sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−20856(T2003−20856/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「CELLTECH PHARMACEUTICALS」の欧文字を標準文字により書してなり、願書記載のとおりの商品又は役務を指定商品及び指定役務として、2001年8月2日にイギリス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年11月9日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、同15年7月22日及び当審における同16年1月8日付けの手続補正書によって、最終的に、第5類「薬剤」、第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓」及び第42類「生物学・医学・化学に関する試験・研究・開発並びにこれらに関する助言・情報の提供」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2118396号商標(以下「引用商標1」という。)は、「セルティック」及び「CELTIC」の文字を二段に横書きしてなり、昭和61年8月5日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成元年3月27日に設定登録、その後、同11年3月16日に商標権の存続期間の更新の登録がされたものである。

同じく、登録第2179558号商標(以下「引用商標2」という。)は、「セロテック」及び「serotec」の文字を二段に横書きしてなり、昭和59年11月8日に登録出願、第1類「臨床検査薬、研究用試薬」を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録、その後、同11年6月8日に商標権の存続期間の更新の登録がされたものである。

同じく、登録第3139086号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CELLTECH」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「生化学・医学又は化学に関する試験・検査又は研究,生化学・医学又は化学に関する情報の提供」を指定役務として、同8年4月30日に設定登録がされたものである。

同じく、登録第3139087号商標(以下「引用商標4」という。)は、「CELLTECH BIOLOGICS」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類「生化学・医学又は化学に関する試験・検査又は研究,生化学・医学又は化学に関する情報の提供」を指定役務として、同8年4月30日に設定登録がされたものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「CELLTECH PHARMACEUTICALS」の欧文字を書してなるものであるから、該構成文字に相応して、一連の「セルテックファーマシューティカルズ」の称呼を生ずることを否定するものではないが、その称呼は、全体として13音(長音を含め。)と極めて冗長になるものと認められるところ、前記構成態様よりして、前半の「CELLTECH」の文字と後半の「PHARMACEUTICALS」の文字は、一文字程度の間隔をあけて表されているものであり、外観上明らかに分離されて認識されるばかりでなく、両文字間には、常に不可分一体のものとしてのみ称呼しなければならない格別の理由も見いだし得ないものである。

そうとすれば、簡易迅速を尊重する取引の実情において、本願商標に接する取引者、需要者は、一般に、このような、一連に称呼した場合には、冗長な商標であって、かつ、各部分に分離されて認識される商標については、その各部分のうち、自他商品(役務)識別機能を果たす特徴のある部分を抽出して、その部分より生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないというべきである。

さらに、本願商標の構成中、後半の「PHARMACEUTICALS」の文字部分は、「薬物、製薬」の意味合いを有し、本願指定商品・指定役務中の「製薬、薬物」等に関連する「薬剤、医療補助品」や「生物学、医学、化学」関係等の商品・役務との関係においては、該商品・役務の対象が「薬物、製薬」に関するものであること、すなわち、商品(役務)の品質(質)又は提供の用に供する物を表示するにすぎないから、本願商標を前記商品・役務に使用するときは、該「PHARMACEUTICALS」の文字部分は、識別力がないか又は極めて薄いものといわざるを得ない。

そうとすれば、本願商標に接する需要者等は、本願商標の構成中、前半の「CELLTECH」の文字部分が、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得る顕著な部分と認識し、理解するものと見るのが自然であるから、これより、単に「セルテック」の称呼をもって、取引に資する場合も十分にあり得るというのが相当である。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「セルテックファーマシューティカルズ」の称呼を生ずるほか、単に、「セルテック」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

これに対して、引用商標3は、「CELLTECH」の文字を書してなるから、該文字に相応して、これよりは、「セルテック」の称呼を生じ、特定の観念を有しない造語と認められるものである。

同じく、引用商標4は、「CELLTECH BIOLOGICS」の文字を書してなるところ、その構成中の前半の「CELLTECH」の文字は、特定の観念を有しない造語と認められ、また、後半の「BIOLOGICS」の文字は、「生化学的薬剤、生物製剤」(新英和大辞典:第6版研究社発行)等の意味を有する英語と理解されるところ、その構成文字全体より生ずる「セルテックバイオロジックス」の称呼が冗長であること、さらに、構成全体として親しまれた特定の観念を有するものとはいえないから、これが常に、一体のものとして一連にのみ称呼しなければならないとする特段の事情も見いだし得ないものである。

加えて、引用商標4の構成中の後半の「BIOLOGICS」の文字部分は、その役務との関係においては、該役務の対象が「生化学的薬剤、生物製剤」であること、すなわち、役務の質(内容)又は提供の用に供する物を表示するにすぎないから、引用商標4を前記役務に使用するときは、「BIOLOGICS」の文字部分は、識別力がないか又は極めて薄いものといわざるを得ない。

そうとすれば、引用商標4に接する需要者等は、その構成中、前半の「CELLTECH」の文字部分が自他役務の識別標識としての機能を果たす文字部分と認識、理解し、これより、単に「セルテック」の称呼をもって、取引に資する場合も十分にあり得るというのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標3及び4(以下「引用各商標」という。)とは、外観において差異を有し、観念において比較できないとしても、「セルテック」の称呼を共通にする点において、相紛れるおそれのある類似の商標といえるものであり、かつ、補正後の本願指定役務と引用各商標の指定役務とは、類似する役務と認められるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

なお、請求人(出願人)は、引用商標1の商標権者がその指定商品中の「薬剤」の登録について放棄するよう交渉を開始したこと並びに引用商標3及び4の商標権者が請求人の関連会社で、本願をそれらの権利者に譲渡する(すなわち、本願につき出願人名義変更届を提出する。)つもりであるので、審理の猶予を願う旨求めているが、相当の期間を経過した今日に至るも、引用商標1の指定商品中の「薬剤」について、一部放棄による一部抹消登録がされている事実は、見当たらず、また、本願について出願人名義変更届が提出されて、引用商標3及び4と同一人となったことを示す証拠の提出はなく、何ら交渉経過の説明・進展もないので、審理を進めるものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。