Trademark Appeal Case
007連想と指定商品の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90296(T2005−90296/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4845411号商標(以下、「本件商標」という。)は、「サンダーボルトダブルオーセブン」の文字(標準文字)を書してなり、平成16年7月23日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同17年3月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申し立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張の要点は、以下のとおり。
(1)本件商標中の「007(ダブルオーセブン)」は、スパイ小説家のI.Flemingによって生み出された英国の秘密情報部員「James Bond(ジェームズ・ボンド)」のコード名であり、我が国においても「ダブルオーセブン」又は「ゼロゼロセブン」と称呼され親しまれている。当該小説は、1962年に「ドクター・ノオ(007は殺しの番号)」という題号で映画化されて以来、40年間に20作品が公開され、我が国においても「007シリーズ」として取引者・需要者の間に広く認識されているものである。
また、上記映画シリーズの第4作として、1965年(昭和40年)に「サンダーボール大作戦」が公開されたが、本件商標中の「サンダーボルト」と「サンダーボール」とは極めて近い印象を需要者・取引者に与えるものである。
してみれば、本件商標を当該映画作品等に関し何らの権利も有さない本件商標権者が自己の商標の一部として登録することは、商取引の信義及び国際信義に照らし穏当ではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標は、その構成中に「ダブルオーセブン」の文字部分、さらに「サンダーボルト」の文字部分を有することにより、上記映画作品等を容易に認識させるものであるから、本件商標をその指定商品について使用する場合は、取引者・需要者をして申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「サンダーボルトダブルオーセブン」の文字よりなるところ、構成中の「サンダーボルト」の文字は「雷鳴を伴う一閃の雷電」の意味合いを有する英語「thunderbolt」の表音を記したものと認められるものであり、他方、構成中の「ダブルオーセブン」の文字からは、英国の秘密情報部員「ジェームズ・ボンド」を主人公とした有名なスパイ小説及びその映画「007シリーズ」を想起させる場合のあることは否定しない。
しかしながら、本件商標は、「サンダーボルトダブルオーセブン」と横一連に外観上まとまりよく一体として表現してなるものであり、かつ、構成中の「サンダーボルト」の文字は、上記のとおり、「雷鳴を伴う一閃の雷電」の意味合いを有する英語(thunderbolt)の表音を記したものであるから、構成中の「ダブルオーセブン」の文字部分が、「サンダーボルト」の文字部分に比し、看者に特に強く印象付けられるとする特段の理由は見当たらない。
そうすると、本件商標は、やや冗長ではあるが、むしろ、特定の観念を生ずることのない不可分に表された一種の造語よりなるものとみるのが相当である。
しかも、本件商標の指定商品は、第5類「薬剤」であり、スパイ小説やスパイ映画とは、その商品の種別、商品の属する分野等において何ら関連性を有しないものである。
そうとすれば、たとえ「ダブルオーセブン」の文字がスパイ小説やスパイ映画の題名として取引者・需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者が、これより直ちに、当該商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということはできない。
(2)また、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、これをその指定商品について使用することが、社会公共の利益・一般道徳観念や国際信義に反するものということもできない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。