Trademark Appeal Case
指定役務の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90358(T2005−90358/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4856198号商標(以下「本件商標」という。)は、「サザンクロス佐野」の文字と「Southern Cross Sano」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成16年6月3日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同17年4月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第4800649号商標(以下「引用A商標」という。)は、「Sano Southern Cross」の欧文字と「さの サザンクロス」の文字とを二段に横書きしてなり、平成15年7月14日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年9月10日に設定登録されたものである。
同じく登録第4781068号商標(以下「引用B商標」という。)は、「セミナー・サザンクロス」の文字を標準文字で書してなり、平成15年7月10日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年6月25日に設定登録されたものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号及び同第15号について
本件商標と引用商標とは、外観・称呼・観念上いずれにおいても、また、対比及び離隔観察によっても、全体更には要部観察によっても、極めて類似・酷似している商標である。商標の中で識別力のある部分は、正に「サザンクロス」の文字部分であって、誤認混同を惹起することは明白であり、商標法に規定する不登録事由に該当するものである。
本件は、独立行政法人都市再生機構並びに佐野市が、平成15年9月より佐野市通称「佐野新都市」内、高萩町と越名町の一部を囲み「サザンクロス佐野」なる標章を使用している問題のために、申立人が所有する引用商標の商標権が事実上侵害され、無意味かつ使用不能に陥り甚大な被害を被っていることを告発し、取り消しを請求するものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標が引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するというためには、商標が同一又は類似であるとともに、その指定役務が同一又は類似するものでなければならない。
しかして、本件商標の指定役務は、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」であるのに対して、引用A商標の指定役務は、第39類「駐車場の提供,駐車場の管理,機械式駐車装置の貸与,倉庫の提供,寄託を受けた物品の倉庫における保管」であり、また、引用B商標の指定役務は、第41類「知識の教授,語学の教授,学習塾における教授,国家資格取得講座における教授,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く),映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供」である。
そして、本件商標と引用商標の指定役務は、業種において明らかな差異があり、需要者等をも異にするものであるから、同一又は類似する役務とは認められない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、商標の類否を検討するまでもなく、指定役務の同一又は類似という要件を欠くものであるから、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標の指定役務とは、互いに同一又は類似する役務とは認められない。このような関係の中にあって、本件商標が引用商標と出所の混同を生ずるおそれがあるというためには、本件商標の登録出願時において、引用商標が取引者・需要者間において、広く知られている必要がある(商標法第4条第3項)。
そこで、申立人の提出に係る証拠をみるに、下野新聞、佐野市の広報紙「広報さの」及び都市再生機構佐野都市開発事務所発行の「SANO MEDIA」と題する冊子には、「サザンクロス佐野」に関連する記事が掲載されていることは認められるものの、申立人の所有に係る引用商標についての記事は見当たらない。
そうとすれば、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る役務を表す商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(3)なお、商標登録異議申立書には、本件商標が商標法第43条の2(登録異議の申立て)の規定中のいかなる条項に該当するのか、必ずしも明示されているとはいえないが、「異議申立の理由」の趣旨を勘案して、上記法条の主張として扱った。また、申立人は、上記法条以外についても主張しているが、いずれも、商標法第43条の2(登録異議の申立て)に規定されている条項以外の主張であるので、それらの点については、本件異議事件の中で審理することはできない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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