Trademark Appeal Case
論点抽出失敗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−13948(T2003−13948/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「スーパーパワーキャパシター」の片仮名文字と「SUPER POWER CAPACITOR」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、第9類及び第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年6月25日に登録出願されたものであるが、願書記載の指定商品については、同15年4月4日付け手続補正書により、第9類「自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ」及び第12類「自動車」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は「本願商標は、全体として『超出力のキャパシタ(コンデンサ)・蓄電器』を表すものと容易に認識させるものであり、これを本願の指定商品中の第9類『自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ』について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いを容易に把握、認識するに止まり、その商品の品質(誇称的表示)を普通に用いられる方法で表すにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号として掲げる商標が、登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際して必要適切な表示として、なんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号判決 最高裁判所 昭和54年4月10日判決言渡)。
2 これを本件についてみるに、本件商標は、「スーパーパワーキャパシター」の片仮名文字と「SUPER POWER CAPACITOR」の欧文字を上下2段に横書きしてなるところ、「スーパーパワーキャパシター」の語に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。
(1)「スーパー」及び「パワー」の語の有する意味について
「広辞苑(第五版)」に、「スーパー【super】・・・(中略)・・・『より優れた』の意。」「パワー【power】・・・(中略)・・・動力。仕事率。工率。」の記載がある。
(2)「スーパーパワー」の語が、「より優れた動力」「より優れた仕事率」「より優れた工率」の意味合いを有するものとして一般に使用されている事実について
(ア)「日刊工業新聞」(1997年2月19日付け、12頁)に、「日立建機、大型油圧ショベルをモデルチェンジして発売」の見出しの下「・・・(前略)・・・スーパーパワーモードを設定した高効率油圧システムを採用。」の記事がある。
(イ)「日刊工業新聞」(1991年9月19日付け、15頁)に、「神鋼、大型ショベル3タイプ11機種発売。用途ごとに専用機化」の見出しの下「さらに硬地地盤掘削が効率的に行え、スーパーパワースイッチを押すと掘削力が一〇〜一二%アップし、大きな転石処理も可能。」の記事がある。
(ウ)「読売新聞」(1996年5月27日、大阪版夕刊、5頁)に、「〔大発見への期待〕(11)大阪大工学部長・鈴木胖氏 環境と技術革新(連載)」の見出しの下「燃料電池、太陽光発電など今後の進歩が期待できるが、どれもスーパーパワーではないので、その組み合わせが課題。」の記事がある。
(エ)「(有)栃木補聴器センター」のウエブサイト(http://www.cc9.ne.jp/~thc/prisma.htm)に、「プリズマ スーパーパワー」「デジタル補聴器では最強のパワーを実現。」の記載がある。
(オ)「化学工業日報」(2001年11月05日、4頁)に、「日本ケミカルズ、創立55執念記念講演会を開催」の見出しの下「さらに『人間以外の生物の遺伝子を解析することで、それら持つスーパーパワーを人間に活用できる』・・・(後略)・・・」の記事がある。
(カ)「船場化成株式会社」のウエブサイト(http://www.senbakasei.com/spb0.htm)に、「スーパーパワーゴミ袋のご案内」「薄肉化により、省資源に役立ち、焼却時のカロリーは約半分となり、環境負荷も少なくなる為地球に優しい節約タイプ。」の記載がある。
(3)「スーパーパワー」の語が、上記(2)の意味合いを有するものとして「電池」に使用されている事実について
「日刊工業新聞」(1989年8月31日付け、10頁)に、「日立マクセル、新タイプのマンガン乾電池発売へ。放電15〜20%増」の見出しの下「日立マクセル(社長渡辺宏氏)は従来比一五〜二〇%長時間の放電時間を持つマンガン乾電池『スーパーパワーエースブラック』を九月二十五日発売する。」の記事がある。
(4)「キャパシター」の語が、「蓄電装置(コンデンサー)」の意味で、一般に使用されている事実について
(ア)「朝日現代用語『知恵蔵』2005」(朝日新聞社、2005年1月1日発行)に、「キャパシター〔capacitor〕蓄電器、コンデンサー」の記載がある。
(イ)「有限会社ゴトウ」のウエブサイト(http://www.gotou.info/CarAudio/BRAX/IntelligentPowerCapacitor.htm)に「車載用キャパシターとして最高の安全性を確保」の記載がある。
(5)「スーパーパワーキャパシター」の語が、上記(2)の意味合い及び(4)の意味を有するものとして「コンデンサー」に使用されている事実について
「有限会社マッチモア・ジャパン本社」のウエブサイト(http://www.much-more.co.jp/capa-a.htm)に、「スーパーパワーキャパシタータイプA」「マッチモア独自のメタルグリーンを採用した高性能キャパシター」の記載がある。 そして、「スーパーパワー」の語と「キャパシター」の語を「スーパーパワーキャパシター」と連結することによって、格別な意味合いが生ずるものでもない。
そうとすれば、これをその指定商品中「自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「高出力の自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ」であると、認識、把握するというべきである。
3 請求人の主張
(1)請求人は、「ある言葉が、商品の品質表示であるといえるのは、当該言葉が不特定多数の者によって、商品の品質を示すために使用されているからである。『スーパーパワーキャパシター』が、商品の品質を表示する語として使用されているのは、唯一、『有限会社マッチモア・ジャパン』(以下「マッチモア・ジャパン」という。)のウエブサイトのみであり、わずか1社のみによって使用されている言葉が品質表示として現実に認識されたり、品質を表示する言葉として認識される可能性はない。」旨主張している。
「マッチモア・ジャパン」のウエブサイト(上記2(5))は、上部中央にコンデンサーが二個写った写真があり、当該写真の左上に「スーパーパワーキャパシタータイプA(2個入り)」の表示、また、当該写真の下に「マッチモア独自のメタルグリーンを採用した高性能キャパシター」の表示がある。
しかして、当該ウエブサイトの表示においては、「スーパーパワーキャパシター」が「高性能キャパシター」の意味合いで使用されていることは明らかである。
そして、当該ウエブサイトのような広告用のウエブサイトは、不特定多数の取引者、需要者を対象としたものであることよりすれば、「マッチモア・ジャパン」の不特定多数の取引者、需要者は、「スーパーパワーキャパシター」と「高性能キャパシター」とを同じ意味合いのものと、認識、把握していると解するのが、自然である。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質などを示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることが出来ないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして現実に使用されている事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号判決 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)。
なお、請求人は、「商品の品質を表示する語として、『スーパーパワーキャパシター』の語を使用しているのが、唯一、『マッチモア・ジャパン』のみである。」との点について、それを証明する書面を何ら提出していない。
(2)また、請求人は、本願商標をその指定商品に用いた商品は、商品化され販売を開始したものであるから、本願商標は自他商品識別標識としての機能を果たすものである旨主張している。
しかしながら、本願商標は上記したとおりであり、また、意見書に添付の参考資料7ないし同15によれば、本願商標の一部(片仮名文字のみ)が使用されていたことは認められるものの、使用に係る商標は本願商標の構成態様とは異なるものであって、これらの参考資料によっては、本願商標が使用により識別力を有するに至ったものとは認められない。
(3)したがって、請求人の主張は採用できない。
4 以上の事実を総合勘案すれば、本願商標は、なんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであり、また、これをその指定商品中「自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「高出力の自動車用の蓄電装置,蓄電装置,キャパシタ」であることを理解し、認識されるにとどまるものというのが相当である。
そして、本件商標は、前記で述べたとおり「スーパーパワーキャパシター」の片仮名文字と「SUPER POWER CAPACITOR」の欧文字を上下2段に左横書きしてなるものであるから、指定商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、その商品の品質(性能)を誇称表示したにすぎないものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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