Trademark Appeal Case
不可分一体造語の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90319(T2005−90319/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4849745号商標(以下「本件商標」という。)は、「むちゅう」の文字と「夢酎」の文字を上下二段に横書きしてなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成16年5月7日に登録出願され、同17年3月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、「夢」の文字を標準文字で書してなり、第33類「日本酒」を指定商品として、平成11年9月20に登録出願され、同12年11月24日に設定登録された登録第4435958号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、指定商品中に「日本酒」を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、焙煎した麦を原料とする高級焼酎を「夢酎(ゆめちゅう)」の銘柄(以下「申立人標章」という。)で平成7年から現在に至るまで販売しており、需要者の間に広く認識されている商標であるところ、本件商標は、この広く知られた申立人標章と類似するものであり、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)本件商標は、その構成文字中に「焼酎」を意味する「酎」の文字を有するから、これを指定商品中「焼酎,焼酎を原料としたリキュール」など以外の指定商品については商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成は、前記のとおりであり、構成に係る下段の漢字部分には「酎」の文字を有するが、この漢字には「焼酎の略」との意味があることを否定するものではないが、同時に「濃い酒」、「三度重ねてかもした酒」との意味合いを有することを勘案すると、「むちゅう」の文字と「夢酎」の文字とを上下二段に横書きしてなる本件商標を、その指定商品中の「焼酎,焼酎を原料としたリキュール」以外の商品について使用した場合に、直ちに、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるとまでは断定し得ないとみるのが相当である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記(1)のとおり認定し得るものであり、その構成文字に相応して「ムチュウ」の称呼のみを生ずる不可分一体の造語よりなると判断するのが相当であるから、単に「夢」の文字からなる引用商標とは、外観においてはもとより、称呼・観念においても十分に区別し得るものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
申立人より申立人標章の周知性を立証するための証拠として提出された甲第2号証は、申立人(会社)が作成したと認められる平成7年11月から同16年9月までの各年の製造元より発売元(申立人)への「夢酎」の仕入れ金額を表にしたものであるが、これらの数字を裏付ける証拠及びこの間に商品「夢酎(ゆめちゅう)」が広告宣伝されたことを裏付ける証拠のないものである。同じく甲第3号証の1は、本件商標の登録出願直前、約1ヶ月前の2004年4月から2005年3月までの各月の売上数量又は売上金額を前年対比で一表に記載されているが、甲第2号証と同様に裏付けのないものであり、また、甲第3号証の2は、本件商標の出願後の2005年4月15日に申立人が作成したと認められる得意先名の記載された商品売上実績である。
そして、甲第4号証は、すべて本件商標の出願後の2005年4月14日に商品「夢酎(ゆめちゅう)」について検索したインターネット情報であるところ、これらの情報(記事)によれば、申立人が焙煎麦焼酎に「夢酎(ゆめちゅう)」の商標を付して販売していることは認められるとしても、提出に係る甲号各証は上記のとおりであり、これらの証拠をもっては、申立人標章が本件商標の登録出願前に、我が国の需要者間において広く認識されている商標であったとまでは、認めることができない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第16号のいずれにも違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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