商品との関係において、商品の品質を表示するもの、すなわち、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものであり、さらに、構成文字全体の称呼が冗長にわたることをも総合して判断したものである。
また、請求人(出願人)は、「香りたけのこ」の文字は出願人の造語であり、出願人の「金印加工たけのこ」は、独自の製法で加工した他の製品とは一線を画す独特の加工たけのこで、品質の高さから出願人のオリジナルたけのことして広く認識されている旨主張する。
しかしながら、「たけのこ」は、本来独特の風味、香りを有するものであって、出願人の加工方法の如何にかかわらず、「香りたけのこ」の文字が「加工たけのこ,冷凍たけのこ」に使用された場合、「たけのこが有する本来の香りをもったたけのこ」等の意味合いを表したものと理解され認識されるに止まるものといわざるを得ない。
仮に、「香りたけのこ」の文字が請求人(出願人)が取り扱う商品を表示するものとして認識されているとしても、一般に、簡易、迅速を尊ぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必らずしもその構成部分全体の名称によつて称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによつて簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである(昭和38年12月5日最高裁判所判決言渡、昭和37年(オ)第953号参照)から、前記構成(その文字の大きさ、文字の配置及び文字の彩色)や構成文字全体の称呼が冗長にわたることをも総合すると、依然として本願商標において、「金」と「印」の両文字部分が「香りたけのこ」の文字と分離されて着目され、これより生ずる称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものというべきである。
さらに、請求人(出願人)は、現在まで、引用商標の商品と出所の混同を生じた事実は一切ない旨主張するが、それは、請求人(出願人)又は引用商標権者に対して商品の出所の混同に関する苦情や混乱の情報等が寄せられていない旨を意味するものと解されるに止まるものであるばかりでなく(平成16年3月29日東京高等裁判所判決言渡、平成15年(行ケ)第499号参照)、将来においても、出所の混同を生ずるおそれがないとはいえるものでない(昭和35年2月9日東京高等裁判所判決言渡、昭和33年(行ナ)第28号参照)。そうすると、本願商標を付した「加工たけのこ,冷凍たけのこ」と引用商標を付した「加工たけのこ,冷凍たけのこ」が同一店舗で販売されることを想定すれば、これらの商品は同一の製造、販売者の取り扱う商品であろうと誤認、混同することは必定であるといわざるを得ない。
したがって、請求人(出願人)のいずれの主張も、上記判断を左右するものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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