結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成5年審判第21226号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第376361号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成のものであり、昭和22年12月15日に登録出願、第58類「他類ニ属セサル木、竹、籐、木皮、竹皮類ノ製品、其ノ漆塗品及蒔絵品ノ類、但シ、黒板ヲ除ク」を指定商品として、同24年6月18日に登録され、その商標権が現に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「木竹製釣り竿、うき及びその類似商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人において、本件商標の使用状況を調査したところ、本件商標は、請求に係る指定商品「木竹製釣り竿、うき及びその類似商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用されていた事実が見当たらなかった。
したがって、本件商標は、指定商品のうち上記商品について、商標法(平成8年法律第68号による改正前のもの。以下、同じ。)第50条の規定により登録を取り消されるべきものである。
請求人は、釣り具にかかわる商品について、富士(山)の図形及び文字よりなる商標の商標権を取得し、使用するにあたり、本件商標の存在が障害になっているものである。
したがって、請求人は、本件審判を請求するについて、利害関係を有する。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人が提出した乙各号証は、以下述べるとおり、本件商標の使用の事実を立証するものでないと思料する。
(イ)乙第1号証及び乙第2号証は、9尺3本継竹製釣竿及び2.7m3本継ぎ竹製釣り具セットの全体写真と商標を貼付した部分よりなるとしても、これのみでは、本件審判請求の登録(平成5年12月)前3年以内において、商標権者または使用許諾を受けている者(有限会社山野釣竿製作所)などが、本件商標を使用していたとする証左にはみられない。
(ロ)乙第3号証は、有限会社山野釣竿製作所の昭和59年1月作成の釣竿価格表(約10年前作成)であるが、これのみでは、本件審判請求の登録(平成5年12月)前3年以内において、その価格表が用いられていたとする証左にはみられない。
(ハ)乙第4号証の1ないし13は、いずれも納品書であるが、同号証の1ないし5は、その発行年月日からみて、本件審判請求の登録前3年以内のものに該当しないことが明らかである。また、同号証の6ないし13は、いずれも納品先の記載はあるが、納品者、本件商標及び取引商品などの記載がなく、本件商標の使用事実を立証する証左とはみられない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(イ)被請求人(本件審判請求時の商標権者。その後、有限会社山野釣竿製作所が本件商標の商標権を譲り受けて商標権者となった。)の先祖は、享保年間に川口の地において竹による釣竿の製造、販売を始め、以来連綿としてその業務が引継がれ、被請求人兄弟は、昭和5年に先代から引継ぎ昭和20年頃には本件商標を選択して、竹製釣竿の商標として使用を開始し、商標登録を受け、引続き使用してきているもので、昭和29年にはそれまで個人営業であった山野釣竿製作所を有限会社として、法人組織し、以後、本件商標の使用を該会社に許諾し、現在に至っている。
乙第1号証に示す、9尺3本継の竹製釣竿、乙第2号証に示す2.7m3本継ぎの竹製釣り具セットのように、竹製釣竿の老舗として他種類(乙第3号証)の竹製釣竿を製造、販売しているのである。その竹製釣竿に関する納品書の控を一部抜き出し、その写しを提出し、本件商標を付した竹製釣竿が継続して取引されている事実を立証する(乙第4号証の1ないし13)。
(ロ)弁駁に対する第2答弁
乙第1号証に示す釣竿及び乙第2号証に示す釣具セットは、有限会社山野釣竿製作所が継続して取扱っている9尺3本継の竹製釣竿、2.7m3本継ぎの竹製釣り具セットの現品を写真に撮ったものであり、釣竿の種類は多種あり、その種類は乙第3号証に示すとおりで該商品に本件商標がそれぞれ付されているものである。
第3号証に示す「釣竿価格表」は、昭和59年1月から使用されている価格表であり、その後のバブル崩壊による取引の停滞のため新しい価格表を作成する必要性が薄れて来た社会情勢と、販売先が一般需要者ではなく取引者である関係で、当時の印刷物がまだ相当量残っており、現在でも価格に変動があった箇所だけ訂正して使用しているものである。
乙第4号証に示す納品書は、有限会社山野釣竿製作所の釣竿を納品した納品書の控えであり、会計帳簿記載のための原票であり、納品先、納品名、数量、単価及び金額が記載されているもので、品名の欄の記入文字は該社の商品の記号(符号)で、取引先もこの文字で商品名がわかるようになっている取引の永年の慣行記号である。
(ハ)第2答弁の理由補充
提出した乙第4号証の1ないし4を例にして、本件審判請求の登録日前3年間に渉って、本件商標が指定商品中竹製釣竿に継続して使用していた事実を、被請求人有限会社山野釣竿製作所の代表者山野雅弘が作成した陳述書(乙第5号証)及び運送会社領収書(乙第6号証の1ないし8)等に基づいて立証する。
本件審判請求をする利害関係について、当事者間に争いがないから、以下、判断する。
乙第1号証の写真に写っているのは竹製釣り竿であり、乙第2号証の写真に写っているのは竹製釣り竿が含まれてる釣り具セットであって、これらには、本件商標と社会通念上同一といえる商標が付されていると認められる。また、乙第3号証は、有限会社山野釣竿製作所の釣竿価格表であって、その表紙に昭和59年1月の表示があることから、本件審判請求の登録がされた平成5年12月14日より10年近くも前に作成されたものと認められるが、この価格表に関する前記3(ロ)の被請求人の説明は、首肯できるものであり、本件審判請求の登録がされた平成5年12月14日前3年以内においてもこの釣竿価格表は使用されていたものと認めることができる。また、この釣竿価格表の表紙の上部にも本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されている。そして、乙第1号証、乙第2号証、乙第3号証、乙第4号証の6ないし13及び乙第6号証の4ないし8を総合すれば、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、有限会社山野釣竿製作所は、本件商標を請求に係る指定商品中の「竹製釣り竿」について使用した事実を認めることができる。
また、有限会社山野釣竿製作所は、本件商標の商標権を譲り受ける以前は、本件審判の請求の登録前3年以内を含め、当時の商標権者から許諾されて本件商標を使用していたものと認められる。
そうすると、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において通常使用権者により、請求に係る指定商品中の「竹製釣り竿」について使用されていたものということができる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、請求に係る商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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