結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89111(T2004−89111/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件商標第4740133号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ROCOBARO」の文字(標準文字による。)を書してなり、平成15年4月25日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第1709973号商標は、「ロッコバロッコ」と「ROCCOBAROCCO」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和56年3月2日に登録出願、第17類「婦人服、その他本類に属する商品」を指定商品として、同59年8月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく、登録第2381991号商標は、「roccobarocco」と「ロッコバロッコ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成元年6月30日に登録出願、第22類「はき物(運動用特殊靴をのぞく)かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、同4年2月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである(以下、2件の引用登録商標を、まとめて「引用商標」という。)。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は、請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)本件商標と引用商標との類否
(称呼上の類似)
本件商標は、その構成からして「ロコバロ」と称呼されるものと認められる。
他方、引用商標は、いずれもその構成からして「ロッコバロッコ」と称呼されるものと認められる。
本件商標の称呼と引用商標の称呼とは、前半部の擬音「ッ」の有無及び後半部の撥音「ッ」と「コ」音の有無で相違するにすぎない。しかるに、撥音「ッ」はいわゆる詰める音であって、次に来る子音が発音されようとするその状態のままで一拍分息を堪える音であるが故に極めて弱い響きのものとなって、全体称呼に殆ど影響を与えることは出来ない。また、「コ」音も語尾に位置し、しかも、引用商標の全体称呼が比較的冗長なものであるが故に当該商標の全体称呼に殆ど影響を与えることは出来ない。
このように、引用商標に存在し、本件商標には存在しない音はいずれも引用商標の全体称呼に影響を与えることが出来ない。したがって、本件商標と引用商標とが一連に称呼された場合には語調・語感が相紛らわしい称呼上類似の商標となる。
(外観上の類似)
本件商標と引用商標とは需要者の注意を惹く前半部、更には中間部において「ROCOBARO」と「ROCCOBARO」とわずかにローマ字「C」1文字の有無で相違するにすぎない。しかも、引用商標において「C」が二つ重なり、前の「C」が称呼上影響力の少ない撥音となるためなお一層需要者にその存在が気付かれ難いものとなる。したがって、迅速に行われる取引においては引用商標中「CC」の前の「C」が往々にして需要者に見落とされるおそれがあると言わざると得ない。それ故、本件商標と引用商標とは外観上も相紛れるものとなる。
(引用商標の著名性故の類似)
引用商標はイタリアの著名なデザイナーの名前である。すなわち、引用商標はデザイナーズブランドである。
本件商標の指定商品を含むファッション分野ではイタリアが本場であり、イタリアの著名なデザイナーズブランドの商品に対しては我が国の需要者の関心は極めて高い。そのため、イタリアで著名なデザイナーズブランドは日本においても著名なものとなっている。このことは特許庁においても顕著な事実となっていると思われる。
請求人がサーチエンジンの一つであるGoogleで「roccobarocco」をキーワードに日本語のホームページを検索したところ、約77800件のホームページがヒットした(甲第5号証)。この数の多さからすれば、引用商標が我が国において著名であることは明らかである。
著名商標は、取引においては、商標に基づく商品選択に際して需要者の先入観念として強く働く故に、商標の類似の経験則からすれば相紛れないような商標であっても、著名商標とは混同してしまうことは取引上、しばしば起こることである。
引用商標についてもこの例に漏れず、商品選択に際して需要者の先入観念として強く働き、そのため本件商標を引用商標と混同するおそれがあると言える。
この点でも、本件商標は、引用商標に類似する。
以上詳述した如く、本件商標は、引用商標に類似し、その指定商品も同一であるから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号
上述したように、「roccobarocco」をキーワードに検索した結果ヒットした日本語のホームページの数は約77800件である。経験則上本件商標が出願された平成15年4月25日当時には「roccobarocco」を含んだホームページが0件でその後77800件のホームぺ−ジが作成されたとは到底考えられない。むしろ、平成15年4月25日当時にも現在と差程変わらない数のホームページがあったと考えるのが自然である。すなわち、これは現在のホームページの数77800件から本件商標が出願された時点の引用商標の著名性が充分推測できることを意味している。
さらに、請求人は、本件商標が出願された時点での引用商標の著名性を裏付ける証拠方法として2001年から2003年までのジーンズの日本向けのインボイスの写しを提出する(甲第6号証)。
一つの商品について成功したデザイナーズブランドは往々にして様々商品に使用されるようになる。引用商標もこの例に漏れず香水、バック等の商品にも使用されるようになった。請求人は、該事実を立証するため、日本語ホームページの幾つかをここに提出する(甲第7号証)。
以上述べたこと及び提出の証拠方法からして、引用商標は本件商標の指定商品及びその他のファッション関係の商品について本件商標が出願された時点で既に著名なものであった。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号の規定に違反して登録されたものである。また、引用商標が様々な商品に使用されて著名であることから、本件商標がその指定商品に使用された場合には当該商品が請求人の業務に係るものであるとその出所の混同を生じるは必定である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の規定にも違反して登録されたものである。
(3)結論
以上述べた如く、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものである。したがって、本件商標は、商標法第46条第1号の規定によりその登録を無効とされるべきである。
被請求人は、答弁していない。
本件商標は、前記1のとおり、「ROCOBARO」の文字を書してなるところ、該文字は特定の観念を生じさせない造語と認められるものであるから、これに接する需要者は我が国において一般に親しまれているローマ文字或いは英語風の読み方をもって、これを「ロコバロ」と読み、その称呼をもって取引に資するとみるのが自然である。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「ロッコバロッコ」と「ROCCOBAROCCO」又は「roccobarocco」と「ロッコバロッコ」の文字を書してなるから、これより「ロッコバロッコ」の称呼が生ずること明らかである。
そこで、本件商標から生ずる「ロコバロ」の称呼と、引用商標から生ずる「ロッコバロッコ」の称呼とを比較するに、両称呼は、引用商標の促音を除けば、「ロ」「コ」「バ」の3音の組合せにより構成されているものであって、促音の有無と語尾における「コ」の有無において差異を有するものである。
そして、最初の促音の有無の差異は、「コ」の音が後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音〔k〕と母音〔o〕との結合した音であって、同じく促音が子音と同じ調音の構えで中止的破裂をおこさせるものであるから、実際に発音した場合に、区別できないことも多いというのが相当である。
また、語尾おける促音と「コ」の音は、称呼の識別において常に明瞭に聴取されるものとは限らない語尾に位置することから、この音の有無が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできない。
加えて、本件商標との共通音である引用商標の語頭の「ロ」の音と後半の「バロ」の音は、促音を伴い強音として聴取される音であり印象に残るものである。
そうとすると、両称呼は、共通音が聴者の記憶、印象に残りやすいのに対し、相違する音が呼称全体に及ぼす影響は小さいことから、両呼称の全体の語感、語調は相当程度類似するということができる。
次に、本件商標と引用商標の外観とを比較するに、両商標は欧文字の綴りにおいて、「R」「O」「C」「B」「A」「R」の文字より構成されていることにおいて共通し、両商標はともに顕著なデザインが施されているというような特徴もないのであるから,少なくとも本件商標と引用商標の類似性を妨げるような差異があるということはできない。
以上よりすれば、本件商標と引用商標は、それぞれを一連に称呼した場合、全体の語感、語調が相当程度類似し、しかも、外観においても共通性を有するものであるから、本件商標が特定の意味合いを有しない造語であって、観念については比較することができないことを考慮しても、全体として、互いに紛れるおそれのある商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「被服,履物」と引用商標の指定商品とは同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標は、その指定商品中「被服,履物」については、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものとし、また、その余の請求に係る指定商品の商標登録については、無効とすべき理由がないものであるから、無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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