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Trademark Appeal Case

不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30238(T2005−30238/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3337895号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月28日に登録出願、第36類「資金の貸付け及び手形の割引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,債券の募集の受託,建物の貸借の代理及び媒介,建物の売買,建物の売買の代理及び媒介,土地の貸借の代理及び媒介,土地の売買,土地の売買の代理及び媒介,建物の貸与,土地の貸与,商品投資契約の締結,商品投資契約の締結の代理及び媒介,商品投資受益権の販売(信託受益権に係るものを含む。),商品投資受益権の販売(信託受益権に係るものを含む。)の代理及び媒介,著作権の使用許諾を受けた者に代わってする著作権使用料の支払いの代行,保険契約者に代わってする保険料の支払いの代行,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として同9年8月8日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

(1)請求人は、商標法第50条第1項の規定により登録第3337895号商標の指定役務中「資金の貸付け及び手形の割引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,債券の募集の受託,建物の貸借の代理及び媒介,建物の売買,建物の売買の代理及び媒介,土地の貸借の代理及び媒介,土地の売買,土地の売買の代理及び媒介,建物の貸与,土地の貸与,商品投資契約の締結,商品投資契約の締結の代理及び媒介,商品投資受益権の販売(信託受益権に係るものを含む),商品投資受益権の販売(信託受益権に係るものを含む)の代理及び媒介,著作権の使用許諾を受けた者に代わってする著作権使用料の支払いの代行,保険契約者に代わってする保険料の支払いの代行」について登録を取り消す、との審決を求めると申し立て、その理由を以下のように述べている。

(2)被請求人は、本件商標を、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を概要次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証(枝番号を含む)を提出している。

(1)「センチュリー・リーシング・システム株式会社」(CLS社)(以下「被請求人」という。)は、本件商標をその取消請求に係る指定役務のうち、少なくとも「土地又は建物の貸与」及び「資金の貸付け」の役務に使用している。

(2)被請求人は、総合リース業と称される、各種動産のリース(賃貸又は貸与)、割賦販売及び金融業務等の分野を中心に事業活動を営む者である(後述「不動産のリース」も業として行っている。)。

本件商標は黒塗り矩形内上部にゴシック体風の「CLS」の字形を白抜きに表した標章よりなるところ、この標章は被請求人会社の欧文字名称「Century Leasing System,Inc.」の頭文字「C」「L」「S」の字形を象ったものという独特の標章(ロゴマーク)である。

(3)被請求人は、不動産リースすなわち土地・建物の賃貸に関連した事業も手がけている。

例えば、お客様向け説明資料又は提案書である「不動産リースのご案内」2003年10月版(乙第6号証)及び同2004年版(乙第7号証)によれば、「不動産リースの特徴・メリット」として、「不動産リースとは、CLSがお客様に代わって不動産を所有し、賃貸する取組みです。CLSには、ローサイド店舗やスポーツクラブ、大型ショッピングセンター等、幅広い取組実績があります」旨説明されている。そして、同提案書の「ご提案スキーム」、「費用」、「賃料」等の項目をみると、いわゆる定期借地権付建物リース(賃貸)に係る取引の仕組みについて説明・提案がなされている。それらの提案書(乙第6号証および乙第7号証)の表紙中央部に被請求人会社名称(商号)と並んで本件商標が明確に表示されている。

また、被請求人は、上記建物リース(賃貸)の仕組みに似た不動産賃貸システムとして「トリレックス/TRILEX」商標の下に展開する建物賃貸借、すなわち被請求人が建物オーナーと店舗・オフィス事業者との間に介在して保証金・敷金の資金援助を行いその代わりに事業者から所定の賃料を収受する方式の建物賃貸に係る役務を提供している(乙第8号証および乙第9号証)。

乙第8号証は、賃貸人「東神開発株式会」、賃貸人「ハンティングワールドジャパン株式会社」とする両当事者間の建物賃貸借契約の一年経過後である2003年において(2002年10月契約/残期間9年)、当該賃借人向けに被請求人が介在した場合の取引関係を提案した「ハンティングワールドJ(株)御中」とする提案書であって、被請求人が所定の保証金・敷金を引き継ぐ代わりに転賃貸借契約により賃料を収受する仕組みについて説明が施されている。なお、同書証において各頁左下にある「2005/6/20」の日付は、被請求人事業部保管に係る営業用資料について、上記賃借人に対し提案し説明した当時(2003年)の提案資料を打ち出した日付である。そして、この提案書表紙には被請求人会社名称(商号)と並んで本件商標が明示されている。

さらに、被請求人とイオンモール株式会社との間において、2004年11月19日に取り交わした「建物賃貸借契約書」(抜粋)(乙第10号証の1)及びその関連資料(乙第10号証の2及び同3)を提示する。

本契約書により、「イオンモール株式会社」の開発に係る福岡県直方市在の「イオン直方ショッピングセンター」の建設・運営・管理に関し被請求人が当該事業者に対し具体的に当該店舗建物を貸与(賃貸)し当該役務を提供していることが判る。

そして、一般にこの種の契約書には会社の記章やロゴマーク等を表示しないのが通例であるため、本件商標は契約書上にはことさら表示されていない。

しかしながら、被請求人の営業方式である提案書による顧客への個別提案方式という取引事情等よりすれば、本契約が被請求人に係る上記提案書・パンフレット等に基づく成果物であること、そして、その成約にいたる間の見積書、契約書(案)その他の通信文のやりとりなど一連の営業活動において本件商標の使用があったことは客観的に見ても明らかである。

さらに、2003年11月28日付日本経済新聞の被請求人広告記事(乙第11号証)にあるとおり、「リースのセンチュリー」の下に、本件商標(ロゴマーク)がその会社名(商号)とともに表示されている。

(4)資金の貸付けの役務について

被請求人は、いわゆるPFI法(Private Finance Initiative)と呼ばれる「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成11年9月24日施行)に基づくPFI事業、例えば神奈川県立近代美術館PFI、(福井県)鯖江市駐車場PFI及び千葉県少年自然の家PFIの施設等の公的事業において融資その他の面で同事業に参画した実績がある。

このPFI事業の内容は被請求人に係るPFI関連ウエブぺージA(乙第13号証)及び同ウエブぺージB(乙第14号証の1ないし同3)によく示されている。

さらに、日本政策投資銀行(日本政策投資銀行法所定の法人)に係る平成14年6月11日付けNews Release(乙第16号証の1)によれば、被請求人が伊藤忠商事株式会社、戸田建設株式会社、株式会社ハリマビステムと共に上記神奈川県立近代美術館の建設、維持管理に関し融資を行なった事実が判る。

また、日本政策投資銀行に係る平成16年3月11日付New Release(乙第16号証の2)によれば、被請求人は、みずほ銀行大手町本部ビル跡地の再開発事業に参画し所定の融資(資金の貸付け)を行なったこと、さらに日本政策投資銀行に係る平成16年3月11日付New Release(乙第16号証の3)によれば、被請求人は、みずほコーポレート銀行・日本政策投資銀行が協調した日本債権回収株式会社(法務大臣許可番号第2号)に対するシンジケート・ローンの組成に参画し(契約締結日:平成16年8月25日)他の金融機関と共に所定の融資(資金の貸付け)を行なったことが判る。

以上より、被請求人がPFI事業において所定の融資すなわち資金の貸付けの役務を提供していたことは明らかであり、同事業の推進に伴い資金の貸付けに係る業務を含む一連の事業活動において本件商標が被請求人により使用されたことは客観的に見て明らかと言わなければならない。

(5)本件商標の性格と使用事情について

被請求人が本件商標を上述建物の貸与、資金の貸付けの役務その他の役務を表示するサービスマークとして、またその業務全般を表象する営業標として営業上用いられている実情を以下に述べる。

被請求人に係る営業用各種書類の郵送用封筒(乙第17号証の1)及び当該送付書類名を記入する書類発送案内(乙第17号証の2)には共にその発信人として当該所定欄にその会社名称(商号)と共に本件商標が表示されている。

また、新入社員向け又社員募集用の印刷物(乙第18号証)及び「CENTURY」のタイトルの下に被請求人の概要を示す印刷物(乙第19号証)には、いずれもその裏表紙下部に会社名称(商号)と共に本件商標が表示されている。

そして、2005年3月17日付日本経済新聞(乙第20号証)によれば、被請求人社員募集記事中に会社名称(商号)と共に本件商標が掲載されている。

以上の点よりすれば、本件商標は被請求人に係る業務全般を表象する営業標として併せ用いられていることが常態であったといえるから、被請求人が業務とする上述の建物の貸与、資金の貸付けの役務の提供ないしはその営業活動において本件商標がその出所を表示するサービスマーク(商標)として使用されかつ機能していた状況は客観的に明らかと言わなければならない。

(6)まとめ

以上のとおり、本件商標は本件審判の請求前3年以内に日本国内において被請求人により少なくとも「建物の貸与」及び「資金の貸付け」の役務について使用されていたものであるから、被請求人は本件商標の使用について商標法第50条第2項に定める所定の要件について主張、立証し得たものということができる。

したがって、本件商標の登録は上記法条の規定により取り消されるべき理由は存しないから、本件審判は成り立たない。

4 当審の判断

(1)本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、被請求人の提出した乙各号証により、本件審判請求予告登録日前3年以内に、商標権者により、日本国内において本件取消に係る指定役務中「土地又は建物の貸与」及び「資金の貸付け」について、使用されていたと認め得るものである。

(2)請求人は、前記3の答弁に対し何ら弁駁していない。

(3)したがって、本件商標は商標法第50条の規定によっては取り消すことができないものである。

よって、結論のとおり審決する。

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