Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90707(T2004−90707/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4795582号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成15年11月17日に登録出願、第25類「パンツ,ズボン」を指定商品として、平成16年8月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第3358968号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成6年7月1日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、平成9年11月14日に設定登録されたものである。
(2)引用商標は、申立人が商品「ガードル」について使用する商標として、本件商標の登録出願前より、取引者、需要者の間において広く認識されているものであるから、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、字形を異にする「私の美脚宣言」の文字部分と「マジックPANTS」の文字部分(構成文字中の「A」の文字における下部の横線に相当する部分は、星形に表示されているが、前後の文字列との関係から「A」の文字を表したものと認識される。)とが二段に表されているところ、上段の文字と下段の文字とは視覚上分離して看取されるばかりでなく、構成中の下段の「マジックPANTS」の文字部分は、片仮名文字と欧文字の2語を組み合せたものとはいえ、構成全体として、その指定商品「パンツ、ズボン」との関係においては、特定の品質を表わす語として取引上普通に使用されていることが、例えば、以下の新聞記事情報でうかがい知ることができる。
(ア)・・・フィット感を究極まで追求したパンツは「マジックパンツ」と呼ばれる。(1999.4.6 繊研新聞・5面)
(イ)ストレッチパンツが話題になったのは2年前。当時は「マジックパンツ」と呼ばれ、脚をほっそり見せる“魔法”のパンツという触れ込みだった。ポリエステル混紡で、生地に伸縮性がある。(1998.10.26 東京新聞・朝刊22頁)
(ウ)ストレッチパンツが話題になったのは2年ほど前。発売当初は脚をほっそり見せる「魔法のパンツ」という意味から「マジックパンツ」と呼ばれた。ほとんどがポリエステル混紡で、光沢があり、カジュアルな雰囲気があり、愛用者は若い女性が多かった。(1998.11.22 大阪新聞・朝刊19頁)
(エ)パンツは依然ブーツカットが堅調で、サブリナ、バミューダ、「マジックパンツ」、デニムパンツの売れ行きが加わった。(1997.8.6 繊研新聞・10面)
(オ)「ドミンゴ 秋冬からストレッチ使い拡充、『マジックパンツ』を発売 」(1997.8.5 繊研新聞・4面)
ジーンズカジュアルメーカーのドミンゴは九七年秋冬から、ストレッチデニム使いのレディス向けファイブポケット・マジックパンツを販売する。
「マジックパンツ」はストレートジーンズの変形スタイルで、通常のストレートよりひざ部分が細く、ひざ下から裾にかけて広がっている。
(カ)・・・帝人ワオでは、以前との違いをより細く見せたいというスリム機能願望が強くなっていることにあるとしている。九六年〜九七年秋冬の「シェイプ・ジーンズ」の売り上げも、前年比一七%増と好調だが、縦横への伸びをさらに高めた新商品「マジックパンツ」タイプの拡販をねらっている。(1997.2.14 繊研新聞・3面)
(キ)「[いまどき語]マジックパンツ」(1996.11.7 毎日新聞・東京朝刊31頁)
ストレッチ素材ではき心地がよく、しかも足が長く見える、まさにマジックのようなパンツ・・・。
以上の新聞記事情報によれば、本件商標の構成中の「マジックPANTS」の文字部分自体は、この種商品分野においては、本件商標の指定商品の品質を表示したものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としては、認識されないものといわなければならない。
そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、当該「マジックPANTS」の文字部分を省略して、その構成中の上段にあって、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「私の美脚宣言」の文字部分より生ずる称呼をもって、取引に資する場合があるとしても、下段の「マジックPANTS」の文字部分のみに着目して、それより生ずる称呼のみをもって取引に資することは、通常あり得ないと見るのが相当である。
してみれば、本件商標の構成中の「マジックPANTS」の文字部分は上記のとおり商品の品質を表示する一連一体の語として認識されるものであるから、この「マジック」の文字部分のみに着目して「マジック」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが、称呼及び観念において類似するものであるとする申立人の主張は、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき特段の理由は、見いだし得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)の認定のとおり、本件商標構成中の下段の「マジックPANTS」の文字部分は、この種商品分野においては、本件商標の指定商品の品質を表示したものとして理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識されないものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標ないし申立人を連想、想起するようなところは認められず、当該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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